暴力的ないじめをする男とは、動物的「雄」としては優秀なのかもしれないが
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暴力的ないじめをする男とは、動物的「雄」としては優秀なのかもしれないが

数日前から、炎上どころか大爆発を起こしていた五輪の小山田圭吾問題が遂に決着したようです。

これについては、そもそもメンバー公開時に彼の名前を見て瞬間的に「なんで起用した?」と疑問に思ったし、「炎上するな」と思いました。案の定そうなった。その後、16日になって小山田氏が謝罪文を掲載したニュースが出た時にも、謝罪だけして辞任しなかったことに疑問を持ち、ツイッターで以下のような警告を発しています。

実際、その通りになって、ネットではこれ以降火の勢いはとどまるところを知らず、海外にも飛び火しました。

リスクマネジメント的観点からいえば、今回のような問題において「謝罪して辞任せず」みたいな対応は悪手中の悪手でしかなく、そもそも論から言うと「なぜその仕事を引き受けた?」という部分からして、本人も五輪組織委員会もお粗末だとしかいいようがない話です。

当初は、本人も組織委員会も辞任の意向はなく、組織委員会に至っては、今日の昼までは官房長官の助け舟すら拒否する強気の姿勢でした。

小山田氏の起用に疑問を呈するいろいろなコメンテーターがいる中で、個人的に一番しっくりきたのは以下の意見です。

ネット上では、小山田擁護論をいう者も現れたりしてました。それに対するこんな反論もあります。参考までに。

そして、遂に、冒頭のような辞任という結末に。

正直「だから最初からそうすればよかったじゃん!」としか思えない、二重三重にお粗末な展開。


というわけで、前置きが長くなりましたが、今回、記事にしたいのは、この小山田氏云々の話ではなく、この永遠になくならない課題「いじめ」、その中の暴力的ないじめはどういうタイプの人間がするのか?という視点です。

いじめにもいろいろ種類があって、直接肉体的に危害を加える暴力的いじめ以外にも、暴言、悪口・陰口、嫌がらせ、無視・仲間外れなどがあります。直接的な暴力と暴言以外は、割と陰でこそこそやる系のものなので種類が違うし、やる人間のタイプも必ずしも同一ではありません。今回はこの直的な暴力と暴言といういじめを対象に、そういうことをやる人間の特徴とはなんなのかについて考えてみたいと思います。

僕は、独身研究とは別に、この「いじめという心の殺人」についてもいろいろ研究しています。学校のいじめも問題ですが、それ以上に今企業における職場いじめが本当に問題です。上にも書きましたが「いじめ」なんていう生易しい言葉で表現してはいけない、もはや「心の殺人」だと思うからです。

さて、調査は20-50代の未既婚男性に対して、過去学校時代(小学校~大学まで)に「暴力または暴言などの攻撃的ないじめをしたことがある」という人間と、それらを含む全体平均とで、性格特性などにどれくらい違いがあるかを比較したものです。

グラフでは差分を表示しています。差分表示なので、厳密には数字の部分は「pt-ポイント」表示にならなければならないのですが、%になっていることはご容赦ください(「暴力的いじめ経験あり割合」-「全体平均割合」の差分です)。

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グラフの転載は禁止しているのでこれを引用したい場合は、以下のツイートURL貼ってください。

暴力的ないじめをする男とは、ナルシストでリーダー志向で社交的で行動力と野心があり、容姿にも知性にも自信のある男。何より「他者支配意識が高い」というのは、「他人より優れているという意識が強く、負けず嫌い」ということでもあり、行き過ぎると他者を足蹴にして快感を得るタイプである。

しかし、そういう資質というのは、競争社会を生き抜く力のある男像ともいえるのかもしれない。さらに、仲間を大事にするが、それ以上に排除意識も強い。つまり、一度仲間になったらその仲間の連帯意識が強いがゆえに、裏切りなどがあった場合は容赦しないという人間像が浮かぶ。

性欲が異常に強い所などをみると、本能的に動物的な「雄」として優れている男がいじめをするという分析も成り立つ。ちなみに、動物的な雄として優れているからといって、社会的な人間として優れているということを意味しない。別途、暴力的ないじめ加害男は、内向的な性格より外交的な性格であるという部分も抽出しています。

どうだろうか。かつていじめをされたことのある人、または、したことのある人も思い当たる節があるのではないでしょうか。

結論からいえば、いじめ行動の発露というのは、こうした内的な衝動や欲求の表出として行動化したものなので、いじめという行動じゃなければ、「仲間のためにリーダーシップを発揮して、社交的にふるまえる明るい奴」だったかもしれないし、いじめる対象以外からはそういう人間として認められ、慕われてもいるでしょう。

裏返せば、一見いい奴に見えても、そいつが「暴力的いじめをする可能性は内在している」とみるべきでしょう。

これをツイートしたところ「モテる男と共通点がある」というリプライも多くいただきました。そうかもしれません。いじめ加害と恋愛力についてはまた別途まとめたいと思います。

また、これの女性版はないの?というリクエストも頂きました。もちろん、あります。そして、女性は女性で興味深い結果も出ていますが、それについては、どこかで書籍化、有料記事化するかもしれません。


残念ながら、「いじめ」という行動自体をこの地球上からなくすことは無理でしょう。暴力的ないじめじゃないにしろ、「無視」などの陰湿ないじめをする人間の特徴はまた別にあったりします。むしろすべての人間が何らかのいじめをする要素を持っているということに他ならないからです。

悲しい事ですが、暴力を使わないいじめをする人間ほど「道徳や規範を守る意識が強く、正義感の強い」人間だったりもするわけです。企業において「心の殺人」をする人間は大抵出世している側です。

厚労省の調査によれば、パワハラ加害者は「上司(役員以外)」が67.9%、「会社の幹部(役員)」が加害者の場合も24.7%もあります。企業の自浄作用なんてあるはずもなく、「うちは対策やってますよ。研修もしています」とかいいながら、その研修をやっている当の本人がパワハラしているのが現実です。

家庭では、よき夫・よき父親かもしれません。胸糞悪いですね。

道徳や倫理では「いじめ」は減らせない。では、どうすればいいのか?そのあたり各人が考えていくべき課題なのかもしれないし、もしかすると、人類が始まって以来、ずっと解決できない課題なのかもしれません。


お時間があればこちらの記事もお読みください。


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荒川和久/「結婚滅亡」著者

長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。

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