
東北の伝統工芸「こけし」の価値をマーケティング視点で考えてみる
最近は、こけしの価値に注目しています。

みなさん「こけし」にどのようなイメージをお持ちですか?
自分は、
祖父母の家にあった置き物…
のようなイメージでした。
そこまで良いイメージがあったわけではない「こけし」だったのですが、
こけしの名産地である福島県の土湯温泉でプロジェクトに関わっている中で
「こけしの価値はもっと高められるのでは?」
と感じるようになりました。
新・ラグジュアリー視点で捉えるこけし
これから求められるブランドとは何か?を考える上で参考にしているのが「新・ラグジュアリー」の書籍です。
書籍の中に、下記3つの要素がラグジュアリーには必要だと書かれています。
1. 職人の手
2. 創造性
3. オリジナリティ
大量生産品ではなく、唯一無二であることが評価される世界で求められる要素として納得です。
新・ラグジュアリーからの学びを踏まえて…
こけしには、
・日本のクラフトマンシップ=職人の手
・形やパターンの自由度=創造性やオリジナリティ
加えて、歴史や文化価値などがあり、うまく生活文化に組み込むことができたらラグジュアリーとしてのこけしも成り立つのでは?と考えるようになりました。
安売りされていたこけし
現実に戻ります。
販売店で、工人さん(職人さん)が一つ一つ作ってます…と説明された商品が980円で売ってたりして…
え、安すぎないか??
と率直に感じました。
日本全体で値上げと価値の見直しが進められる中で、まだ価値の見直しができる領域がありそう…と感じたのです。
ラーメンも1000円の壁は崩れて、価値と価格の再定義がされていますよね。
ということで、日本の伝統工芸である「こけし」をマーケティング視点で捉えたらどうなるのか?
をテーマに書いていきたいと思います。
伝統工芸など、何かしらの価値を高めるアプローチが必要なカテゴリーのマーケティングに参考にしていただけたら幸いです。
「こけし」はシーン連想を強化できる
商品が選ばれるためには、顧客が想起するシーンを増やすことが大切です。
ブランドエクイティという王道の考え方で、ブランドのコントロールする4つの視点を整理します。

中でも利用シーンの想起を増やすことは、購買可能性を広げることにつながります。
こけしは、非常に利用シーンを広げやすい特徴があります。
インテリアとして飾るためのこけし
玩具として子供と遊ぶためのこけし
お土産としてのこけし
工芸品・民芸品として鑑賞するためのこけし
など、利用シーンを増やすことができるポテンシャルがあります。
さらに、形やカラーパターンを無数に組み合わせることができることも可能性を感じます。

そのカテゴリーのポテンシャルは、利用シーンのイメージをつくる・強化することで高めることができます。
海外ブランドのパターン(マリメッコやボッテガなど)や障がい者アートとのコラボレーションなどは可能性が高いと考えています。
生成AIでイメージをつくってみました。

クラフトマンシップをライフスタイルへ
どの伝統工芸のジャンルも同様ですが、クラフトマンシップ(職人技)は際立っているが、生活価値に反映されていないことが課題だと思います。
今でも、一定のロイヤルカスタマー=熱狂顧客は存在しています。
とくに、「こけし女子」「こけ女」といった言葉は出てきているようです。
こけしにはシンプルな愛らしさがある。戦略的な「媚び」のあるキャラクターよりも、オトナ女子には魅力的に映るのだろう。一つひとつが手作りという点も、「一点もの」を大事にするいまどきの感性とマッチしている。ブームは数年前からと言われていて、東京など大都市で展覧会も開催。その扱われ方はオシャレというか、まるで「ポップなサブカルチャー」といった趣きだ。
あと一歩な感じですね。
どのカテゴリー想起に入るかを考えると価値が見直されはじめている「民藝」のジャンルに入ることも重要だと考えています。
民藝のカテゴリーの中で紹介されると、生活の中の美という想起を強化できそうです。
また、日本の「可愛い」を代表するカテゴリーに入ることができると、さらに年齢層やシーンも含めて広げることができそうです。
キャラクタージャンルとして強いのは、ちいかわですね。
生活に浸透する玩具としてのイメージ・購買機会をつくり出せそうです。
東北でこのような「こけしカフェ」をつくり、ライフスタイル浸透させていきたいなと生成AIを使いながら考え中です。


伝統工芸とマーケティングの可能性
職人技を体験できるような機会も重要ですが、
・シーン記憶をどこで強化するか?
・ライフスタイルに入るイメージをどのように強化するか?
を考え抜き、新規顧客を獲得するといった仕掛けを考えていけると良いと考えています。
何か明確な答えを持てているわけではないですが、自分でも仕掛けながら、
・日本らしく、これから求められるラグジュアリーとは何か?
・マーケティングが文化づくりのためにできることは何か?
といった問いと向き合っていきたいと思います。
ご興味ある方、ぜひご一緒しましょう!
アイデアなどありましたらぜひ教えていただきたいです…!