これからの時代の組織に必要な「軽やかな動き方」
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ある種強制的に始まったリモートワークや各種オンライン化という大きな変化で、私たちの働き方も大きく変わろうとしています。
私ももちろん例外ではなく、4月7日の緊急事態宣言の発令以降、2ヶ月間以上ずっと在宅勤務をしています。全ての社内ミーティング、社外ミーティング、イベント参加、イベント主催を家から行っています。
緊急事態宣言は解除され新しい日常が始まっていますが、また以前と同じような働き方に戻っていくのでしょうか?それともコロナ禍で生まれた新しい働き方にフィットしていくのでしょうか?
今回は、日経COMEMOの今月のテーマ企画である
「#これからの働き方の新モデルとは」
について考えてみようと思います。
コロナ禍を経て働き方の概念はどのように変化するのか
コロナ禍を経て、人々の仕事における"常識"は大きく変化したのではないでしょうか。例えば、今まで対面で会うことが当たり前と考えていた業界でも、強制的にオンラインでのミーティングへ移行したことにより、非対面でのコミュニケーションへの抵抗が減ったと感じています。
また、今までリモートワークをすることにネガティブな印象を持っていた企業もあったかも知れません。そのような企業の中には、今回リモートワークで十分に仕事が出来ることが証明されたことで、在宅勤務を推奨していく流れも生まれるでしょう。スタッフ側も、オフィスに行くことが「当たり前」だと考えていた人が、コロナ禍を経て、オフィスに行かずに在宅勤務をするという選択肢が生まれているのではないでしょうか。
一方で、こちらの記事にもあるようにマネジメント側とスタッフ側の意識の違いも今後新たな課題になりそうです。最も大切なポイントは、マネジメント・スタッフ双方に信頼関係が構築されているどうかです。
(もちろん、リモートワークをどの程度企業内に取り入れられるかどうかは業態や職種によります。)
リモートワークを導入しても、常にオンライン上に顔を映して、仕事をしているかのチェックをされるような状況では、オフィスで仕事をする以上のストレスが掛かってしまいます。お互いが信頼しあい、「大人な組織」であることがリモートワーク成功の秘訣なのではないかと思います。
柔軟に軽やかに動く働き方
私自身、元々「三密」を生業とするイベントの世界で生きてきたのですが、今回のコロナ禍において、「三密」の場となるイベントはキャンセルを余儀なくされ、元々あった活動の場は3月半ば以降、目の前から消えていきました。
しかしながら多くのコミュニティ・企業が、イベントに関しても「オンライン」に活動の場を移し始めたのです。イベントのサービスを提供するPeatixとしては、オンラインイベントに対応するべく、機能の開発を進めました。さらに、オンラインイベントへの理解を深めるために、チームメンバーはリモートワークをしながら、積極的にオンラインイベントを開催しノウハウを蓄積していきました。
今までリアルイベントが99%だったサービスにとって、その転換は大変だったのではないかと聞かれることが良くあります。しかし、Peatixのチームメンバーは、各自が判断し柔軟に動くことが出来る組織であったため、困難な状況に対応することができました。
この「状況に応じて柔軟に軽やかに動いていく」という働き方が、不確実性の高いこの時代において、より求められるようになるのではないでしょうか。
5月29日-30日に、Peatix主催で24時間オンラインチャリティイベントを開催したのですが、その準備期間もわずか2週間でした。チームの皆が軽やかに動き、各々が判断しプロジェクトを進めたことによって、従来は成し遂げられなかったようなアウトプットが出せるようになっているのも新しい時代の特徴だと思います。
私自身も、積極的にオンラインでの活動を増やし、様々なツールを利用してオンライン生配信をするなど、ノウハウを貯めていきました。
6月現在で、自分自身がファシリテーターとして主催するオンラインイベントは、1ヶ月に5番組、計15配信となっています。その配信を見てくださった方から取材の依頼や、イベントへの出演依頼も入るようになり、サービスの認知拡大に繋がる動きにもなっています。
また、新型コロナウイルスの感染拡大が始まる前から、河原あずさんと共著でコミュニティづくりに関する本を執筆していました。本来はもっと早く出版する予定だったのですが、リアルのイベント・コミュニティの世界を中心に書いたオリジナルの内容では、コロナ期を経た後の新しい時代には合わないと考え、出版の予定を遅らせました。そして、この数ヶ月の間に自分自身がオンラインを活用し得た知見をまとめ、大幅にアップデートしました。執筆プロジェクトを通じて、編集者・プロジェクトチームと様々な議論をしましたが、未来の予測が困難なこれからの時代において、「世の中の流れを読む」「相手が求めるものをしっかり捉える」ことが特に大事であることを学びました。
まとめ
未来の予測が困難で変化が多いこの時代において、新しい働き方のモデルになるのは、柔軟で軽やかに動いていくことだと考えています。
リモートワークなのか、オフィス勤務なのかは、業態にもよるでしょう。しかし、企業・個人が柔軟に考え、どうすることがその時々で正しいのかをフラットに判断出来ることが何よりも重要なのではないかと思います。
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[お知らせ] 6月16日(火)21時から複業研究家の西村創一朗さんを迎えて、「これからの個×コミュニティ」をテーマにオンラインイベントを開催します。まさに「これからの時代の働き方を考える」時間にもなると思いますので、よろしければご参加ください。