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ポリアモリーな5年間で考えたことを振り返る。

ポリアモリーという生き方がある。

・両者合意の上で
・複数の人と
・同時に
・恋人的な関係を持つ
・ライフスタイル

のこと。

一般的な認知率は5%

僕がそのライフスタイルを取り入れたのは5年前

ポリアモリーをはじめて考えたこと、悩んだことは、その都度 note のマガジン「誠実なクズとしてのポリアモリー」にまとめてきた。

最初はもちろん恋愛にまつわる考えや悩みだったが、議題は徐々に変化。

・ジェンダーの話
・関係性の話
・世界の話
・歴史の話
・政治の話
・哲学の話

それらはすべて、ポリアモリーをはじめなければ、考えもしなかったことだ。

今日はそんな5年間を、ダイジェストで振り返ってみる。

最後に告知があります

■出発点は「一夫一婦制」

ポリアモリーをはじめて考えたこと、悩んだことは、その都度 PowerPoint(パワポ ) でまとめてきた。

その変遷を、例によってパワポで1枚にしたら、こんな感じ。

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さて、どこから説明しよう。

まずは出発点。
僕がポリアモリーに興味を持ったきっかけは、自らの離婚だった。

言わずもがな、日本は一夫一妻制だ。結びつきが強く、結婚はし易いが、離婚はし難い

独身に戻って、いいパートナーが見つかったとしても、この制度に再び乗っかるか。そこが悩みの出発点だった。

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公的な関係の結婚相手が1:1なら、もちろんその手前にある私的な恋人関係も1:1だ。

それ以外のスタイルを採用しようものなら「クズ」のレッテルを貼られる。一夫一妻制に乗らないなら、その覚悟が必要だと感じていた。

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■新しい「クズ」の形、見つける

半ば自暴自棄になって「クズ」を受け入れようとしていた時、友人から「ポリアモリーってのがあるよ」と聞いた。

目から鱗だった。

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確かにこれはクズだけど、クズじゃない。

そんな感覚を確かめるように、実践をはじめた。

人はポリアモリーをはじめると、何を考えはじめるのか。

その過程をnoteに書き留めておくことにした。

まずぶち当たったのが「嫉妬」だ。

ポリアモリーは1:1が前提ではないので、自分のパートナーが他にパートナーを持つ可能性について受け入れる必要がある。

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それは公的な契約違反に当たる不倫とも、本命が居るけど浮ついた気持ちを実践する浮気とも違う。そんな新しい感覚と向き合いはじめたのが1年目のポリアモリー生活だった(別に今も解決はしていない)。

■関係性の放棄、はじめる

そうこうしている間に、世の中も変わり、日本でも「事実婚」という形態が注目されはじめた。

1:1の世界でも、複数:複数の世界でも、公的な関係と、私的な関係のあいまいさが、心地よさに変わりはじめた。

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でも僕は一旦ポリアモリーを採用したので、もう少し向き合ってみようと思った。

でも考えれば考えるほど

「そもそも恋人ってなに?」
「そもそも家族ってなに?」
「そもそも友達ってなに?」

など、関係性の定義でいつも躓いていた。

次第に「誰が決めたんだ、こんなもん」となってくる。

そんな時に出会ったのが、リレーションシップ・アナーキーだった。

関係性の名前に支配されたくない。

このスタンスはポリアモリーよりも自分に合っているかもしれない、

そう思った。

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■恋愛感のルーツ、掘る

この頃から思考は海外に向かう。

それまでは稚拙で「一夫一妻じゃない ≒ 一夫多妻制のアフリカ原住民」みたいなイメージだったが、3人婚をはじめ、世界には様々な婚姻制度があった。

あれ?じゃあなんで日本は、今の恋愛感なんだろう。

そんな疑問から、今度はロマンティックラブイデオロギーと出会い、日本人にとって「恋愛」という概念が輸入品だった、と気付かされた。

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夢から醒めたと同時に、ここまで何も考えずにロマンティックラブを信じこませたドラマや映画など、カルチャーの暴力についても考えさせられた。

■遺伝子、そしてフェミニズム

歴史を遡りはじめたら、遺伝子まで遡ってしまった。

知の巨人と呼ばれるジャック・アタリによる「愛の歴史」という書籍は

「なぜ生物は男女にわかれたのか」
「性別がある生物とない生物、どっちが進化か」

という話からはじまった。

「再婚とかするのかなぁ」

という僕の低俗な悩みは、いつしか遺伝子レベルになっていた。

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男性と女性とはなんなのか。

男性は力強くて、女性は手先が器用で…

なんて考えだすと、従来の一夫一妻制は、こうした性別の役割分担の上で、男性優位の家父長制的な側面が強いことにも気づいた。

そしてこれまで、世の中が男性中心的であったことや、女性が押し付けられてきた役割について考え出すようになった。

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フェミニズムについて考えはじめたのはこの頃だ。

■ジェンダーと政治、夫婦別姓

そもそも「男女」ってそんなにキッパリ分かれるものだろうか。

今度はジェンダーについて考え出す。

男女のどちらにも当てはまらない人についても、意識しはじめた。

そして気づく。

なんだ。ぜんぶグラデーションじゃん。

これまで二元論で考えていた自分がバカらしくなった。

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と、ここまでの考えを表明すると「リベラルだね」という政治的なレッテルを貼られるようにもなった。

どうやら僕は「右か左か」でいうと左ということになるらしい。

自分としては、考え抜いた結果たどり着いただけの思考だったので、それを「○○派だね」的に括られることに違和感を抱いた。

政治の世界では、夫婦別姓や同性婚の議題が白熱しはじめていた。

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賛成が67%の夫婦別姓は、いまだに成立していない。

リベラルは弱いのかもしれない。そんなことも考えた。

■そして哲学へ(イマココ)

そして最近考えるのは「所有」について。

シェアハウスやカーシェアリングなど「シェア」の概念がすっかり定着した今だから、改めて「所有」について考えてみたいと思いはじめた。

他人を所有することはできない

なんてセリフは「もっともらしい」が、僕らの思考や制度は本当にそれを前提としているか、と問われると怪しい気がする。

こんな話をすると今度は「哲学的だね」なんて茶化されるようになった

が、相変わらずそんな壮大なつもりはあまりない。

ただ、終わりがないゲームみたいな感覚を楽しんでいる。

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以上、ポリアモリーをはじめてから、僕の5年間はこんな感じだ。

たくさんのことを考えてきたつもりだったが、文字にすれば2,000字程度のことだったのかもしれない。

ご清聴、ありがとうございました。

すべてのきっかけとなったポリアモリーについて、今月「ポリアモリーウィーク・ジャパン2022」というオンラインイベントで少し話します。テーマは「ポリアモリーとフェミニズム」です。無料のチケットはこちらからどうぞ。

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小島 雄一郎
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