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欧州の孤独死の傾向を想像できるか?

友人のオーストリア人の写真家が、日本の孤独死をテーマに写真を撮りたいというので、できる範囲でいろいろと手伝っています。孤独死は世界の各地でテーマになっていますが、そのなかで特に日本が多く、また遺品整理サービス業なども成立しています。英語で記事を探しても、日本の実情を紹介した記事がよく出てきます。

ご存知のように日本の65歳以上の人口比は27.7%です。EUの平均が19.2%で、20%を超える国はブルガリア、フィンランド、ドイツ、イタリア、ポルトガル、ギリシャの6か国だけで、最高率のイタリアでも22.0%ですから、日本が注目されるのも当然です。

彼が日本の孤独死の地域分布図が分かるか?と聞いてきたので検索で探してみると、次のような記事がでてきました。

昨年の記事ですが、日本の孤独死は3分1が都内23区内で起きており、しかも都内の北側が多いとのデータを示しています。大都市で、しかも比較的に所得が低い地域だというのです。そうした傾向のあるところで、人間関係に疎遠になっている人が孤独死のデータに入ってきているわけです。

さて、これを読み、欧州の高齢化社会の特徴は何なのだろうと思い、データを眺めてみました。すると、いくつかのことが見えてきます。

その一部が冒頭に述べた数字ですが、旅をするパーセンテージからみえてくるのは、欧州の北部の人の方が圧倒的に旅行をしているということです。EUの平均では48.8%ですが、軒並み70%から80%近くの人が旅行をしています。一方、南欧諸国が20-30%台にとどまっています。これから想像できるのは、経済的な理由です。しかしながら、経済的にここまで南北で差があるわけでもないとすると、寒い国の人たちが暖かい国へ旅しているのか、ということになります。

ただ気になるのは、バルト三国は20-30%です。これは明らかに経済的な要因が強いと思われます。

もう1つのデータで目をひいたのは、インターネットの使用率です。旅行の傾向とインターネットの使用は、それなりに関係があるのではないかと想像できる数字が出ています。高齢者の旅を見ていると、グループで移動している人が多いですし。

一方、1人暮らしの割合はEU平均は32.1%ですが、旅行やインターネットほど国ごとのばらつきがなく、およその国は30%台で20%台があるという分布になっています。

欧州の孤独死分布についてのデータはまだ見つかっていませんが、欧州のどの国が孤独死が多いのか、上記のような大ざっぱな数字から見えてくるのかどうか、どういう数字を見ると傾向が想像できるのか、ぼんやりと考えているところです。ー例えば、旅とインターネットの率が高い国では、孤独死が発生しずらいかどうかー。

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