リユースは持続可能なのか 伝統工芸の担い手という課題
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
リサイクルというと何を思い浮かべるでしょうか? ペットボトルやアルミ缶の廃品回収など、私たちの生活に密着したものが真っ先に出てきます。最近ではリユースという言葉も頻繁に見かけます。ネットサービスのヤフオクやメルカリなどで使わなくなったものをやり取りしたり、古着や家電などの買い取り販売を行っているお店も多くあります。
さらにはアップサイクルという言葉も出てきています。リサイクルはどちらかというと資源としての再利用をすることで、限りある資源やエネルギーを効率的に利用する観点が強いです。アップサイクルはそれも意識しつつ、新たな付加価値をつけることで新たな商品として世に送り出すことを意味しています。着物を洋服や小物にしたり、インテリアとして別の商品にするような例があります。
よりその取組みを広げた「クリエイティブリユース」という世界も生まれているようです。
大量消費を支える大量生産は、売れ残りによる廃棄などのロスが多いです。特にファッション業界では大きな課題として認識されており、今ではどこの高級ブランドでもリユースを意識した取り組みがなされています。
上記の記事でも少し指摘されていますが、「伝統的な繊維産業が圧迫され、衰退する」という点はとても気になります。
私はお茶を嗜んでいるため、同年代の男性に比べると着物を着る機会が多いです。着物はリユースを扱っているお店が実店舗でもオンラインでも多く、素晴らしいものがそれこそ破格で手に入る機会も多くあります。男性着物の場合はジャストサイズでないと着られないので(おはしょりがなく丈調整ができないため)、合うものに出会ったときは「これは運命だ!」と思ってついつい手を出してしまいがちです(笑)。
大切に受け継がれてきた着物を受け継ぐというのは尊いことではあるのですが、一方でリユース一辺倒になると伝統工芸としての技を受け継ぐ職人の仕事がなくなってしまう危険性も孕んでいます。
これは着物に限った話ではないのですが、サスティナブルを考える上で貴重資源の有効活用は真っ先に取り組むとして、職人の技を次世代に残すための新品の需要も担保しなくてはいけないでしょう。全体のエコシステムの持続可能性にも目を向けるということです。
私個人としては、気に入った同年代や若い世代の作家さんの作品をできる限り購入することを心がけています。ちょうど同世代の方が代替わりのタイミングを迎えて家業を承継することが多くなってきていることもあり、応援の意味を込めて末永くお付き合いしていきたいなと思っています。
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タイトル画像提供:nonpii / PIXTA(ピクスタ)
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