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組織にデジタルの触りだけを導入して、一件落着、としていませんか?

「産業界のデジタルトランスフォーメーションをAIと人の協調により実現する」株式会社ABEJAの岡田です。


はじめに

現在、私は、ABEJAが7月26日(火)・27日(水)の2日間で開催するイベント、「SIX 2022〜HIとAIの協調〜」の準備の真っ只中です。

SIXは、DX・AIに関する最新事例や活用技術をお届けするカンファレンスです。2018年には3,000名以上、2019年には8,000名以上にご参加いただいたのですが、以降、新型コロナウイルス感染症の影響で開催を見合わせていました。
約3年間ぶりに開催する今年は、ABEJAのサービスや技術に関する運用事例だけではなく、DXやAIがもたらす社会へのインパクトといった視点から、多岐にわたるセッションを用意しています。
参加できる方は、ディベロッパーに限りません。経営者も現場担当者も担当者以外も、広く10,000人の参加者を募る国内最大級のイベントです。
参加者の要件は、初回の2018年から絞っていません。
それは、私は、DXもAIも、技術者や関係者だけで取り組むものではなく、ビジネスパーソン誰しもが参加しない限り、新たなイノベーションの創出や真の課題解決はできないと考えているからです。

それを裏付けるような記事がありました。


「DX」という言葉がメジャーになったのは2018年だった

ABEJAが第一回のSIXを開催したのは2018年2月でしたが、奇しくも日本において、DXというキーワードを一気にメジャーにした裏には、同年9月に経済産業省が発表した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』の存在があります。

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf

ぜひご一読いただきたいのですが、本レポートには、多くの経営者が、将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するデジタル・トランスフォーメーション (=DX)の必要性について理解しているものの、複雑化・ブラックボックス化した既存システムを改善できない、業務自体の見直しも求められるがいかに実行するかなどの課題があると書かれています。
そして、これらが解決できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性もあると警鐘が鳴らされており、これを「2025年の崖」と名付けられています。


日本におけるDXの現状

現在、グローバルにおけるデジタル面での日本の存在感は周知のとおりでしょう。
2018年にこのレポートが出て、日経新聞の読者のようなビジネスパーソンは「DX」を模索してきたであろうに、スイスのビジネススクールIMDがまとめる「世界デジタル競争力ランキング」で、2021年の日本の総合順位は64カ国・地域中28位という結果に・・・。さらに個別指標である「デジタル・技術的スキル」は62位、「企業の俊敏性」は64位という残念なランクです。

今や国際競争力の大部分をデジタルの進化が担っています。
同じアジアでは、韓国や中国が年々右肩上がりに競争力を増している一方、日本は下降傾向にあります。


DXを推進する企業の心構えはどうか

日本において、各企業はどう貢献できるのでしょうか。
SaaSやITをとりあえず導入して、「まずは一安心」と思っている経営層がいると、そこで止まってしまいます。導入だけでは、実態としては何も変化が起きていなく(むしろリソースを消耗しただけと言えるかもしれませんが) 導入した後、いかにPDCAを回してプロセスをアップデートできるか、が重要です。
DX自体は課題を解決するための手段にすぎないのですから。

日本のDX・AIにおける現状に対して、この産業に携わる身としては、ひしひしと責任を感じています。
先に申し上げた「SIX 2022〜HIとAIの協調〜」では、DXやAIに関する潮流やビジネスにおけるポイント、疑問を解消できるヒントを提供したいと考えています。
「デジタルが解決する課題」に対して、実直に向き合いながら、投資を続けてきた企業がいらっしゃることもディベロッパー側から理解しています。
そういう企業にとっては、ここからが「刈り取り」の時期です。
そうでなかった企業は、どうぞ今から始めていただきたい。

課題の分析、解放、そしてデプロイ。できるだけ多くのビジネスパーソンを巻き込み、DX・AIにおけるイノベーションの創出に結び付けることが、この仕事に携わる私の使命だと考えます。

よろしければ「SIX 2022〜HIとAIの協調〜」にどうぞご参加ください。

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