この1年で変化した働き方について振り返る〜職場クラスターについての考察〜
この一年で、在宅勤務が身の回りでは当たり前になりつつあります。しかし、在宅勤務をよしとする企業と、そうでない企業の差が広がった1年でもあるのかなと考えています。例えば、周りには一回目の緊急事態宣言で社員全員を在宅勤務にしたものの、生産性が低下したので、緊急事態宣言の有無に関係なく社員全員を出社形式に戻したという企業も存在します。他にも着たような企業の話はいくつか聞きました。なので、肌感覚しては1回目の緊急事態宣言を受けて、在宅勤務が一時的にブームになったものの、生産性低下をどう改善すべきかの知見がシェアされず、出社体制が増えつつあるのかもしれません。そんな中で、下記の記事にあるように、職場クラスターが再び増えつつあるのです。変異株は感染力が強いとも報道されていますし、こうした傾向は続く可能性があります。
職場クラスターについて思うこと
では、職場クラスターを減らすためにも、政府からは在宅勤務が推奨されています。しかし、やみくもに推奨すれば在宅勤務が増えるわけではないようです。というのも、職種によって在宅勤務の可能性があまりにも違いすぎるからです。というのも、農家の方々や、エッセンシャルワーカーの方に在宅勤務で仕事をしてもらうのは難しい一方で、在宅勤務が相対的に移行しやすい業種も存在します。しかし、そうしたごちゃ混ぜの状況で、3割は在宅勤務をとの要請をしても、いろんな言い訳がしやすい環境なのかもしれません。
職種別に在宅勤務可能性をスコア化
しかし、実はこんな研究があります。こちらは、職種によって在宅勤務可能性を試算し、スコア化して計算した論文です。ここでは米国の37%は完全在宅勤務が可能な職種であると報告しています。そして、日本ではこの研究をベースに、みずほ総研が、職種別の在宅勤務可能性スコアを算出してくれています。
Jonathan I. Dingel & Brent Neiman, "How Many Jobs Can be Done at Home?"
NBER, April 2020, WORKING PAPER 26948,
こうした研究をベースに、在宅勤務の可能性を職種別に提案し、そして在宅勤務可能性スコアを達成している企業に対して、ポジティブリストまたは認証制度で、世の中に広く知ってもらう機会をつくるのはどうでしょうか。あくまでも、私の考えですが…。そうすれば、少しでも在宅勤務の可能性を模索し、在宅勤務でも生産性をどう上げていくかのナレッジがシェアされる機会になるのかなと思っています。
と、経営者の方々も必死でこの局面を乗り越えようとしているわけですし、在宅勤務をとにかく無くしたいという方もいると思います。
ただ、少しでも前向きなナレッジシェアの契機が出来たらなと思います。
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崔真淑(さいますみ)
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