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ドイツでVtuberは根付いているのか?=「ドコミ」直前チェック

欧州の主要アニメ・日本ファンイベント、ドイツの「ドコミ」では、過去2年間、名誉ゲストとして「小鳥遊キアラ」さんなどの有力Vtuberが出演し、イベントを盛り上げてきました。ドイツでは、Vtuberカルチャーは根付きつつあるのでしょうか?今回は開催を間近に控えた「ドコミ」の公開情報を中心に考えてみたいと思います。

今年の「ドコミ」

今年のドコミは直近の報道によると、来場者は17万人になる見込みだそうです。昨年に7.5万人の来場者を集め、過去最高記録を更新したばかりですが、今年は、開催期間をこれまでの2日間から3日間に延長し、使用ホールもひとつ追加しさらに大型化しています。

そんなドコミですが、会場でスマホで情報が得やすいように専用のアプリも提供していますが、今回はまず、オンラインで公開されているプログラム冊子(ダウンロードページ)をチェックしてみます。

ステージ関連

まず、最初に目についたのは、オランダのVsingerの「Nina Saotome」(Twitterアカウント)さん。ステージでコンサートが予定されています。

「ドコミ」プログラム冊子から抜粋

アーティストアレー関連

「ドコミ」は、およそ「ドイツのコミケを目指す」という目標を掲げて拡大してきました。とくに日本の「コミケ」のようないわゆるサークルスペースが立ち並ぶエリアが非常に強いイベントです。海外ではアーティストアレーと呼ばれることが多いこのクリエーターの出展エリアでも、Vtuberのブースがいくつか確認できました。

「Vtuber」を検索したところ、「German Vtuber(Vtality、Ikaros_VT、Jayuhime)、「VirtualLifeDe - VTuber Netzwerk」、「VTuber: CatboyFisky & KenichiRei Owuru」の4ブースはVtuber関連だと思われます。ドイツのVtuber情報ポータルを運営する団体「BEAUTV」も昨年に引き続き出展しています。また、ドイツ圏に強い日本人Vtuberの「TAIDA」さんも今年は参加しています。

日本からはイラストレーターやVtuberとして知られる「カグラナナ」さんが、国際オタクイベント協会(IOEA)の合同ブースに参加します。先日も、「ドコミ」参加を間近に控えてドイツ語を勉強する様子を配信していました。

「ドコミ」プログラム冊子から抜粋

配信者と交流できるスペース

アーティストブースではクリエーターは基本的に一日中ブースにいますが、交代制でファンと交流できるのが配信者と交流できる「Twitch Tables」です。ここでは、4ブースのうちひとつは「VTuber」専用となっており、3日間で合計10人のVtuberと交流ができます。

「ドコミ」プログラム冊子から抜粋

「Twitch Tables」は「ドコミ」公式のプログラムですが、同様に交流できるスペースは、アーティストアレーで触れた「BEAUTV」もブース内に設置します。ここでは18人のVtuberが参加予定となっています。また、「BEAUTV」は、Vtuberの技術やドイツ語圏の界隈を紹介するワークショップも実施するようです。

「BEAUTV」公式サイトから転載

ドイツ語圏のVtuber界隈に伸び代はあるのか?

さて、ざっくり今年の「ドコミ」におけるVtuber関連の情報をまとめてみました。この他にもVtuberがイラストレーターとして出展するパターンなどもあり、実際にはさらに存在する可能性があると筆者は見ています。いずれにせよ、かなり盛りだくさんな状況は伝わったのではないかと思います。

ここで唐突ですが、話題を変えます。最近、気になるニュースが日経新聞に掲載されました。日本のVtuber企業が欧州に進出し、各国語のVtuberを採用、マネジメントをするというものです。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC071UT0X00C23A6000000/

ドイツでは過去にもマネジメントを提供するVtuberエージェントが設立されてきましたが、いずれも大きな成功には至っていないというのが筆者の印象です。一方で、「ドコミ」では大勢のVtuberが参加しています。日本式のマネジメント手法が、ドイツの界隈をさらに盛り上げることができるのか、今後の動向が気になるところです。皆さんはどう思われますか?


タイトル画像:拙宅のモニターに映る「ドコミ」のプログラム冊子。

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