北海道でのコロナ感染拡大抑止のためには「すすきの」にある元栓をしっかりとしめること
北海道は9日、新たな新型コロナウイルスの感染者が200人確認されたと発表しました。しかも札幌市内だけで158人の感染者で同日の東京都の感染者157人とほぼ同数です。さらにこのほとんどは繁華街「すすきの」から波及したと考えられる集団発生が原因とされています。
振り返ってみれば7月の全国的な感染者の増加(=第2波と捉えられる)は6月中旬に東京都新宿区の繁華街「歌舞伎町」におけるホストクラブの集団感染から始まり、移動制限の緩和により全国的に拡がった経緯がありますが、まさにこの状況がいま札幌で起こっている訳です。そもそもGo To Travelが全国的に始まって多くの観光客が来道したことも要因の一つではありますが、問題だったのは体調がすぐれない方がツアーに参加したり、「すすきの」に行くことを目的としたツアーや出張が企画されたりしたことで、道外から病原体が持ち込まれる機会を多く作ってしまったことであり、さらには初期の段階で積極的な封じ込め対策が行えていなかったことがここまで感染を拡げてしまったと考えられます。
道内の感染者のほとんどは札幌で、道内の他市とは東京のように簡単に行き来できるわけではありませんが、適切な対応が取られないと全道に感染が拡がる可能性も考えられます。さらには来道した旅行者が特に「すすきの」で感染する機会をつくり、知らぬ間に地元に持ち帰り、そこで感染を拡げてしまうことは数週間後の全国的な感染者のさらなる増加につながる可能性があります。
またこれからさらに気温が下がり、室内で過ごす時間が増えることが予想されます。私はもう3年近く仕事で月に1-2回程度ですが、道北(旭川)と道東(釧路)に出張をしておりますが、冬の北海道は本当に寒いですので、夜に窓を開けて外気を入れるのは絶対に避けたいのはよくわかります。そのような時はできるだけ人数を少なめに、会話は最小限に、もし話をしたければ食事が終わった後にはマスクをしてできるだけ飛沫が舞わないようにしてください。仮に換気ができていなくても、飛沫が舞うような環境を作らなければ感染拡大は最小限に防ぐことができます(そもそも感染者がいなければ拡がる可能性はないのですが、それを見つけるのはきわめて困難です)。もし密閉した空間で大騒ぎの飲み会をしてしまったような場合には、自分が感染したかもしれないと思いつつ、潜伏期間の1週間程度は次の会食やマスクなしで至近距離で会話をする機会を極力なくすような努力をしていただくことが、他の人への感染を最小限にとどめる対策になると思います。
いま、全国の感染拡大を抑え込むための3つの心得
①不要不急の北海道旅行は今はやめておく
②出張等で来道する場合は現地では宴会や大人数での会食は控える
③リスクある行動があった場合には帰ってから1週間程度自粛生活をする