五感をぜんぶ使うのはコスパが悪い、という感覚。
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五感をぜんぶ使うのはコスパが悪い、という感覚。

「耳だけ参加します」

リモートワークがはじまってから、そんなセリフを聞くようになった。

料理をしながら、
育児をしながら、
若しくは他のタスクをこなしながら、
会議に耳だけ参加する。

聴いてさえいれば、大まかな流れは掴めるから効率的だ。

五感を全て研ぎ澄ませて〜

そんな感覚はもう昔の話かもしれない。

今日はそんな話。

■五感を捧げる、というマナー

かつては学校の授業にしても、会社の打ち合わせにしても、五感を捧げることがマナーだった。

1.触覚(手)
2.嗅覚(鼻)
3.味覚(舌)
4.視覚(眼)
5.聴覚(耳)

の中で、例えば学校の授業で実際に使うのは

1.触覚(手)→ ノートを取る
4.視覚(眼)→ 黒板を見る
5.聴覚(耳)→ 話を聞く

くらいだが、授業中にガムを噛んだら「失礼だ」と怒られるのは当たり前だった。

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しかし、リモートが当たり前になった今、
授業中にガムを噛んでも、打ち合わせ中にスマホを見ても怒る人は(あまり)いない。

むしろ作業効率的には、そっちの方がいいこともある。

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冷静に考えれば、先生や上司が今まで怒っていたことを、「リモートだから」という理由で怒らないのもおかしい。

そこで考える。

本当はこれまでも、怒る理由なんてなかったのではないか?

■モノゴトの本質を炙り出したコロナ

言わずもがな、授業や打ち合わせの本質は「内容を理解すること」だ。

ガムを噛もうが、スマホを見ようが、内容を理解さえできていれば問題はない。人それぞれ、集中できるやり方で理解すればいい。

例えば以前、北欧の小学校を見学した際のこと。
教室には色んな種類の椅子があった。日本ではあまりみない光景なので、その理由を聞くと「だって、普通の椅子の方が集中できる子もいれば、ソファーの方が集中できる子もいるじゃないですか?」と返された。

あまりに本質的な回答で唖然とした。

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日本ではみんなが同じ椅子で、同じ姿勢で先生の話を拝聴することが当たり前。それが授業の本質である内容理解を阻害する、など考えたこともなかった。

「授業中にガムを噛むな」という発言もまた、子供の内容理解という本質よりも、敬意やマナーを重視した風習だった。

それが今、コロナによって「まずは(どんな形でも)授業をすることが大事」という本質に立ち戻った結果、付随していた余計な風習も削ぎ落とされはじめている。

なんだ、やればできるじゃないか。
なんで今まで対面にこだわっていたのだろう。
むしろ、こっちの方が便利かも。

そんな声が、あちこちから聞こえてくる。

◾️五感をすべて使うのはもったいない

そんな中、最近若手社員がこんなことを言っていた。

「五感をぜんぶ使うはもったいないですよ」

彼は社内研修がオンラインになったことを歓迎し、逆にリアルの研修は五感がすべて支配されるのでコスパが悪い、と考えていた。

なるほど。
五感をコスパで捉えたことはなかった。
五感のうち1つを提供することはコストだ。

確かに、五感をフル活用すれば、最大5つのことを同時にこなせる。

人によっては

では研修を受け、
では食事を取り、
ではニュースを見て、
では仕事をして、
はアロマでリラックスをする

ことも可能だろう。

一方、これがリアルの研修だったらどうだろう?
先ほどのマナーが優先され、研修中にスマホでニュースを見るのも、食事をするのも憚られる。仕方なく60分間椅子に座って一点を見つめ、メモを取るフリでもするのだろう。

確かにコスパが悪い。

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コロナは私たちの生活を大きく変えた。
しかしそれは悪いことばかりではない。

本質とは何か?を考えさせられることもあった。
形骸化していたマナーや風習を見直すきっかけにもなった。

そして何より、コロナを機に私たちが五感を分割して活用できるようになれば、それはもはや「進化」と呼んでもいいのかもしれない。

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小島 雄一郎

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モヤモヤしたらパワーポイント。本業は若者研究。著書は「広告のやりかたで就活をやってみた」。プライベートでは人間関係に名前をつけないリレーションシップアナーキーやポリアモリーを。日経COMEMOのオピニオンリーダーをやっていますが、クビになる可能性もあります。自宅の1階は酒屋です。