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「即レス」は良いものか? 実は2種類ある「即」の意味

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

書店のビジネス書コーナーにいくと、大量の「仕事術」の本が目に入ります。それだけ気にしている方が多いのでしょう。インターネットが普及してビジネスのスピードが以前より早くなったと言われて久しいですが、そうなるとメールやチャットの流量も加速度的に高まります。

最近では様々な社内コミュニケーションツールも導入され、なかなか自分の作業に集中することができないと感じている方も多いのではないでしょうか。

仕事が早い人の特徴としてよく挙げられるのが「即レス」です。忙しいはずなのにメールやチャットの返信がすぐに返ってくる。なるほど、確かに仕事ができる人の特徴かもしれません。

「仕事が早い人は『いつまでに、何をやるか』を常に意識している。仕事のゴール(納期など)から逆算して作業の順番を組み、最短で終わるように工夫しています。早めに終わらせると達成感も高まるので、より前向きに仕事に取り組むという好循環が生まれます」(芝浦工業大学大学院客員教授の西村克己さん)。

上記の記事でも指摘されているように、仕事が早い人は常に「優先順位」が明確になっている傾向があります。よって、その優先順位の範囲内のことについては特に即レスで返ってくるということはあるでしょう。一方で、なんでもなんでもすぐに返すのがいいかというと、そうではありません。時には検討不足で拙速な返信になってしまう危険性もはらんでいます。

実は「即レス」には2種類あると考えています。特に意思決定に関しては「Quick」か「Early」かが重要なポイントです。

意思決定において大事なのは、必要な情報がすべて手元にそろい、また検討がしつくされたかどうかです。意思決定の質をあげるためには様々な角度からの検証が不可欠で、そのための情報や意見の集約が肝となります。

「Quick」な意思決定というのは、情報が出揃ったら「即座に」決定することです。十分に検討しつくしたのにダラダラと決めないのでは、ビジネスのスピードが遅くなってしまいます。現在の意思決定者に求められる能力は、まさにこの「Quick」で質の高い意思決定を行えるかどうかだと言えます。

では、「Early」な意思決定とはなんでしょう。前述の逆パターンで十分な情報がないまま、単に意思決定だけえいや!としてしまうようなことです。これは悪いタイプの意思決定で、後に決定を覆すことになったり、現場の混乱を招くものです。時には状況に応じて変更する勇気を持つべきですが、常にこれをしていたのでは意思決定者としての能力を疑われてしまいます。意思決定のぎりぎり直前まで引き付けて、最新の情報収集に励む必要があるでしょう。

「即レス」の話に戻しますと、Quickな意思決定ができる人は常に情報収集をしています。組織が関わらず個人としてのものであれば、常に先んじて必要な情報が手元にあれば、まさに「即」決定ができるわけです(スケジュールなどがよい例でしょう)。「これお願いできますか?」「いいよ!」(この間数秒)という裏には、自身のタスクの優先順位と必要な作業時間が頭に入っており、今後の予測ができており、お願いに対する見積もりもある程度の精度でできる、等々が隠れているわけです。

そうは言っても実践するのはとても難しいことで、私も日々学習しながらなるべく質の高いQuickな意思決定ができるよう精進しています。まずは2種類の違いを意識して行動することから始めてはいかがでしょうか。

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タイトル画像提供:aijiro / PIXTA(ピクスタ)

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