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異様に高い精度を誇るオムロンの未来予測「SINIC理論」、その全貌が少しずつオープンに

先日、ご縁を頂いてオムロンさんのイベント「OMRON Human Renaissance vol.1」にスピーカーとして登壇いたしました。
オムロン独自の、50年前から現在のインターネット社会を予期していた異様に精度の高い未来予測理論「SINIC理論」を一般に向けて太っ腹ご開帳(オープンソース化)し、これからの未来社会(最適化社会、自律社会、自然社会、etc...)をどう生き抜くか考えるイベントとして開催されたものです。

フタを開けてみれば驚くほどの反響で、幅広い世代の方から300人超のお申し込みを頂き、平日の昼にも関わらず200名もの方がライブでご視聴いただき登壇者側も驚きました。この混沌とした社会の中で、高精度の未来予測理論がどれだけ強い需要があるかを実感……!

SNSでも「今は悶々とし、先も読みづらい。経済成長にも期待できそうにない。じゃ、どうすんねん?というその光明が見えた90分でした」と参加者の方からも嬉しいご感想をいただけました(ご参加者アンケートも異様に高評価)。ありがたやです😂

そもそもSINIC理論とは?

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「SINIC理論」、私もこのイベントに参加するまでまったく存じ上げなかったのですが、オムロン創業者・立石一真さんらが、インターネットのイの字も何もなかった50年前のバブル真っ盛りの時期に、高い精度で現在の情報化社会を予想していた恐るべき精度を誇る独自の未来予測理論だそう。

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哲学・歴史といった人文科学と、数学的なシミュレーションの両軸により、「科学・技術・社会が相互に影響を与えあいながら螺旋状に進歩していく」未来予測理論として構築され、1970大阪万博の時代に国際未来学会議で発表されたのが最初の登場だったようです。

驚くべきことに、あの優良企業オムロンのぶれない経営指針として今も本当にガチ活用されている模様。
現在も続いている大企業の創業者のビジョナリーさは本当にすごいです(現代持て囃されているそこらのスタートアップ創業者よりもよほどビジョナリーなのでは、、、)

線形経済から循環型経済へ

イベントでは「ワイアード」「ギズモード・ジャパン」など、紙とウェブの両分野で多くの先鋭的な媒体を立ち上げられてきた小林弘人さんの基調講演「After GAFAとSINIC理論」が行われ、非常に面白いお話にイベント冒頭から惹きつけられっぱなし。

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革新的なテクノロジーが普及した現代でも、結局は産業革命以降の枠組みや搾取構造がいまだ残っており、UberやAirbnbなどのマッチングサービスも結局は本当の意味での「シェアリング・エコノミー」ではなく、新しい搾取構造であると小林さんは批判します。

その一方で、世界の潮流としては線形経済から循環型経済(サーキュラー・エコノミー)へと移り変わりつつあり、エシカルブランドの勃興や製品のアップサイクル(本体を買い換えなくても、パーツの交換でアップデートをすること)など、世界各地で環境に配慮した経済活動が萌芽している。

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また、これまでのようなお金の資本だけでなく「創造性資本、地域資本、関係性資本」こそが新しい資本であり、既存の枠組みの上で静かに革命が起きている兆しを世界中の事例から感じられているそうです。
テック産業ではある種「テクノロジー万能説」のような技術マッチョな未来論が幅を効かせてきた面があるのですが、それだけではない、より自然や地球環境と融合したヘルシーな未来のあり方を想像できる、素晴らしい講演でした。

自然社会とハイパー原始社会

株式会社ヒューマンルネッサンス研究所社長の中間真一さんによる「SINIC理論」のレクチャーにおいては、短い時間でギュッとSINIC理論のコアを解説。

その中でも自分が特にインスパイアされた&興味を持ったのが「自然社会」という未来のビジョンでした。

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自然社会……とは……!?(妄想)


SINIC理論よると、社会は螺旋型にぐるぐると「モノ中心/心中心」「個人中心/集団中心」という対極軸の狭間で揺れながら進歩している。
そして今はまさに工業社会からの価値観の揺り戻しが起きており、パラダイム・シフトの時期である「最適化社会」にあたるそう(中間社長は、現在を"二度目のルネッサンス"と位置づけられていました。なお前回のルネッサンスもペストが蔓延した疫病の時代であり、奇妙な共通点が多いようです)。

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この混沌と葛藤を乗り越え、最終的に原始社会から続く社会の成熟が一周し、2033年頃に一周目の進歩のゴールにあたる「自然社会」へ到達することが予測されています。

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私は漠然と未来への直感として、技術発展の先に人類が自由になり、「ハイパー原始社会」がやってくるだろうと思い描いていたのですが(下記のインタビュー対談にも少し言及があります)、そういった直感が、SINIC理論が「自然社会」として構想している2033年頃の未来と重なり、非常にワクワクしてしまいました。


新たな社会に向かう中で「精神生体技術」「超心理技術」といった新技術の勃興もSINIC理論では予想されており、「デジタル・シャーマニズム」をテーマに作品を制作しているアーティストとしては思わず興奮してしまう概念が多数登場……。

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最終的に来たるであろう社会のあり方として提示されていた「ノー・コントロール社会」という概念には個人的に本能的な恐怖も感じたのですが、いかに自分たちが様々なシステムによって制御・統制された社会状況に慣れきっているか、ということなのかもしれません。

アーティスト、クリエイターにこそ参照してほしい未来予測理論

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アーティストやクリエイターは直感的・本能的に未来を予知する力があったりしますが、それを理論として解明する術は持ってないことも多いです。
自分自身、偉い方に自分なりの未来予想を話した時に「え、何言ってるの?」という困惑で受け止められたことも多々……。

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そんな自分にとってSINIC理論の存在は50年前の過去からの協力な援護射撃のようで、すごく頼もしく感じています。これで臆することなく未来を堂々と予見し、動いていくことができると。

そういうわけで、現役で働く若い世代にこそSINIC理論を使いこなしてほしいと個人的に感じました。自分もSINIC理論という教典を新たな武器に、この混沌の時代にも前向きに未来を開拓できるような気がしてきました。

イベントアーカイブが公開されました

公開されるかされないかで議論があったのですが、イベントの模様がフルでYouTubeで限定公開されています!

オムロンさん、今後もSINIC理論を様々な方にオープンに活用いただくプログラムを用意されているとのこと。
今月3/24には、これまでのプログラムの総決算としてオンラインイベントが予定されています!

一見アカデミックに感じますが、個人的にはいろんな現場でゴリゴリ戦う方やクリエイターなど、様々な立場の方にこそ、それぞれの分野でご活用いただけるのではないかと……!
様々な分野で未来をつくるために奮闘している皆様と一緒に、SINIC理論を脳にインストールできればと思います!

オンラインイベント「OMRON Human Renaissance vol.3」が3/24開催

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もっと自分らしく、やりたいことができる。人の創造性や可能性を高める、人と機械の「融和」の世界実現を目指すオムロンが、未来の創造に向けた「問い」を発信し、みなさんと共に「ありたい姿」を考えるオンラインイベントです。

社会が目まぐるしく変化する時代において、1970年に発表された未来予測理論がにわかに注目を集めています。それは、オムロン株式会社の創業者・立石一真らが論じた「SINIC理論」です。
SINIC理論では、現在の社会を「最適化社会」と位置付けます。社会のさまざまなシーンで「最適化」による利便性・安全性の向上が模索される今、奇しくも新型コロナウィルスの世界的大流行による混乱が、その動きを加速させています。まさに、難解かつ複雑化する社会課題への応急処置的な対策だけでは、もはや社会は立ち行かないことを、私たちは実感し始めています。

では、私たちが暮らすこれからの社会はどうあると良いのでしょうか。また、私たちひとり一人にこれから求められることはどのようなことでしょうか。

行き当たりばったりではなく、持続可能なよりよい社会・暮らしの実現を目指す中で、私たちが本当の意味で生きる歓びを感じられるようにしていくには、どのような考えや行動が望まれるのでしょうか。

1月下旬に開催し、大盛況のうちに幕を閉じたウェビナー「OMRON Human Renaissance vol.1」。
その後、2回にわたり実施したワークショップ「OMRON Human Renaissance vol.2」。
そこでは、問題意識をみなさんと共有し、私たちひとり一人にとっての未来社会イメージの言語化にトライしてきました。

今回のイベントでは、「SINIC理論」そのものの深掘りはもちろんのこと、ワークショップでのみなさんとのディスカッションを受けて、未来予測理論による社会変化の捉え方、未来創造のあり方について探っていきます。

また、来たるべき「自律社会」、その先の「自然社会」へ繋がるテクノロジーを含めて、お二方のゲストとともにディスカッションを進めていきます。

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SINICとは“Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution”の頭文字をとったもので、新しい科学が新しい技術を生み、それが社会へのインパクトとなって社会の変貌を促すというもの。もうひとつの方向は、社会のニーズが新しい技術の開発を促し、それが新しい科学への期待となるというもの。この2つの方向が相関関係により、お互いが原因となり結果となって社会が発展していくという理論です。本イベントでは、この「SINIC理論」をもとにこれからの社会像を描いていきます。

開催日:2021/03/24 (水) 19:00–20:40
 < 当日のウェビナー(ZOOM)のURLは3月24日(水)の昼頃に、ご登録いただいたメールアドレス宛にご連絡いたします >
場所:オンライン 参加費:無料

こんな人におすすめ
・未来予測に関する理論/議論に興味がある
・イノベーションの方法について議論したい
・自分なりにこれからの「社会像」を思い描き、多様な参加者と議論したい
・新しい表現、テクノロジーに興味がある
・これからの社会をオムロンと多様な角度から検討したい

参加申込ページはこちら:

https://fabcafe.com/jp/events/omron_human_renaissance_vol03



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市原えつこ(メディアアーティスト)

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メディアアーティスト、妄想インベンター。弔いロボや喘ぐ大根、仮想通貨奉納祭など謎の発明品多数💡文化庁メディア芸術祭優秀賞、アルスエレクトロニカ栄誉賞、総務省異能など。 日本経済新聞COMEMOキーオピニオンリーダー http://etsuko-ichihara.com/