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大ヒット&ポケモン酷似批判のパルワールドは中国でも超話題。日本とは違う視点の数々

記録的ヒットとポケモンにキャラが似ているなどの批判で話題になっているPalworld、皆さんはもうプレイしましたか?実は中国でもけっこうバズっています!

19日夕方からSteamでの配信が始まって、記録的なダウンロード数。ボクも思わずダウンロードしてプレイしてみました。

公式運営さんが日々ツイートする数字がすごい勢いで伸びていますね。購入ダウンロード数もすごいのですが、同接も185万人に達して、これはSteamで配信されたゲームでは歴代No2の記録らしいです(1位はPUBGの300万人超え)。

リリースしてから記録ラッシュのパルワールドは、中国でもプレイしているユーザーがけっこういて、このゲームに関して様々な意見を投稿しているので紹介していきます。最近の中国はゲームに関する規制で神経質な雰囲気なので、新作ゲームのヒットには国内外問わずいろんな反響があります。

↑ゲーム業界激震の原因はこちらを見てください

面白いとプレイを楽しんでいる人や、ライブ動画をストリーム配信しているゲーム実況者にはたくさんの視聴者が見に来て盛り上がるなどポジティブな雰囲気もあるが、「パクリゲームだよな」といったネガティブな意見も議論されています。

まず面白かったのは、ゲーム開発の専門アカウントでのパルワールドについてのオンライン討論会。このゲームが人気になった経緯や優れた点、再現(模倣)できるかどうか、などについて議論が展開されました。その中から中国のゲーム業界関係者オピニオンをいくつかピックアップして共有します。

・この奇跡は偶然ではなく、発売前からのマーケティング(Vtuberや動画、tiktokなど)はかなり周到である。
・ゲームの作りは荒いところがあるが、完成度が高い。戦闘と経営、いわゆるSOCゲームの最も魅力的でコア部分でのイノベーションが十分評価できる。
・課金ガチャではなく、購入型のゲームとして、長時間の商業化と運営を企んでない点は興味深い。
・同じやり方の再現について、中国国内の大手は絶対やらないか、公にやることはしないだろう。パクリだとユーザーから罵倒されて評価が一気にダメになる。
・パルワールドは同社の3作目の作品ですでに低コストの開発体制が整った。国内の開発者が同じやり方を模倣しようとしても、3〜5年間はかかるのではないか。
・ライセンスがあって中国版やモバイル版を開発しても難しそう。問題は長期的なビジネス化の実現。国内ユーザー対象ではF2P路線ないと難しいから、このゲームの模倣もライセンス版も長期的な運営見込みは厳しくビジネスは難しいだろう。
・最近の中国のゲーム大手は、PCよりモバイルの方に力を入れてるから、根本的にこのような現象的な作品ものは難しい。

などなど。全体として謙虚にパルワールドの素晴らしい点から学ぼうとしているのが印象的でした。また、すぐに国内で同様のやり方を真似るべきか、同じようにヒットを出せるかといった中国の開発者視点からの意見や考察は日本では目にしないものが多かったと感じています。

そして「パクリゲームでは?」な意見もふれておきましょう。日本でもXなどでたくさんのコメントと議論があるように、ポケモンやその他のゲームに似ているのでは?という批判は中国でも多数あります。その視点も日本とはちょっと変わっています。

↑これは知識人たちが議論をかわすプラットフォーム「Zhihu」のスレッドのタイトルで「どうして原神は三年間Nintendoから訴えられていないのに、パルワールドはポケモンから一週間で調査の宣言がでたのか?」(株式会社ポケモンが対象はあえて言及しないまでも調査すると声明を出している)というもの。このスレッドはすでに50万View以上あります(1月28日時点)。

皆さんご存知の原神は今では確固たる地位を築いた日本でも大人気なゲームですが、リリースされた当初はゼルダの伝説に似過ぎだろということで中国でバッシングされていました。

まぁ原神ユーザー的には明らかに違うと言えますけどね

パルワールドについても、ポケモン愛のある人たちや熱心な方々が次々と調査結果を公開。どのキャラがどれほど似ているかの詳細は、気になる人がいましたら概要欄のリンクから辿ってみてください。

配信社のポケットペアが2022年にリリースしたゲーム「AIアートインポスター」で画像生成AIがプレイするために用意されていたり、経営者が過去にAIの利用にポジティブな発言を発信したりしていたことなどもまとめられていて、AIキャラ生成の議論にも発展。

また、キャラ問題以外でも、ポケモン×ゼルダ×ARKxマインクラフトの組み合わせゲームじゃんといった批判も多数あります。

なかなか手のこんだポスター

ただ、オープンワールド系のゲームで面白い要素を入れるとこういったスタイルになるんだと理解できるし、個人的には全然気になりませんでしたが。

かつてパクリ大国と言われた中国は激変しました。今では権利侵害に厳しい人がとても多く、特にキャラが似ていることについては日本以上に厳しい意見が多いように感じています。

今回の大ヒットとその後の行方は注目されると思います。ちなみに、社会現象になるほどヒットしたF2Pの作品については、このノートで何度か紹介したこともあり、良ければご参考ください。例えば、2023年に日本で大ヒットしたスイカゲームは中国では2年前の2021年に空前の大ヒットだった↓

世界中で学ぶべき事例を見つけて、取り入れていく必要が加速している気がしますね。今後も新しい展開があったら紹介したいと思います。ぜひフォローしてお待ちください!

(参考資料)


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