自分の消費体験をトレースすること
ここまで自分自身の心のツボを見つけるスキルを磨く方法を紹介してきました。心のツボを探り当てるには、1人の客としての自分の行動や感情、意識に目を向け、克明に再現すること、これらを生み出す自分の心理を深く理解することが欠かせません。一流のマーケターになる前に必要なのは「一流の消費者」になることなのです。
鹿毛康司さんの著書「心」が分かるとモノが売れるからの引用です。
こちらの書籍は、最近読んだマーケティング関連の本の中でも、ダントツトップで心に響きました。
マーケティングの仕事をする上で、顧客の心を理解することの大切さは、あらゆるところで言われています。
顧客=人の心と向き合うスキルを磨くことは、マーケティングの仕事をする上で超重要なわけです。
では、どうすれば顧客の心を理解するスキルを磨くことができるのか?
この答えは、
自分の心と向き合う
こと。
人の心を捉えるマーケティング思考を持つためのトレーニングについて書いていきます。
自分の消費体験トレースを習慣化する
推奨トレーニング
消費体験をトレースするトレーニングを毎日行う
このトレーニング、シンプルですが顧客起点や自分起点で考える力を鍛えるために本当にお勧めです!
自分自身、「心」が分かるとモノが売れるにて紹介されているトレーニングを、なるべく毎日行うようにしました。
何をやったかを簡単にご紹介します。
消費体験トレース ※書籍で紹介されていた内容を自分なりに解釈
・自分の1日(1週間でもOK)の購買体験で一番印象に残っているものを選ぶ。
↓
・400文字~800程度(文字数は目安で調整しても良さそう)でトレースする
※消費体験を3つ書き出す
①自分の行動を時系列で書く
②どんな感情をもとに行動していたか書く
③自分のバイアス(思い込み)や無意識レベルのことを書く
時間としては、15分~30分くらいでできます。
大事なのは、最初に「事実を書き出す」こと。
いきなり要約をしてしまうと、自分の良いように体験を解釈してしまい、「自分の本音」に辿り着かなくなってしまう。だから、400文字以上で描写することが大切です。
実施してみて感じているメリットは、
・自分の購買心理の裏側を理解することで、ユーザーインタビューを中心とした顧客調査を深めやすくなる
・企画する時に、もし自分がユーザーだったらどう受け取るかを自然と考えるようになる
・純粋に自分の好き嫌いを理解できるので面白い
など、当たり前だけど抜け落ちがちな「顧客視点で考える」ことが自然と仕事にも取り込みやすくなっています。
寝る前にSNSで情報収集をする時間を捨てて、自分の消費体験と向き合う時間に変えてみたのですが、メリット大です!
自分の消費体験を振り返り、インサイト発見力を日々鍛えること
インサイト発見が大切だとは、マーケティングに関わる人であれば一度は聞いたことがある言葉だと思います。
インサイトとは、
・お客様を動かす「心のツボ」
・言葉には出てこない本音
などのこと。
何となく理解していても、仕事でインサイト発見から企画に落とし込めている人は少ないのではないでしょうか?
これは、インサイトを自分ゴトとして理解できていないことが要因だと考えています。
改めて、自分の消費体験をトレースする習慣をつくってみて感じているのは、インサイト仮説力は日々意識して鍛える必要あり、ということです。
自分にとってのインサイトが理解できていれば、仕事で顧客のインサイトも理解しやすくなる。
逆に、自分のことを理解できていないのに、他者(顧客)の行動・心理を理解することは難しいですよね。なので、まずは自分自身の購買行動を分析することからはじめることは有効だと感じています。
自分の思考の中にお客さんを住まわせておく
こちらの鹿毛さんのインタビュー記事で、とても良い表現がありました。
仕事をする上で思考の中にいつもお客様がいるかを確認すること。ここ数年、テクノロジーの進化や手法の登場によりマーケティングもさまざまなことができるようになりました。それを勉強することは非常に有効ですが、それが全てに通用すると勘違いしてはいけません。人は経済合理性だけで動いていないからです。手法に頼っては「顧客に喜んでもらうこと」を忘れてしまいがち。思考の中にお客様がいるかどうかを立ち止まって考えてみてください。
いきなりお客さんの立場になって考えましょう!と言われても難しいです。お客さん視点は、日々お客さん視点で考え続けるから身につけられるものなので。
ぜひ、自分の消費体験をトレースするトレーニングは、日々の習慣に組み込むことをお勧めします!フレームワークに捉われて、顧客の心が抜け落ちってしまったらマーケティングの仕事はつまらなくなってしまう。
そして、「心」が分かるとモノが売れるは、ぜひ読んで頂くと詳細も理解できると思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました!