気が付いたら、パソコンのソフトは、ほぼ「サブスク」
パソコン・オタクの懐かし話に付き合ってください。
皆さんは、自分の会社で使っているパソコンに自分で、ソフトをインストールしたことがありますか?いや、さらに昔の、パソコンにソフトをインストールできなかった頃の時代を知っていますか?
私が最初にデスクトップ・パソコンを自分で買ったのは、大学生になってからです。1985年発売の富士通のFM77AVというパソコンでした。この頃のパソコンには、まだハードディスクがありませんでした(すみません、若者には想像できない話ですね)。何かのアプリケーションを使おうと思ったら、その都度、フロッピーディスクをパソコンに読み取らせていました。この頃のパソコンは、当然インターネットには繋がっておらず、パソコンで使いたいアプリケーションがあれば、電気屋さんで買ってくる必要がありました。つまり、パソコンが登場し始めたころには、パソコンのソフトやアプリケーションには、サブスクリプションという概念はなかったのです。
その後も、私はパソコンを自分で買いますが、それに合わせてパソコンのソフトを買いました。C言語が出たといったら、C言語のソフトを買って、C言語の勉強をし、C++という言語が出たら、そのソフトを買って、自分のパソコンで動かしていました。当然部屋には、パソコンのソフトの箱と、大量のマニュアルが並ぶことがあり、当時のパソコン・オタクは、この箱やマニュアルを自慢することも一つの楽しみでした。
ただ、この頃の問題は、ほんの少しのプログラム開発ででも、1,2年のプログラム開発でも、同じ金額をソフトの購入という形で行う必要があったのです。
今のパソコンはサブスク・ソフトだらけですね
ところで、皆さんが今使っているパソコンを少し見てみましょう。会社のパソコンであれば、Microsoft Officeが入っている場合が多いのではないでしょうか。私も現在はフリーランスなので、個人のOffice 365を使っていますが、このソフトはもはやソフトの箱もCD-ROMも見たことがない人が多いのではないでしょうか?契約も、企業の場合は、企業がまとめて複数年の利用契約を行っているでしょうし、私も1年更新です。まさに、サブスクリプションです。
AdobeのPDFツールも、多くの場合は無料版を使っているでしょうが、そのAcrobatにもさまざまなバージョンがあります。有料版では、PDFからテキストを取り出すこともでき、私も有料版を数か月契約することもあります。しかし、今では、1度PDFからWordを作るためだけに、Acrobatを高額で買う必要はなくなったのです。
このように、サブスクリプションモデルは、「保有」から「利用」へという変化以外に、「必要な時に、必要な量だけ利用」という特徴もあるのです。
世界的にこのサブスクリプションモデルの原型を使ったのはGEかもしれない
ここで、サブスクリプションを別な視点から考える良書があります。2008年に発売された、「クラウド化する世界~ビジネスモデル構築の大転換」(ニコラス・G・カー) という本です。
クラウド・コンピューティングは、実はサブスクリプションなのです。コンピューターは保有しません。欲しいときに欲しい量だけコンピューターを利用します。この本は、そのことについて解説した本です。それも、概念てきにこのクラウド・コンピューティングの必然性を説明しています。
この本の中にも出てきますが、これを最初にビジネスにしたのは、GE(ゼネラル・エレクトリック)かもしれません。GEは、その事業初期に「発電機」を販売していました。電気が必要な向上に「発電機」を販売していたのです。そして、工場の生産が増強される時には、2代目の発電機を売るのです。
しかし、工場からすれば、生産が減少されても、発電機は残ったままのです。
そこで、とあるときにGEの社員が「発電」という事業を考えたのです、これにより工場は、発電機を「保有しなく」なり、必要な電力を、必要な量だけ「購入」するようになったのです。これが、今も私たちが利用し続ける、電気購入のモデルで、ある意味サブスクリプション・モデルなのです。
今は、サブスクリプション・モデルには、定額で一定量使い放題というビジネスが多いですが、それは利用料を集計するサービスが少ないからかもしれません。この電気のモデルを考えれば、もっとサブスクリプション・モデルには、多様なモデルが登場する可能性があるのです。
私たちの生活は、サブスクで便利になりましたが、もっと多様なサブスクを開発することで、ビジネスを成長させられるのではないでしょうか。
「#ニュースで語る」「#COMEMO」「#サブスクでこう変わった」