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セールスフォースが提唱するアフターコロナの働き方 世界経営者会議

欧米では、コロナ禍が弱まる中で退職率が上昇しており「the Great Resignation (大退職時代)」というキーワードが取り上げられています。

コロナ禍で変化した従業員の趣向性を捉え、企業は新しい働き方を先取りして提示しながら、事業成長を目指す必要性に迫られていると言えます。

『デジタル本社』がこれからの標準になる

「日経フォーラム世界経営者会議」は1999年から毎年開催されている国際会議で、世界各国の経営者が集まり、意見交換を行います。2021年は11月9日、10日に開催され、私はセールスフォースCOOであるブレット・テイラー氏のお話を伺いました。

まず、新型コロナの感染拡大で、世界中で働き方に関する意識が変わっていることを指摘されていました。

ヨーロッパで行った調査では「週5日のオフィス勤務を希望した人は3%、大半は週2〜3日勤務を希望した」という結果になったそうです。

コロナ禍のリモートワークを長く経験し、「通勤」と「無駄な会議」が減ったことで、家族と過ごせる時間が増えて、生活の質が向上していることを実感した人は、週5日の出勤を合理的とは考えなくなっています。

それと同時に、物理的にオフィスに集まれなくなることで失われてしまった、「目を見て同僚と話し合えることで、仲間の状況や感情が理解できる」、「仲間意識が高まる」、「偶発的な会話から助け合ったり、アイデアを出したりできる」などの仕事の質を高める要素が足りなくなっていることも、実感できています。

そのため、多くの人がフルリモートではなく、週の半分程度出社することを希望しているわけです。

コロナ前、コロナ過での自分たちの働き方を客観視して、良いところを組み合わせ、進歩した環境を構築できる企業が、労働市場で競争優位を獲得していくことになると感じています。

日本企業も先手を打つべき

日本は、セールスフォースが買収したビジネスチャットアプリのスラック・テクノロジーズの最大市場になっており、日本でも、デジタルツールに基づいた働き方が、一般化していることがわかります。

企業活動のインフラがデジタル化すると、企業にとっての労働市場の競争相手も広がります。例えば、日本に住んでいるエンジニアが高給を求めて、米国企業に就職することも夢物語ではなくなっています。

日本企業の経営者にとっても、仲間を信じて恐怖に打ち勝ち、勇敢に変化へと対応する時機が到来していると認識をしています。

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遠藤 直紀(ビービット 代表)
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