見出し画像

正しい医療情報にたどりつくためのインターネット情報とヘルスリテラシー

昨日の日経電子版の記事「正確な医療情報 医師監修で発信〜ネット上で事典公開広がる 患者の判断力向上も重要 」はとても参考になるものでした。

インターネット上の医療情報の信ぴょう性が問題になった医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」事件が起きたのは2016年11月、既に2年以上の月日が経ちますが、自分や家族、大切な友人が病気にかかったり、難病の診断をされた際には、ますますオンラインの情報を頼りにする傾向は強まっていると思います。(*「健康・医療情報「ネットで入手」78%」

SEO対策に長けた広告ビジネスに基づくアクセス数重視の医療情報ではなく、本来広くアクセスされるべき専門家による医療情報が検索上位に表示される環境が整備されることが望まれています。この記事で紹介されているような、4つもの信頼に足るとされる医療情報サイトがあるのは心強いと感じます。

備忘録としてリンクをこちらにメモしておきたいと思います(説明文は記事からの引用)

①メドレー(Medley)
"約1500項目の病名や症状、薬明などが検索できる。外部の意思が内容を随時チェックする仕組み"

②MSDマニュアル
"米国の製薬会社が1899年から作成。日本語のデジタル版は2017年に大幅改定。米国の医師ら350人以上が執筆"

③メディカルノート
"(Medical Note)1600位上の専門医が2000以上の病名について執筆。病気の解説だけでなく、医療情報のコラムなども"

④がん情報サービス
"がんについて科学的根拠のある情報を発信。18年からヤフーと連携し、「Yahoo!」で検索するとトップに情報が表示"

求められるヘルス・リテラシー

上記のようなページに検索する可能性が少し高まってきていることは朗報かもしれないものの、実際本当に医療情報が必要な切実な状況下では、自分で玉石混交の情報の荒波の中から正しい情報を見つける力が求められます。

記事の中ではヘルスリテラシーに詳しい聖路加国際大学の中山和弘教授(看護情報学)からの医療情報に接する際の注意点として以下の5つのポイントが紹介されています。それぞれの最初の1文字をつなぎ「いなかもち」と覚え、注意喚起を促しています(初めて知りました☺)。数年前は「がん」「治る」などのキーワードで検索すると怪しい高額医療クリニックなどの広告が5〜7件表示されていたことを思えば進化していると信じたいですね。

(1)いつ書かれたのか(い)
(2)何のために書かれたのか(な)
(3)書いたのは誰か(か)
(4)元ネタは何か(も)
(5)違う情報と比べたか(ち)

併せて頼りにしたい患者会(ePatient)情報

最後に、医療情報と同時に求められつつある患者さん同士の経験共有、サポートコミュニティの充実も触れておきたいと思います。病気になった時に必要なものとして医療情報は大切ですが、自分と同じような病状、境遇の方からの体験談、アドバイス、そして応援・勇気が得られる場所として、確実に環境が整いつつあると感じます。

以下、自分も立ち上げ時に協力させていただいた「がんサバイバー・クラブ」、その他にも「がんノート」「5years」「マギーズ東京」などがあります。こうした情報がぜひ必要と感じる多くの人に届くことを願ってます。米国の先駆け事例として知られている「ペイシェンツライクミー(patientslikeme)」には既に60万人の登録利用者がいて、体験談、アドバイスなどが日々共有されているそうです。国内でもそのような環境に近づいていくといいですね。


お読みくださってありがとうございます!国内外の気候変動、クライメートテック関連の情報をメディア目線で切り取って発信を試みてます。スキをクリックしてくださったり、シェア・コメントなどいただけたらとても嬉しいです