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オリオンビールに学ぶプロモーションイベントの極意:没入感が高めるブランドエンゲージメント

先日、オリオンビールが主催の「秒で沖縄に行けるバー by Orion」というイベントに参加しました。本イベントは読んで字の如く、渋谷という都会の真ん中で、沖縄の雰囲気を再現し、参加者が会場に入った瞬間に沖縄を感じ、沖縄の魅力を体感できるというコンセプトで大きな話題になりました。そして30分のイベント時間が終わった時に、沖縄、そしてオリオンビールのファンになってしまう体験を提供していました。

今回は、なぜこのプロモーションイベントを通じて、沖縄を感じ、オリオンビールのファンになったのか、自分の考えの変化を踏まえ考察したいと思います。


「秒で沖縄に行けるバー」とは

今回参加した「秒で沖縄に行けるバー」は、イベント会場に足を踏み入れた瞬間、目の前に横長の大型スクリーンがあり、そこに沖縄の海、さざ波、砂浜がプロジェクションマッピングで映し出されており、さらには足元にはビーチの砂もあるのです。そして、そのビーチにはゆったりと座ることができるチェアやテーブルが置かれており、その光景はリアルなビーチそのものでした。そして会場にいるキャストの方々も沖縄出身で、話し方含めその所作からも沖縄をたっぷりと感じることができました。まるで沖縄に瞬間移動したかのような感覚を味わいながら、オリオンビールの新作のビールや、おつまみを楽しむことができたのです。まるで沖縄にいるようだ!という驚きから始まり、美味しいビールやおつまみを楽しむことで、ポジティブな感情がいくつかの層になって生まれていきました。下記がイベントのコンセプトです。

東洋一美しいと言われている
沖縄・宮古島の与那覇前浜ビーチが
プロジェクションマッピングで広がる没入型バーが
GWの期間限定でオープンします!
映像だけでなく、本物の砂浜に波の音、
沖縄出身のキャストに、
オリオンビールも無料で飲める贅沢体験!

「秒で沖縄に行けるバー」公式サイトより

日経新聞でも記事になっていましたが、このプロモーションイベントはオリオンビールとしても狙い通りの成功を収めていたとのことでした。

ビルの地下の1室に白い砂を敷き詰め、海の映像を流して「再現」した宮古島のビーチでオリオンビールを味わえる。この没入型バーには10日間で1000人以上が押し掛けた。「渋谷にいながら、オリオンのことを思い起こした」など、狙い通りの声も寄せられた。

参照:日経 "九州・沖縄フードBiz"

「没入」させることの重要性

このイベントは東洋一美しいと言われている沖縄・宮古島の与那覇前浜ビーチがプロジェクションマッピングで広がる「没入型バー」であると表現されていますが、この「没入感」こそが重要な鍵なのだと思います。

今回、私も会場に入った瞬間に目の前に大きく広がるプロジェクションマッピングによる沖縄の海の映像を見て、一気に「沖縄」にいる感覚に引き込まれていきました。それに加え、イベント会場のアイテムの数々もオリオンビールの存在含め沖縄感があるものがたくさんあったこと、キャストの方も沖縄出身だということもあり、沖縄の空気感に満たされていました。まさに「没入感」が高まった状態になっていたのです。

結果として、「自分は今沖縄にいるんだ!」という感覚になったわけです。そして手元にはオリオンビールとおつまみがあり、リラックスして飲んだり食べたりしていました。そうした楽しい体験を通じて、オリオンビールのファン度が明らかに高まっていたのです。

「没入感」が高まったことにより、自分自身がオリオンビール主催のイベントにしっかりと関与しているという感覚を得たこと、オリオンビールが大切にしている世界観を体感することができました。その結果、オリオンビールというブランドに対してのエンゲージメントが高まり、自分の関係がこれまでよりも「自分ごと化」され身近な存在になったのです。

没入感を高まったことで、オリオンビールへのエンゲージメントが高まり、結果私は周りの人にオリオンビールのイベントでの体験をポジティブに伝えていきました。とても好感度が高い経験をしたことで自らオリオンビールのブランドを語るようになりました。口コミでの広がりが生まれたのです。

そして、それ以降コンビニなどでビールを選ぶ時にオリオンビールが無いかを探すようになりました。これまでに無かった行動が生まれていました。

これこそが没入感が生み出した変化であり、没入感を生み出すことの重要性なのです。

何がイベントでの没入感を生み出したのか

上述の通り、今回参加したイベントで没入感が高まったことにより、

・ブランドに対しての高いエンゲージメント
・ポジティブな口コミ
・ブランドのポジショニングの強化 (私がオリオンビールを選ぶようになった)

というブランドにとって重要な変化を生み出しました。では、こうした変化はなぜ生まれたのでしょうか。言葉を変えると、なぜ高い没入感を生み出すことが出来たのでしょうか。

それは、細部までこだわり抜いたことだと考えています。

今回のイベントは、これまでに120万枚の桜の花びらに囲まれた空間で佐賀県の名産品を楽しむ「Sakura Chill Bar(サクラチルバー)by 佐賀」や、ハウスミュージックを聴き踊りながら、マグロの解体ショーを楽しむ「マグロハウス」を始め、様々な新しい体験を世に生み出しユニークな体験型イベントを仕掛けるAfro&Co. のアフロマンスさんが企画に入っていました。没入感が高くブランドへの結びつきを強くする今回の新しい体験は、Afro&Co. ならではの細部へのこだわりが生み出したものだったと思います。

プロジェクションマッピングに始まり、白い砂、キャストの方、細かなグッズ、音楽、(おそらく)室内の温度、そしてオリオンビール。

こうした細かい部分まで徹底的に沖縄を再現することへのこだわりこそが高い没入感を生み出す要因だったと考えています。

まとめ

今回、プロモーションイベントに参加し、没入感が高まったことでオリオンビールに対してのファン度が一気に高まりました。そして数週間経った今でも、その感覚は続いています。没入感が高く”自分ごと化”しやすい体験がもたらすこれらの変化は、イベントの参加者がブランドに対して深い関与を感じることに繋がり、長期的な顧客との関係の強化を生み出していくのです。

皆さまもブランドが手掛けるイベントやキャンペーンに参加し、自分自身がどのように感じたか、そのブランドとの関係がどのように変化したかを考えることで新しい気づきが得られると思います。そして様々なイベント・キャンペーンに参加し気づいたことをぜひ発信していただければと思います。

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