再エネの「雇用創出効果」は本物か?
なんだか印象操作な記事ですねぇ。
ちょっと元レポートを見てみましょう&去年のものもあわせて確認してみます。
その前に重要なこと。再エネが生んだ雇用の数を語る、すなわち産業政策として再エネを議論するのであれば、再エネ導入によって失われた既存産業からの雇用も含めて、全体的なプラスマイナスをカウントする必要があります。昨年ドイツ産業連盟を訪ねた時のインタビューでも「新しい雇用の数は簡単に数えられる。しかし、既存産業から失われる雇用は、例えば石炭産業が衰退して失われた雇用はまだカウントできるにしても、再エネの導入のためにエネルギーコストが上がり、国内の製造業から雇用が失われたとしてもそれをカウントするのは難しい。難しいという理由で無視されてしまうが、決して小さくない」とのコメントが聞かれました。
エネルギー政策として再エネの重要性を否定するものではありませんが、エネルギー政策に産業政策的な効果とかいろいろなものを「乗っける」のであれば適切に、ということです。最近よく「再エネのベネフィット」にいろいろなものをとにかく乗っけた議論が多いので。
この記事では再エネ雇用の数では、中国、ブラジル、米国、インド、ドイツの順であることが書かれていますが(日本は世界6位ということですので、ドイツの次ですね)、ドイツではどうなのか見てみましょう。
同じレポートの2017年版では、
「Renewable energy employment in Germany continues its recent downward trajectory.」
「(ドイツの)太陽光事業については、2011年の11.1万人からわずか4年後の2015年には3.16万人と三分の一以下に急減」とされていますし、
http://irena.org/publications/2017/May/Renewable-Energy-and-Jobs--Annual-Review-2017
今年版では「2015年の3.81万人から2016年には3.58万人に減った」とされています。
あら?数が異なりますね。まぁこんなもんです。というか、ドイツの太陽光で3万人台なんです。
https://this.kiji.is/369036080299230305?c=113147194022725109