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「越境」を「組織変革」に繋げるために大切な3つのこと

社外との人材交流によって社員を育成しようという動きが、今年に入ってますます活性化しているようです。

このような取り組みは「越境」もしくは「越境学習」といわれますが、あらゆる取り組みがそうであるように、ただただ「越境」すれば全てがうまくいくというわけではありません。

特に、それが個人を超えて組織への働きかけを促すという目的のものであれば尚更です。そこで今日は、「越境」を「組織変革」に繋げるために大切なポイントを3つご紹介してみたいと思います。

「越境」の選択肢を提示し、背中を押すこと

そもそもの前提として、越境をするということに、日本企業の社員は慣れていません。事実、副業解禁!と言ってゲートを開いたけれど、ほとんど活用されないという事例もよく耳にします。

それもそのはずです。社外に出ようにも、どのようなスキルが社外でも必要とされるのか、どうやって副業先を見つければいいのか、自分のスキルを「いくら」で値付けすればいいのか・・・わからないことだらけです。

そのような状況の中で、自分のプライベートな時間を削ってまで副業をしてみようという動機を持って行動できる人はほんの一握りです。そして、ほんの一握りの人だけが越境をしても、組織が変わっていくということにはなり得ません。

もちろん、最終的には自律的に活動できる個人が増えていってほしいと思いますが、一足飛びにそうはいきません。ですから、まずは会社が選択肢を提示し、背中を押してあげることが重要です。例えば上記記事中にあるように、コンソーシアムのような形を取るのも一つの手段だと思います。

弊社が運営している「side project」というプログラムも、一つの手段です。最初から業務時間外の副業という形だとハードルが高いので、まずは業務時間内の20%という形で社外に出てみましょう、というプログラムです。実際に、昨年実証実験を行った際には、「このプログラムを経て社外で副業を始めることができた」「こういう機会がなければ、社外に出ようとも思っていなかった」といった声が聞かれました。

いきなり高い階段を設けるのではなく、小さなステップを踏んで動き出せるような仕掛けを用意していく。それも大切なことではないかと思うのです。


組織内で「越境」の話題が出るようにすること

2点目は、越境先でどんな経験をしたかということを組織の中で会話できる状態を作るということです。

「越境」することによって、個人にとってはいろいろな発見があるはずです。一人ひとりがその発見を抱えているだけでは、組織に作用することはありません。

「越境先でこんなことがあってさ・・・」というような話題が出るようになると、その人にとって経験を言語化し、整理をするきっかけになります。それに、そういう話題に触れることで、「越境」をしていない人にとっても擬似的に社外に出ることが経験でき、自分が越境するイメージを持てるようになったり、興味が湧いたりという変化が起こってきます。

でも、どうしても業務と関係ない話題がしづらい空気もあるのだと思います。ですから、マネージャーの方など、上の立場の方が積極的に興味を持って「越境、どう?」と話題を振ってあげるなど、会話をしても大丈夫なんだという雰囲気を醸成するということがとても重要です。

そうなると、そもそもマネージャーなどの立場の人こそ、越境する機会を作っていかれると、一番良いのですけれども。


「越境」を自組織の行動に繋げること

そして3点目は、具体的なアクションに繋げることです。なにもそれは大きなことである必要はありません。とにかく、越境で得た経験を「社内に持ち込むって、こういうことか」というのをみんながイメージできるようにしていくことが大切です。

例えば・・・会議の進め方を変えてみる、新しいコミュニケーションツールチーム内で試してみる、上司を越境先に連れて行ってみる・・・この程度のことで良いのです。

「組織変革」ということが冒頭に来ると、どうしても構造的に、大がかりに何かを変えなくちゃいけないような印象がありますよね。でも、構造を変えたところでそこにいる人が変わらなければ、本当の意味で組織は変わりません。組織変革という手段を通じて果たしたい目標が達せられることはありません。

越境して得てきたことを社内に持ち込むことで、「組織の何かを変えていくことができるんだ」という感覚を持った社員をいかに増やせるかということがとても大切だなと思うのです。

その時に必要なのは、何十人を巻き込んだ大がかりなものである必要もない。数人単位の小さな変化で十分です。そういう変化があちこちで起きていく。そういう波紋が広がって、重なって、大きなうねりになっていく。

ぜひそんな感覚で取り組んでいただけると良いのではないかと思います。


一人ひとりの小さな越境が波紋を広げる

ということで、今日は越境を組織変革に繋げるためにどうしたら良いかということについて私の考えをお伝えしてみました。参考になることがあれば幸いです。

繰り返しになりますが、小さな波紋を組織の中に起こせる可能性が「越境」という行為にはあります。だから、みんながちょっとずつ「越境」しているような社会を作りたいなと思っているんです。

ぜひ、みんなで越境しましょう。笑それでは。


追伸:イベント情報


越境に関する取り組みをご紹介するイベントをいくつかご紹介させてください。ぜひお気軽にご参加いただければ幸いです。

文中でもご紹介したside projectの説明会です!

越境者の生の声を聞けるイベントも開催します!


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