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出来事を未来のヒントに変える「1年振り返りシート」のつくりかた

 Potage代表 コミュニティ・アクセラレーターの河原あずさです。起業2期目に第2子の年子が生まれ、激動の1年を過ごしました。

 いよいよ師走も終盤で、2023年までカウントダウンです。1年を振り返ってみて、次の年、どんなことをやっていこうかなと考える方も多い、そんな頃合いかもしれません。

 そんなわけで、今年最後のCOMEMOでは「お薦めの1年の振り返り方」についてお話できればと思います。

 僕はEQPIという、感情知性(EQ)ベースのアセスメントの資格を持っていたり、ナラティブインタビューという個人のキャリアの棚卸インタビューサービスを運営したりしている関係で、数多くの「自分振り返りメソッド」を独自開発しています。

 自分自身の日々を客観的にとらえて、未来の自分を想像しながら先の指針をつくることの重要性を日々様々な方にお伝えしていますが、そのためにとても有効な行動の1つが「定期的な自分自身の足跡の振り返り」です。

 ところが「自分を振り返りましょう」と言っても、なかなかいい方法論が浮かばないものです。そこで今回は振り返りのヒントとして、ぼく自身も毎年実践している「自分振り返りシート」のつくり方をご紹介します。ぜひ参考にして、試してみていただけると嬉しいです。

上の記事のように、さまざまな企業で従業員の人生観を元にした働き方のシフトは進んでいます。自分の振り返りは自律的な働き方の促進にもとても役に立つものです。

1年の振り返りシートをつくろう


こんな感じのシートをつくっていきます!

 自分振り返りシートをどうつくるか早速説明します。まずA4の用紙を用意してください。それを横向きにして、だいたい12等分にして、年表をつくるイメージで、1から12の数字を振っていきます。

 その後、枠線をひいて、それぞれの月の「枠」をつくります。枠の中には、それぞれの月に起きた出来事をキーワードで埋めていきます。

 日記をつけている人がいたらそこからいくつか印象に残っている出来事をうつしてもいいし、SNSの投稿やカレンダーの記録からたどっても大丈夫です。色々な出来事を思い出せるだけ思い出してみて、自分にとってこれは重要な出来事だったな、というものを記録します。「夫婦喧嘩をした」「犬を飼い始めた」「昇級した」「はじめてカルボナーラを美味しくつくれた」などなど、自分にとって大事だと思う出来事であれば、なんでも大丈夫です。

それぞれの月にタイトルをつける

 と、ここまでは似たようなことをやられている方は多いかもしれません。ここからがミソなので、ぜひ続きもお楽しみください。

 その次にやってほしいことがあります。「毎月のタイトルを決める」ことです。

 出来事を抜粋して振り返った後に、その1ヶ月のストーリーに題名をつけるとしたらどんな見出しをつけるのか、それを考えて書いてほしいのです。順番に考えていくと、12個のタイトルが振り返りシートに並ぶことになります。

 その後、ぜひ12個のタイトルを順番に眺めてみて下さい。すると、自分の1年間の人生の流れが、1つの物語として、俯瞰して振り返れます。

 この「俯瞰して振り返る」というのが大事です。細かい出来事をフル変えると、一個一個の出来事を細かく思い出すことはできても、全体の流れを捉えなおすことが難しくなります。しかし、毎月のタイトルをつけて並べてみると、思考の抽象化が起きて、各月の出来事の数々に対する「意味づけ」ができるようになります。この「意味づけ」の連続が、自分の今のありようをとらえて、ちょっと先の未来の自分を想像する上で、重要なヒントになるのです。

 その後にやってほしいのは「四半期別のタイトルづけ」です。1~3月、4~6月、7~9月、10~12月をひとまとまりにしたときにどんな題名をつけられるかを考えて、シートに追加していきます。更にやってほしいのは「上半期、下半期のタイトルづけ」、そして「1年間のタイトルづけ」です。

 ここまでやると、自分の1年間がどんな意味があるもので、どんな流れによってそうなったのかを、自分にも他者にも伝えやすくなります。出来事も整理されますし、その出来事によってどんな変化が起きたかも同時に整理できるというわけです。

出来事への意味付けが生み出す未来のデザイン

 僕自身、日ごろ大事にしていることに「出来事への意味付け」があります。一つ一つの出来事は、過去にどんどん流れ去っていくもので、放っておいたら、なんとなくの記憶として残るか、完全に忘れ去るか、大体どちらかです。忘れていいことは必要なときに反省などした後にはどんどん忘れていいのですが(むしろその方が健康的でお薦めです)「自分が大事だと思うこと」は未来につなげていったほうが人生のプラスになるのではと思っているのです。

 現在は過去の集積で出来ていて、その先に「未来」はやってきます。ということは、あらゆる未来は、過去積み重ねたモノコトの上に乗っかっている存在です。この「積み重ね」を確認して、これから起こるであろうことと結びつけると、過去の経験を活かした次のステップや、自分の強みや興味を軸とした新しいアクションにつながりやすくなるのです。

 そして出来事への意味付けは、時として「その先にある転機を予測する」力を与えてくれることがあります。自身の人生の流れ(トレンド)を整理することにより「こっちの方向性に向かっているのであれば自然とこういうことが起こりえるな」とか「こういうことを起こしていくと自分にはしっくりくるのだろうな」、逆に「今は新しいことはやらずに落ち着かせる時期だな」「足元をしっかり固める時だな」という、ある種の確信めいた「未来予測」を産み出すのです。

 出来事の一つ一つを記憶のかなたに整理せずに流してしまうと、判断の要素が消えていくので、自分の今のモードの確認精度が落ちたり、未来の予測を立てる材料もなくなってしまいます。

 僕はこの振り返りを過去5年間実施しています。1年に1度、しかもざっくりとでいいので、1つの区切りとして、それまで起きた出来事を整理し、抽象化して解釈し、自分自身の歴史をストーリーに起こしておくと、タイトルを眺めるだけで年毎の変化を可視化できて、自分の変遷の模様がくっきりと見えてきます。5年前の出来事をいきなり思い出すことは難しいものですが「あ、自分は〇年前にこういうことがあったから今こういうことになっているんだな」という人生の連なりのようなものが確認できるようになるのです。この確認作業が、将来の自分の向かいたい方向性の確認にとても役に立ってきます。

 今回のシートはあくまで例で、方法はさまざまありますが、過去の出来事の積み重ねを材料に自分自身への認識を深めることは、未来の行動をデザインする大きなヒントとなります。なかなか普段はそのような時間がとれないかもしれませんが、年末年始のまとまった時間は振り返りのチャンスです。区切りの時間に自分の全体像を振り返ることは、自分自身にきっといいフィードバックをもたらせてくれることでしょう。ぜひ、チャレンジしてみてください。

 日経COMEMO、2022年も書き抜きました!それではみなさん、よいお年を。

※編集協力 横田真弓(THE MODERATORS & FACILITATORS受講生)

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