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ビジネス書を捨てて、歴史を探索しよう

2024年に意識してきたのは、日常の中で「ビジネス外コンテンツ」に触れること。

「ビジネス外コンテンツ」とは、すぐに仕事に役立たないけど、人生を豊かにしてくれそうであり、視野を広げてくれるコンテンツのことです。

SNSでの情報インプットが増えると、アルゴリズムによって「関心に近い領域の情報」が増えます。
なので、自分の仕事・専門領域のことを調べていると、日常生活までその情報が入ってきやすくなり、いつの間にか同じような発想でモノゴトを捉えるようになっている、企画・アイデアなどもありきたりなものになる…

このような課題が起きやすくなっていると感じています。

自分も同じようなモヤモヤがあり、2024年に習慣化したり、課金してみてよかった「ビジネス外コンテンツ」を紹介できたらと思います。

NHK 100分de名著

「100分de名著」は古今東西の名著を25分×4回で読み解く番組です。

正直、NHK100分de名著なんて、趣味的に教養を身につけたいカルチャースクール層が見ているコンテンツでしょ…
と思っていたのですが、そんなこと全くなく。

古典をどれだけわかりやすく、かつ本質を伝えるかが凝って編集されています。

古典を通じて現代の問題に切り込むことがテーマとされているので、
古典を学び、新しい視点を手に入れる
ためにはうってつけのコンテンツです。

1日25分だけ、古典コンテンツに触れる時間をとる習慣づくりは、
古典学びたいけど時間が…
本を読むのは腰が重い…
でも教養を広げたい…
と考えている人にオススメです。

例えば、マルクスの「資本論」。

資本主義を取れ直そうと、原著にあたってみるものの…挫折

ということで、下記のようなプロセスで読み込んでいきます。

1. 番組動画で概要を掴む(月額で990円) ※私はAmazon Primeで契約
2. テキストで読んで理解を深める(ムック本で1050円)
3. 前提知識を踏まえて原著を読む

100分de名著、ぜひ活用してみてください。

SNSインプットの時間を少し古典と向き合う時間に変えてみることがオススメです。

さらに、面白い歴史探索の方法を発見しまして。

Google Arts & Culture

Google Arts & Culture は、古今東西の文化遺産と芸術作品をデジタル化し、オンラインで公開しているサービス。

例えば、先ほどのマルクスの資本論は1867年・ドイツにて初版が発行されています。

1850年~1990年のドイツの文化がどんな感じだったのかをGoogle Arts & Cultureで探っていきます。

ドイツのアート・文化の歴史をタイムライン形式で眺められる

ドイツの美術館をバーチャルで巡りながら、さらに探索していきます。

アルテ国立美術館を訪れてみます。

アルテ国立美術館の作品から、1800年から1900年のものを抽出して文化を味わってみる

マルクスの資本論が書かれた時代の空気感や価値観などを、アート作品から理解することで、よりリアルに古典を味合うことができます。

歴史・文化コンテンツを探索する癖をつけると、短期的な視点だけで考えて行き詰まるジレンマを抜け出すことができる感覚があります。

歴史を探索することで企画の深さ・幅が広がる

よい結果を残しているクリエイティブ・パーソンほど、歴史を知っている。例外はない。

すべての仕事はクリエイティブディレクションである。

良い企画は、表面的なユーザーインタビューやSNS調査からは出てきにくいと感じています。

日常から歴史を探索して、時代の空気感の変化や共通事項を考えたり解釈し続けることが、その人独自の面白い企画づくりにつながるのではないでしょうか。

2024年に亡くなられた、編集工学を提唱された松岡正剛さん。

『情報の歴史21』という書籍を残されています。

1. 東西地域をまたぐ5つのトラックを設け、分野横断的に歴史事象を配置
2. 政治、科学、芸術など様々な分野の出来事を同時に俯瞰できるよう構成
3. 大小さまざまなヘッドラインを用いて、重要度や関連性を視覚的に表現

歴史の中にひそむ関係のダイナミズムを直感的につかむための世界同時年表をつくる発想

『情報の歴史21』で実践されている歴史を編集する視点は、これからの不確実な世界で生き抜くための視点を示してくれていると感じています。

生成AIから出てきた情報を都合よく使うのではなく、このような分厚い知を耕して、仕事・生活をしていきたい…

2025年、まずは100分de名著、Google Arts & Cultureを使って1日30分歴史探索の習慣をつくって、好奇心を育てていきたいと思います。