「史上最低」の住宅ローン 変動金利のままで大丈夫?
住宅ローンの変動金利が「史上最低」ラインになっています。日米欧の政府が大量に市場に資金を供給しています。将来的に金利が上がるのではないかと思うのなら、固定金利選択型を選ぶのも手です。住宅ローンの基本は次の3タイプ。「変動金利型」、「全期間固定金利型」、「固定金利選択型」の特徴をおさえておきましょう。
変動金利型
特徴:市場金利の変化によって住宅ローン金利も変動する。半年ごとに金利の見直しがあるのが一般的
メリット:固定金利より金利が低い
デメリット:住宅ローン返済額の見直しは通常5年ごとのため、金利上昇局面では金利の変化に気付きにくいという注意点がある
全期間固定金利型
特徴:借りている間ずっと金利が一定
メリット:あらかじめ金利が決まっているために将来の資金繰りを見通しやすい。金利上昇局面では金利上昇リスクを防ぐ効果がある
デメリット:金利は変動金利型よりやや高め
固定金利選択型 特徴:一定期間(3年、5年、7年、10年、15年など)は固定金利で、固定期間終了後は変動金利にするか固定金利にするか選択できるのが一般的
メリット:住宅ローンを借り入れた当初の残債が多い時に、一定期間金利を固定にすることができる
デメリット: 3年や5年など期間が短い固定金利選択型を選択する場合、残債が思うように減らないこともある
■変動で借りて、金利が上がってきたら固定に切り替えればいい?
実は、景気動向が金利に反映されるのは固定金利のほうが早いのです。金利が上がってきたなって思ってから切り替えてもすでに固定金利が上がっている可能性もあります。金利が低い時期に最初から10年など長期の固定金利選択型にしておけば、安心といえそうです。10年固定は競争激化やコロナ経済から金利の下落傾向が続いており、お得感が高いです。また、住宅ローン控除が終わるまでゆっくり返せる安心感があります。住宅ローンを選ぶ際には、目先の金利の低さだけではなく、低い金利が何年続くのかという長期的な視点を持ちましょう。
■すでに借りている人も住宅ローンの見直しを検討して
すでに借りている人も住宅ローンの見直しをすることができます。見直しの手段としては主に3つあります。借換え、返済プランの見直し、繰り上げ返済などです。今回は借換えに焦点をしぼってお伝えしましょう。
住宅ローンの借換えとは、新しく住宅ローンを組んで、現在借りている住宅ローンを一括返済するという方法です。変動金利で借りているローンを一括返済して固定金利に借換えたり、金利が高いローンから低いローンに借換えたりする際に効果的です。例えば、今借りているローン金利が2.5%、残債が2000万円、残りの返済期間が20年間だとします。金利1.5%のローンに借換える場合(返済期間は20年のまま)、約228万円も利息を減らすことができるのです。
ただし、借換えをする際に、保証料や手数料などに数十万円程度の費用がかかることもあります。費用に見合った効果を出すために、次の3点が借換えの目安と言われています。ただし、変動金利で借りていたものを安全な長期の固定金利に変えるという方法もあります。その場合は金利差が1%出なくても、場合によっては金利が多少上昇してもやる意味はあるでしょう。
借り換えの目安
1.金利差が1%以上ある
2.残債が1000万円以上ある
3.残りの返済期間が10年以上ある
一般的には金利差と残債と残りの返済期間がポイントです。住宅金融支援機構のホームページなどで借換えシミュレーションができるので、ご自分のケースで試算してみることが大切です。
かかるコストも銀行によってさまざまで、借り換え費用の大部分を占めると言われる「保証料」(※)をとらない金融機関もあります。また借換えをした場合、現在のローンの保証料が返還されるケースもあるんです。現在ローンを組んでいるところと借換え先の金融機関に確認をしましょう。
借換えをするメリット(金利削減効果、金利を長期の固定にするなど)とデメリット(コストや手間)をよく考えて、メリットのほうが多いなら検討する価値があると思います。住宅ローン見直しの一つの手段として借換えがあります。メリット・デメリットを理解した上で、おトクな面が多そうなら検討してみては。その場合はシミュレーションをしっかりしましょう。
※保証料とは
住宅ローンを借りる際に、保証人を不要にする代わりに、保証会社の保証を付けることで発生する手数料のこと。2500万円を35年返済で借り入れる場合、約50万円程度かかる。
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