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顧客と飲食店が相互に評価する段階へ

我々は時に消費者であり、時にはサービス提供者でもあるように複数の立ち位置を持っています。また、その位置付けも変化し続けるものだと捉えています。そして、それぞれの立ち位置に上下関係や貴賤のない、平等で相互敬意のある状態が理想だと考えています。

飲食店評価で何が変わったか

食べログやGoogleマップの口コミが一般的に使用されるようになり、酷いお店の情報が共有されることで、知らず知らずに訪問してしまい嫌な思いをすることが減りました。

さらに行くお店の探す際に、評価の高いお店から決める行動が習慣化してきたことで、来客数の多寡は評価の高低に左右され、評価は飲食店の存続の大きな要因になっています。そして、飲食店が顧客からの評価を気にすることで、独善的なお店が減り、飲食店全体の品質に良い影響を与えてきたと感じています。

しかし一方で、顧客と飲食店の関係性を、過度の顧客優位に歪めている側面も見られるようになりました。

とある居酒屋「食べログ掲載お断り」「食事のみお断り」「お子様連れお断り」の貼り紙に賛否などいろいろな声集まる

ここで指摘されているように、自らを神のように振る舞う顧客が増え、相互敬意が失われた状況が発生するのは大きな問題です。

・料金以上の価値の要求
・その店舗のコンセプトに合致しない価値提供を当然視
・横暴な要求や無断でキャンセルするなど無配慮

このように飲食店の負荷が一方的に膨らむ状況が続くと提供者が減少していき、現在のように世界でも類を見ない、安価で高い品質の飲食サービスは維持できなくなることが危惧されます。

顧客を評価し、点数化する動き

【業界初】テーブルチェック、飲食店利用ユーザーの信用スコア算出機能の開発を始動

株式会社TableCheckは、2020年春の稼働を目指して、顧客評価を可視化する「TableCheckカスタマースコア」の開発を開始したことを発表しています。

飲食店と顧客の公平な関係性を創出でき、マナーの良い顧客に対しては、これまで以上に快適なレストラン体験を提供できるようになるなど、双方の便益の創出を目指しているそうです。

このスコアは、

・利用店舗における支払料金や訪問頻度などの行動に基づいた情報
・店舗からの評価
・第三者機関が保有する情報

などを加味して算出されます。

「TableCheckカスタマースコア」自体が普及、成功するかはわかりません。

しかし、顧客と店舗双方向での評価が一般化されることは、より継続性の高い社会システムの実現につながるはずで、今後の発展に期待しています。

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