過大評価となるマクロの企業統計

本記事は、財務省の法人企業統計を分析した良い記事だと思います。

しかし、注意しなければならないのは、法人気企業統計で公表されているのは国内企業の単体決算ベースの集計値のため、国内に子会社を有する企業の場合は親会社、子会社それぞれの計数がカウントされることになり、二重計上が発生しています。

実際に、私の同僚が経常利益について法人企業統計の純粋持株会社の計数や税務統計を活用して二重計上分の試算を行うと、経常利益の乖離は5兆円~10兆円超になっています。

つまり、本来の企業の経常利益は、法人企業統計の公表値でみるよりも、今回景気回復局面の増益ペースがなだらかになるため、実際の損益分岐点は70%を下回ってない可能性があります。

こうした二重計上の額は拡大傾向にありますので、マクロの企業統計としての有用性を保つため、より企業実態に即した形への対応が望まれます。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36234130X01C18A0NN1000/

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