「そうなっちゃうよ」といった通りのことが起きている再エネ普及策
日本の再生可能エネルギー普及策は、「気をつけないとそうなっちゃうよ」と言った通りのことが全て起きている。
当初は「気をつけないと太陽光バブルが起きるよ」と言っていてその通りになりました。ドイツやスペインが経験した失敗をなぜ繰り返してしまったのか。しかもさらに悪化させた形で。
太陽光発電は設置が簡単で事業化までの時間が短い上、買取価格があまりに高かったので、事業者が殺到したのは当たり前。書類申請の段階で設備認定され、事業化するまでの期間に制限なしだったので、とりあえず書類を出して高い買取価格で認定を受けておいてパネルの値段が下がるのをじっくり待つほど利幅が大きくなるなんてことも通っちゃったわけです。地元自治体との調整や自然環境保護などの制度も甘かったので、いまいろいろ問題が起きているのはご存知の通り。
次いでバイオマスの買取価格が高すぎたので、そこに駆け込み認定が殺到。バイオマスでもバブルが起きました。
そもそもバイオマス発電は燃料費が7割程度。設備費が高額な初期段階で補助をして、コスト低減が進むのを助けるというFITの趣旨にはあいません。設備が多少安くなっても、バイオマス発電の電気の値段が下がることは期待しづらいからです。
しかも、燃料が十分に調達できないであろうこと、調達するとなると海外のパーム油頼みになり、自然保護の観点で世界から批判を受けることになるというのは以前から懸念されていた通り。
もうイメージでエネルギー政策をいじるのはやめるべきですね。
全量固定価格買取制度を始めた2012年からまだ6年目なのに、再生可能エネルギー買取総額は今年3兆円を超えました。再生可能エネルギーを大量に導入したければ、コスト安くしなければならないのは当たり前ですし、一時的な儲けというだけの方が再エネ事業にたくさん入ってくることは決して持続的な再エネ普及策にはならないでしょう。FITの補助が切れた時に再投資してくれる保証は全くありませんので。
再エネを主力電源に。 言うのは簡単。問題は現状の課題をどう修正し、真面目に導入していくかの制度設計です。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO29458790W8A410C1EA1000/
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