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コロナ肺炎を機にブロックチェーンの使われ方が注目されている

中国では新型肺炎がきっかけでブロックチェーンの活用について議論されているので紹介します。

日本でもいくつかのメディアが情報発信してると思いますが、今中国ではある医師のことがとても話題になっています。

医師の名前は李文亮。武漢中心病院で治療に尽力していたのですが、自身が新型肺炎に感染してしまい、残念なことに2月7日に34歳の若さでなくなりました。

李医師は、世間が新型コロナ肺炎についてまだ知らない昨年の12月にWeChatのグループチャットで「市内の病院にSARSのような疾患と診断されて隔離されている感染者がいるからくれぐれも気をつけて」とシェアします。

ところがこの情報拡散は妨害され、さらに彼と他の友人たちが一緒にデマを流布したとして、警察沙汰になり訓戒処分されました。その後、新型コロナ肺炎が武漢で広がってしまいます。

もし彼が勇気ある発信をしていなければ、もっと酷い事態になっていたかもしれない。事実彼のおかげで多くの人の命が救われました。

WHOも彼の死についてTwitterでリスペクトを書き込みました。

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これだけ彼が注目されたのには、情報のコントロールに対して中国民たちに思うところがたくさんあるからです。今までの経緯は

李医師が知ってることをSNSで発信
→デマ発信で処分され
→本人への感染が確認されICUに
→亡くなったという情報が広がり
→でもまだ死んでなかった、心肺停止3時間以上の救命
→そんな救命行為は屍体侮辱じゃない?誰かに都合良くするため作為的なものではないか?
→みんな「どうせ都合よく物語作られるでしょ...」

という流れ。

これに対して、彼の死と貢献は決して改ざんされてはならない、という想いが強まり記念碑が作られました。それが普通のWebページなどではなくイーサリアムのブロックチェーン上にということが話題になってます。

Ethereumのアドレス
0x6E46D3AB7335FFFB0d14927e0B418CC08fe60505
区块高度9432824

誰もがこのアドレスを検索して見ることができます↓

https://etherscan.io/address/0x6e46d3ab7335fffb0d14927e0b418cc08fe60505#code

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李医師の略歴が中国語で記されているほか、「RIP」の文字、12月30日にはウイルスの危険性を警告していた貢献の記録、そしてその後のコロナ肺炎の拡散の状況なども記載されています。

スマートコントラクトにより消えず、決して改ざんできず、世界中からアクセスすることができるというもの。

ブロックチェーンが日本よりもずっと前に注目され、仮想通貨に対しては政府による規制が強まり、でも国家が重要技術として研究を後押ししている中国。今回のような使われ方も特殊な環境の中国ならではと感じました。

そしてブロックチェーン技術については他にもたくさんの用途での使われ方が議論されています。

例えば今回のコロナ肺炎に関することだと、支援募金の利用の透明化や、支援物の追跡を可能にするための利用方法や、医療物資や薬品のトレーサビリティシステムへの応用も検討されています。

その他にも、人助けへの活用が検討されてます。

今もよくweibo上で「家にいます、感染していますが、きちんと治療されていません」といったSOS発信があります。運良く見つかり拡散されて関係者まで届くこともありますが、助からないケースも多々あるそう。

そこで、ブロックチェーン技術を使ってもっと効率的な救援システムを作ることが期待されてますし、他にもウイルス拡散防止や住宅への出入管理に活用する方法が議論されていて、興味深いです。

これらは内容がかなり複雑なので、読み込んで後日紹介したいなぁと思います。

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(参考資料)


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