実はNGな複業採用の進め方!複業採用におけるジョブディスクリプションとは?
日経COMEMOのKOLをしております、大林です。60,000名以上が実名顔写真付きで登録する複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営する株式会社Another worksの代表をしております。
近年、日本の雇用形態は従来の「メンバーシップ型雇用」から「ジョブ型雇用」に移行し始めています。
日経の記事では、日立製作所の取り組みを例に挙げ、職務ごとに必要なスキルを明記する職務記述書(ジョブディスクリプション)の公開を通じた人材募集について取り上げられていました。
この「職務記述書(ジョブディスクリプション)」というキーワード。ジョブ型雇用だからこそ必要なものであり、新卒、経験者、そして複業など、様々な採用現場で今後さらに求められていきます。
そこで今回は、「複業人材の採用におけるジョブディスクリプション」をテーマに企業がジョブ型で複業採用する際のポイントをお話していきます。初めて複業人材を採用する採用担当者の方、ジョブの切り出しに悩んでいる方のご参考になれば嬉しいです。
ジョブディスクリプションとは?
前提として、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への移行が進む背景には、不確実性が高く将来の予測が困難なVUCAの時代であることが挙げられます。予測できない市場の変化に素早く対応すべく、専門性を持った人材の採用ニーズが急速に高まっているのです。
▽ジョブ型とメンバーシップ型の違いはこちら
そんな専門性を持った人材の採用(ジョブ型雇用)において、欠かせないのが今日のテーマである「ジョブディスクリプション」です。
これは、担当する業務についての職務内容を詳しく記載した文書のことで、職務記述書とも呼ばれています。ジョブディスクリプションの中には、実際に採用後担当する業務内容や範囲、業務に応じて求められるスキルや資格を記載していきます。
専門性を持った人材の採用においては、候補者が職務内容を目にしたとき、「自分が当てはまる」と思ってもらうことが必要です。そのため、業務内容を限定しない従来の「メンバーシップ型雇用」では記載が不要だった、業務内容や責務を明確に記載することが非常に重要です。
現在、求職者側の目線で見ても、業務イメージが湧いた状態で応募~入社の意思決定ができるため、ジョブ型求人への応募が活発になっています。
こちらは「ジョブ型雇用」に対応した求人記載の一例です。
複業採用におけるジョブディスクリプションとは?
ここまで「ジョブ型雇用」に欠かせないジョブディスクリプションについて解説してきましたが、ここからはより「複業」にフォーカスしてお話していきます。
ジョブディスクリプションを作成する上で、正社員求人と複業求人を同じ形式・粒度で作成するのは危険です。なぜなら、複業採用のほうが、より明確に「任せたい業務」が決まっているケースが多いためです。
そのため、正社員採用の求人よりも、細かく、具体的に業務内容と求める人材像を記載しなければ、エントリーが来なかったり、採用できてもミスマッチに繋がったりする可能性が非常に高くなっていきます。
ここからは2つの具体例を用いながら解説していきます。
【複業求人】悪い例と良い例の比較
①マーケター
A社では、新規のプロダクトリリースにあたり、認知度向上とリード獲得を増やしたいという理想を描いていました。しかし現状は、代表自身がマーケティング施策を考え、かつ運用までしている状態。リソースが足りないという課題がありました。マーケティング施策を運用する実務面で手が回らなくなっていたり、PDCAを回せておらず、効果検証ができていませんでした。
そこで、マーケターを複業で募集することになり、下記の求人をだしましたが、中々エントリーが集まりませんでした。その要因は3つ挙げられます。
1つ目は、担当業務の内容が幅広く、依頼したい業務が不明確であることです。この企業に複業で入った後に、どのような仕事を任せられるのか、イメージがつきません。
2つ目は、働き方がフルタイムになっているところです。複業人材は、複数社で業務を掛け持ちしているケースが多いので、 フルタイムでの稼働時間で働くことができる人材はごくわずかです。
3つ目は、求める要件が高く、ハイレベルな人材を求めすぎているところです。企業が抱えている課題に沿った人材以上のtoo muchな募集をかけてしまっています。
そこで、求人をより良いものに改善した例がこちらになります。先ほど述べた3つのポイントが改善され、より魅力的な求人に変更されました。
②人事
続いて、人事職種を募集しているB社の事例になります。エンジニアを採用したいものの、社内にエンジニアの採用経験がある担当者がいないという現状があります。課題としては、エンジニア採用における適切な手法が分からず、採用が滞っていることが挙げられます。
そこで、人事を複業で募集することになり、下記の求人を掲載しましたがエントリーが集まりませんでした。その要因は3つ挙げられます。
1つ目は、求人のタイトルが、分かりにくい点です。エンジニア採用を全てお任せしますという、かなり丸投げで幅広い業務になってしまっています。求人のタイトルも、業務内容のイメージが湧くようなタイトルに変更することをオススメします。
2つ目は、課題に沿った業務内容ではないという点になります。リソースが足りないというよりは、知識が不足しておりアドバイスをしてほしいという課題に対して、媒体の運用やスカウト業務というズレた内容の業務が発生してしまっています。
3つ目は、上記でも記載した通り、働き方がフルタイムになっている点です。
そこで、求人をより良いものに改善した例がこちらになります。3つのポイントが改善されて、より魅力的な求人に変更されました。
今回の記事では、複業人材の採用におけるジョブディスクリプションをテーマに解説しました。複業人材を採用する際にご参考になれば幸いです!
今後も、キャリアや働き方、経営する上で大切にしていることをご紹介していきます!是非チェックお願いします!
大林 尚朝 / NAOTOMO OBAYASHI
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