今ほしいものは愛?金?未婚と既婚の大きな違い
今欲しいものは愛ですか?お金ですか?
そういう二者択一の質問をされたら、どう回答しますか?
性別や年代別によってもその回答の傾向は異なるのですが、そうした性・年代より明確な違いがあらわれるのが、配偶関係の違いです。既婚男性と未婚のソロ男に対して質問をすると、正反対の構造になります。
以下のグラフはソロ男と既婚男それぞれの回答の差分を年代別に示したものです。グラフが上に伸びているのはソロ男の方が多い、下に伸びているのは既婚男の方が多いということです。
ソロ男は、20代は「愛がほしい」と思う率が高いのですが、年代があがるごとに減少し、50代では既婚男に逆転されます。一方、「金がほしい」という意見は、20~40代までは既婚男の方が多く、50代になるとソロ男に逆転されます。
簡単に言えば、既婚男は20~40代までは「愛は充足」しているものの、家族の生活を支える「金に欠乏」している。逆に、ソロ男は、20~40代までは圧倒的に「愛に飢えている」ということです。
これはソロ男が絶対値として「金に充足」しているということではなく、あくまで既婚男との比較において、相対的に「金よりも愛」を欲していることになります。
結婚していないし、恋人もいない人ならば「さもありなん」と思うかもしれませんが、50代になって既婚男に逆転されるのはなぜでしょう?
既婚男も50代になると「愛されなく」なって、愛を渇望するようになるのでしょうか?
そういう面もあるかもしれませんが、実は、50代になるとソロ男の「愛を欲する気持ち」が急激になくなるからです。「愛がいらない」というより、「もはや手に入らないものと諦観した」という方が正しいかもしれません。
口では「愛なんかいらない」と強がる若いソロ男に限って、実は心の奥底では「愛に飢えている」とも言えます。そして、その愛とは、他者から「愛されたい」というよりも、「自分が愛する」対象がいないという欠落感に起因している部分が多いのです。
お金は与えれば(使えば)減るものですが、愛は与えれば与えるほど増すものです。既婚男は、愛を与える対象としての妻や子という家族がいる。ソロ男にはそれがいない。そこが大きな差異となって現れます。にも関わらず、若いソロ男は「愛を与えてくれる人がいない」から「愛が足りない」と勘違いしがちです。
愛が足りないと思うのは、自分が愛する対象が存在しないことを言います。
ですから、未婚で愛する家族がいなくても、愛する対象としてのモノや趣味を持っている場合、没頭する何かを持っているソロは「愛が足りない」とは感じません。
ちなみに、差分ではなく絶対値で見るとソロ男も既婚男も「愛<金」です。なんだかんだ言っても、やっぱりお金は大切です。