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医療施設へのGoogle口コミのあり方・見極め方・当事者からのプラットフォーマーへの苦言

 ようやく現状を理解していただけたのではないかと強く賛同した記事です。私も当事者の一人ですがクリニックおよび診療所を経営する医師の多くが同じような考えをお持ちなのではないでしょうか。

 日経記事以外にも多くのメディアが取り挙げており、それぞれの記事のコメントにもご理解いただいている方が多く安堵したところです。

「グーグルが悪評を放置」医師ら60人が提訴へ…地図上の口コミ、「営業権の侵害」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

医師ら約70人がGoogleを集団提訴へ ネット上の一方的な「クチコミ評価」で被害【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG (youtube.com)

Googleマップの不当なクチコミ投稿で権利侵害” 医師ら「削除要請対応されず」などと損害賠償求め提訴 | NHK | IT・ネット

グーグルマップに医療機関が掲載された全国の医師ら約60人が損害賠償求め集団訴訟 口コミ欄に悪質な投稿も「悪評放置」 (youtube.com)

 私のところでも同様な事例が少なくありません。もちろん思い当たる節があった場合は指摘を受けた内容につき振り返り、至らない点があれば改善すべく努力をするように心掛けてはいますが納得し難い場合もあります。
グローバルヘルスケアクリニック - Google 検索

①コメントがない:7件

 COVIDの流行が始まりメディア対応が急増してからですが、テレビ番組のオンエア後などにコメントのない最低評価がつけられたことがあり、複数は同日立て続けにつけられました。もしかしたら同一人物が複数のアカウントを利用した可能性もあります。実際に受診された方であれば仕方がないのですが、特に身に覚えはなくコメントがないのでやりきれないところでもあります。ただ当時は電話やウェブサイトを通じて誹謗中傷まがいのメッセージが届くこともあり、同じような反応ではないかと推測しています。あるユーザーの他のレビューをみたところ、感染症有識者の所属する複数の病院にもコメントのない同様の評価がつけられていました。もし事実であれば直接訪れていないのに評価を行う「トピックと関係ない(このビジネスでの経験とは関係ないクチコミ)」というGoogleポリシーに違反する口コミで削除対象となるはずで何度か報告をしましたが未だにその対応はとられていません。

②正当な医療を行っているにもかかわらず患者側の要望が強く納得していただけない:3件

 医療行為は専門的な知識を伴うものですので、一般の方々が考えていることと異なる場合や理解が得られにくい説明も少なくはないと思われます。
 もちろん説明不足や高圧的な態度が伴うようであれば評価が低くなることは仕方がないことであり、事実であるならば真摯に受け止めて改善すべき対応をとらなければならないと思いますし、私自身も事実である不手際や振る舞いに対しては謝罪のコメントを入力するように心掛けています。
 しかしながら医療行為や診療内容によっては「できること」と「できないこと」があり、できないことを強要されてもお断りするしかないのです。このあたりは何度も説明をしたうえで納得していただくしかないのですが、聞く耳をもたずに途中で怒って帰ってしまう人もいます。
 特に当院は一般の開業医ではきわめて少ない感染症内科を専門としていることから、大学病院などでは紹介状がないと診てもらえなかったというような感染症に関する不安をお持ちになっている患者さんからの問い合わせがとても多いのです。もちろん紹介状は不要であり最善の診療ができるように尽力はしていますが、保険適用外の検査や治療、内科では対応が難しい事例も少なくはないことから、事前の問い合わせの段階で症状や経過を伺ったうえで診療の可否をお伝えするようにしていますし、ウェブサイト上にも感染症に関する相談ご希望の場合は必ず電話での問い合わせをするように掲載をしています。しかし、事前の問い合わせ内容で診療は難しいとお伝えしているにもかかわらず受診される方や、事前の問い合わせもなく直接受診される方に限って結果的には「できないこと」が多く対応が悪いと評価されてしまうのです。
 
 Google Mapで医療機関を検索する場合は飲食等と違い「楽しみや好みを求めていく場所」ではなく「体調不良なので何とかしてもらいたい」「症状に見合った専門の施設に行きたい」などの理由が多いかと思います。医療機関は楽しむ場所ではありませんので、自分の体調が改善すればそれで良い訳で、院内の写真を掲載できる訳でもなく「清潔だった」「すっかり良くなった」など医療として当たり前のことを敢えて評価して投稿するまでもないように思います。また本当に良いかどうかは初診だけで評価することも難しく、対応医師が自分に合うかどうかも含めて何度か通院することで評価が上がることが現実的であると思いますが、その頃になってから敢えて評価をつける人もあまりいないように思います。
 一方で医療に対する評価が特殊であるとはいえ「火のないところに煙は立たず」とも言うべく評価される背景には何らかの理由がある訳で、改めてこれまでの自身の立ち振る舞いを見直してみることも必要なのかもしれません。多くの医師は自身の発言や振る舞いを正当化する傾向にある印象で私自身も開業当初は言い訳染みた回答をしていたこともありました。しかし冷静に考えてみれば反省すべき点も少なくはなく、これからもいただいたコメントに対しては真摯に受け止められるように努力していかなければならないと痛感しております・・が、年をとると実践するのが難しいんですよね・・。
 先般、COVID関連で有識者がSNSにおける誹謗中傷に対する裁判を起こしたことが取り挙げられました。もちろん匿名の誹謗中傷はあるべき姿ではないのですが、同業者としても少し偏り過ぎたあるいは行き過ぎた発言ではなかったのかと捉えられる場面が少なくなかったように感じています。
 今回の提訴が受け入れられるかどうかは以下の記事にもあるように難しい判断になりそうですが、医療機関への口コミに関する問題が明らかになり、受診する方々にはつけられた口コミをうのみにせずしっかりと見極めていただけるようになることを望みます。

 グーグルの「クチコミ」削除が難しい深刻な事情、主観的な感想だからこそ、高いハードルがある(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

「メス豚は相手にするな」誹謗中傷や盗撮も…悪質な口コミ放置に医師らがGoogleを集団提訴 どんな口コミなら削除対応できるのか? 弁護士に聞くポイント(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース

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