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オンライン教育2ヶ月の雑感と幼児の英語教育

日本では学校の9月始まりや休校中の宿題の量についての是非が議論されています。日本に住んでいる親や経済の専門家などと意見交換をしていますが、公立小学校での対応がマチマチでプリントなどを配布する自治体もあれば全く何もしないところもあるようです。

アメリカやシンガポールなどでは学校の対応が早く、カリフォルニアの公立小に通っている人もロックダウンが決まった翌週からオンライン教育が始まり、PDCAで改善され続けているようです。

シンガポールも同じで習い事なども含めてほぼオンライン教育を行なっています。また、6月からは徐々に学校が再開される予定です(マスクもしくはフェイスシールド装着の義務)。

2ヶ月間、欧米の学校で英語でオンラインラーニングを受けた雑感をお伝えします。

全体的にとにかく、プレゼンをさせる、意見を書かせる、本をたくさん読ませる教育です。ノンフィクションの本から動物を選んで、一つの動物についての専門家として皆の前でプレゼンをするなどです。また、共通テーマの本を2、3読んで共通点と相違点をプレゼンして動画にするなど。幼稚園の時から日常的にプレゼンをする場が多いです。

オピニオンを書く(誰かを説得させるなど)ライティングでは、問題のタイトルを書き、なぜそれが問題なのかと言う理由を2、3書き、結論を書くと言う構成で書き、チェックリストに沿って書いているか確認もします。

テーマは幼稚園の時から環境問題などSDGSを学びます。欧米人の保護者などとにかく教養が高いのは幼稚園の時からたくさん本を読み、意見を言い、旅なども多くするからでしょう。

このような訓練を日頃からすれば、人前でプレゼンをしたり、意見を書いたりすることもできます。講師もプレゼン力やITスキルが高い人が多いです。

<英語の学習について>

私は高校から英会話に何度も通ったり、短期留学をしたりして、TOEICの足仕切りがある外資金融に入りました。外資金融では英語を使い、シンガポールで5年間住んでいますが、この2ヶ月の学習ほど効果的な学習はなかったと思います。

シンガポールのインター校で英語講師をしているシンガポール人やネイティブが言うにはとにかく英語学習は「フォニックス」の一言だそうです。ところが日本語の本を探してもあまり出てこないですし、「フォニックスとは?」のような導入のコラムに留まるものも多く、徹底的に教えてくれるところも一部の習い事やインター校など限られていそうです。

フォニックスとは英語のスペルと発音の規則性を明示し、正しい読み方の学習を容易にさせる方法の一つです。欧米の学校の多くでは英語圏の子供や非英語圏の子供に英語の読み方を教える方法として一般的に用いられています。

外国に住んでみて痛感するのは、いくら難しい単語を知っていてもきちんと発音しないと伝わらないと言うことです。例えば、「ハムはどこにありますか?」と聞くにも、「ハム」ではなく、カタカナにし難いですが「ハンム」のような感じで発音をします。

子供に聞くと、お口の形を見てと言います。とにかくネイティブの口の形を見て真似をするしかありません。

外国に住んでいて仕事で非常に専門的な英語を使っている日本人であっても、病院や銀行などは日本語を好む人が多いです。日本人の多くは英語への苦手意識があるからでしょう。また、日系組織の英語のプレゼンテーションも文法は完璧でも発音は日本語英語の場合が多いです。

この2ヶ月間、毎日、毎日、徹底的にアプリでフォニックスを娘と一緒に詰め込みました。そうすると、聞き取るのに集中が必要だった英語が日本語のように自然と聞き取れるようになりました。難しく考えるよりも、筋トレのようなものなのです。

そして、スペルも聞いた通りに書けばよいので丸暗記をする必要がなくなるのです。知っていたら、紙に何回も書いてスペルを丸暗記する必要はありませんでした。

また、フォニックスを理解できると、たとえ知らない単語があったとしても、英語の本を音読することができるようになります。英語が好きになると、子供にももっと長い本の読み聞かせをさせたくなります。英語を使うので、プラスのスパイラルが働きます。

まさにパラダイムシフトです。日本の英語教育は読み書きに重点を置かれますが、欧米では特に幼少期は発音や音読に力を入れます。

ストーリーを音読したのをレコードして先生に送ってコメントをもらうの繰り返しもよく行いました。子供がわからない時は初めの音だけ発音をしてあげます。また、ライティングは聞いた通りにスペルをするので、「Throw」なども「Th」と読まないと、「スロウ」と発音すると「S」と書いてしまいます。全く発音が誤魔化せなくて、子供に教えるためにはネイティブ並みに努力をしないといけないと痛感しました。

日本では早期の英語学習の障害がよく取り上げられます。しかし、日本のような日本語ばかりの環境に身を置いた場合、たとえインターのプリスクールに通ったとしても日本語は問題なく話せる子供が多いです。

シンガポールのような英語の環境ですら、インター校に行かせていても両親が日本人であれば日本語は問題なく話せますし、週末に塾や補習校に行かせることもできます。

極端なケースが取り上げられますが、両方の言語を筋トレのように毎日しつこくトレーニングしていかなければ身につきません。ちょっとやったくらいでは害にも全くならず、身にもつきません。恐れずに足りずと言うことです。ちなみに子供は中国語も3年間毎日習っていますが、1日30分だとクラスの子供たちも趣味を中国語で話せるようになる程度です。これくらいの分量では害にもなりませんが、簡単なフレーズを話せる程度と言う感じです。

外国語教育は耳の良い小さな頃からさせる方がよいと個人的には思います。多くの国の人が同時並行で複数の言葉を学ぶのは一般的だからです。


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花輪陽子(FP@シンガポール、経営者、著者)
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