物価鈍化を軽視し過ぎる風潮

ユーロ高の影響が顕現化する以前でこの仕上がりですから、今後ECBをとりまく物価環境はますます悪くなっていくでしょう。昨日、PCEデフレーターが公表されたFRBも同様ですが、世界的に「物価が上がらなくても正常化して問題ない」という不文律のようなものが出来上がっているのが気がかりです。一体誰が、いつ、どのような理由でそのような状況を容認したのか私には分かりかねますが、危うい考え方だと思います。

例えば熟練・高賃金労働者でも賃金が上がらなくなっているドイツの状況を見るにつけ、ディスインフレ状況は移民やCPIへのバックワードルッキングなインデックス化ではなく、単に景気見通しが悪く、競争力を改善する必要があるからではないでしょうか。それはとどのつまり、現状が一時的ではない可能性を示唆しています。

 ECBに話を戻せば、記事中にあるように、このようなHICPの仕上がりの下で正常化が無難に進むとは思えず、やはり1.20タッチによる達成感を見込む方が腹落ちするという印象が強いです。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-31/OVK1X2SYF01T01

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-31/OVK1X2SYF01T01

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