スキルベース評価制度のつくり方
こんにちは。
リデザインワークとスキルキャンバス代表の林です。
時代と共に、等級・評価・報酬制度は形を変えてきました。
職能資格制度、職務等級制度、役割等級制度、ジョブ型制度など様々な制度が誕生し、各社に合わせて活用・進化してきました。
しかし、どの会社も評価制度については、社員の不満や納得度の問題を抱えているのが現状です。
僕たちも、様々な会社様で評価制度の再設計・運用の支援をさせていただいていますが、色々な制度を設計・運用してみた結果、次の時代の評価制度は「スキルベース評価制度」が激しくおススメだと思っているので、おススメの理由と、スキルベース等級制度のつくり方を簡単に書いてみたいと思います。
スキルベース等級制度とは
従業員の評価や報酬をスキルや能力に基づいて行う制度です。
この制度は、職務遂行に必要なスキルや知識を適切に評価し、成長を促進することを目的とした制度です。
スキルベース評価をおススメする3つの理由
①マネジメントがこれなら評価できると回答してくれる
社員の納得度が低い、狙った成果が出せない最大の理由は、マネジメントが正しく使いこなせないことが原因であることが多いと感じています。
評価の基準が、ふわっとしていて具体性が欠けていたり抽象的過ぎるから、解釈の幅が広く、適切に運用できないからです。
現場で具体的に評価できるスキル設計をすることで、スキルベース評価を導入いただいた会社様から、これなら具体的でチェック・評価できると回答をいただき、実際に運用がうまく回っています。
②メンバーの納得感が向上する
具体的に何が出来ていて、何が足りないのかが明確であるという声や、上長とのすり合わせがしやすい、次に何のスキルを磨いていけば等級が上がるのか明確などの声を多くもらい、評価に対する納得感が高めやすい制度であることが言えると思います。。
③従業員スキル起点で人事施策を一気通貫で推進できる
従業員のスキルデータベースを起点に、評価だけでなく、配置、教育、キャリア設計、採用などの多様な人事プロセスを一気通貫で推進することが出来るようになることは、評価制度の枠を超えた最大の利点かもしれません。
スキルベース評価制度を構築する3つのステップ
1.職種の設定
まずは、自社の職種を分類することから始めます。営業や開発、コーポレートなど、各社において異なる職種構成を具体的に分類設定を行います。
2.職種ごとのスキル定義設定
設定した職種ごとに、スキル整理をしていきます。この際に重要なのは、具体的で現場がわかりやすいと回答してくれる内容で作ることです。
職種の下に、「領域」という大くくりのスキルジャンルを整理します。
例えば人事職種でいけば、「採用」・「評価」・「労務」・「組織開発」などを設定します。
次に、設定した領域ごとに具体的なスキル設定を実施していきます。「採用」領域なら、「求人広告媒体の選定や運用ができる」、「採用イベントの企画・運営ができる」、「リファラル採用促進ができる」など日々の業務と接続して設定します。
弊社では、各職種のスキルデータベースやひな形があるので、そのデータベースを活用することで、比較的容易に設定することができると思います。
3.スキルと等級・評価・報酬の紐づけ
最後に、設定したスキルが、どのレベルで出来るかに合わせて、等級を決め、スキル発揮度に合わせて評価点数を決めていきます。
設定したスキル点数の平均点が、〇点~〇点なら△等級と設定します。
以下の例だと、設定したスキル平均点が2.7以上~3.4未満であれば3等級
そして、その等級ごとに報酬設計を紐づけて最終化していきます。
まだ、データが不足しているので難しいですが、数年もすると、社外とスキルを比較しながら、報酬水準が設計できるようになっていくと思います。
人的資本経営の根幹が形成できる
各社とも、人的資本経営の本質であるスキルの可視化と蓄積が重要なテーマとなってきています。その本質を進める上で、各社からよく相談を受けるのが、中々従業員がスキルを入力してくれない、一度入れたけど、中々アップデートしてくれないという声です。
しかし、評価制度に組み込んでしまえば、上記のような問題も解消し、大きく人的資本経営を推進することが出来ます!
スキルベースの評価制度の設計に少しでもご興味があれば、気軽にご相談のご連絡をください。われわれもこの次世代の評価制度の設計を広げていきたいと思っていますので、ハンズオンで一緒に創っていきたいと思っています!
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