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社畜思考に汚染されていた空白の30代

1.空白の30代

思えば僕はなかなかひどい会社員生活を送っていました。前回の記事のようにフル在宅勤務で延々と仕事に追われていた時期もそうですが、そのずっと前、新卒の時からあまり変わらない生活を送ってきていたような気がします。

僕は新卒で繊維製品メーカーに就職しました。その会社での最初の配属は本社経理だったのですが、毎日何百枚もある伝票入力とそのチェックをするだけの仕事にまったく面白さを感じることができなくて、結局その会社を10ヶ月で辞めてしまいました。

その後、縁あってメーカーに就職したのですが、そこでは自分に合わない営業職からのスタートになって、また1年で辞めようとしてしまったのです。こうして振り返ってみると、どうも僕は昔からFIRE気質があって、「やりたくないことはやらない」というタイプだったようです。

結局そのときは営業職から異動することになったため、会社を辞めるのは踏みとどまり、マーケティング部や経営企画室で働くことになりました。そしてラッキーなことにその仕事が相当自分に合っており、はじめて「仕事って面白いものだったんだ」と感じたのです。

一度仕事が面白くなると、仕事での努力も苦にならなくなり、気がついたら17年間その会社で働いていました。

ただ、仕事ばかりしていたら日常のことについて本当に何にも覚えていないもので、記憶喪失にでもなったのではないかと思うぐらい、ぽっかりと人生の記憶が抜け落ちているのです。

仕事に関しては順調だった反面、「会社と家の往復」を繰り返す生活になってしまっており、恥ずかしながら僕の30代は空白の10年だったように思います。

2.典型的な日本人だった僕

思えば大学生の頃は、本当に自由な生活を送っていました。ときには友達とオールでバカ騒ぎして、ときには誰かの家で朝まで飲みながら語り合い、気が向いたら学校に行く。言うなれば24時間が全て自分のものだったわけです。

しかし大学を卒業して企業に就職すると、途端に1日8時間~12時間くらいは会社に拘束されるようになります。ですから社会人1~2年目の頃は働くのがイヤだとか仕事が嫌いという気持ちよりも、1日の時間を全て自分のものにしたいという気持ちの方が強かったのを覚えています。当時から僕が求めていたのは次のような生活でした。

・「生きるだけのため」に働かなくてもいい生活
・自分の時間の大半を会社のために使わなくてもいい生活
・自分の好きなことを好きなだけできる生活

そんな僕ですら、25歳で結婚して家族のために働きだしてから、そんな目標はどこへやら。完全に何もかも忘れて仕事だけをしていたように思います。今思えば、典型的な日本人の考え方をしていたのかもしれません。

・定年まではとにかくガムシャラに仕事を頑張らなければいけない
・家庭や自分の楽しみは二の次

ああ、まさに典型的な日本人像……
当時の僕は完全に社畜思考に汚染されていました。

3.僕に残された道

そんな僕に残された道は、とにかくお金を貯めるということでした。

子どもが2人いるわけですから、とにかく彼らが大学卒業するまでの学費を貯めることを第一目標に。そしてそれを貯めたら、次に自分たちがある程度自由に生きていくためのお金を貯めていく。

当時の僕はまだ若く、給料も高くありませんでしたが、夫婦で共働きをし、家計簿をつけ、無駄な支出がどこかを徹底的に調べ上げて削減することで、年間300万円ずつ貯める決意をしたのです。

こうして日系企業で17年間働いた結果、実際に300万円/年を積み上げ、外資系に転職するために退職したときには、ちょうど5000万円ほどの貯金を作り上げたのです。

僕は1億円貯めてFIREしたと著書に書いていますが、半分にあたる5000万円はこのように愚直な家計の見直しの結果だったのです。そしてこの手法は、どんな人にも再現性がある蓄財法なのです。

金銭的に余裕があると、人は環境的に自由ではなくとも、心理的に自由になれます。

次回は僕が実際に考え、実践した蓄財法についてお話します。ぜひできるところから実践して、まずはこの心理的自由に一歩近づいていただきたいと思います。

4.参考

(1)FIREするための考え方(ビフォーFIRE)の本

夫婦で子育てをしながらFIREをする本は今までなかったため、「ないなら自分で書こう!」と思い、自身の体験を綴った電子書籍を出しました。Kindle Unlimited対象にもなっていますので、会員の方は無料でお読みいただけます。ぜひお手に取ってみてください!

(2)FIREした人は本当に幸せなのか(アフターFIRE)の本

FIREはしたいけど、いざ会社を辞めることを考えると不安が先行する……。そういう人は多いと思います。その不安を取り除く特効薬は、実際にFIREした人がどのように感じているのかを知ること。そこで僕がFIRE後によく聞かれた質問をまとめ、回答したものをまとめました。こちらもKindle Unlimited対象ですので、ぜひお手に取ってみてください!


最後まで読んでくださって、ありがとうございました! これからも楽しみながら書き続けていきます!