箱根駅伝で話題になったNIKE_ズームX_ヴェイパーフライ_ネクスト___マーケティングトレース

箱根駅伝で話題になったNIKE ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% #マーケティングトレース

本日でお正月の休みも終わりの方が多いのではないでしょうか?

今日は年始の箱根駅伝で話題となったNIKE ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%をマーケティングトレースします。

このピンクカラーが象徴的で印象に残っている方が多いはず。

仮説
ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%は
プロ→市民ランナーに利用者を広げるためのコミュニケーション設計
にこだわっている

どういうことか?

コンセプトとターゲット整理

まずは

ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%のコンセプトは、「勝利のためにデザインされたシューズ。」

Price価格¥30,250(税込)となっており、高級シューズでターゲットはプロ向けであることがわかります。

「ヴェイパーフライは、物理と解剖の観点からランニングフォームを分析して作られたシューズだということが画期的でした。単なるランニングシューズではなく、夢の2時間切りを目指すキーファクター、それに必要なテクノロジーを詰め込んだシューズなのです」
箱根も席巻! なぜ「ピンク厚底シューズ」は好記録を連発するのか? 走りの専門家が解説するメカニズム

NIKEの技術の結晶でもあるシューズなのですね。

NIKEの目的はズームシリーズの売上UP

NIKEの狙いは、ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%をきっかけに、ズームシリーズの売上をあげることにあるはずです。

ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%は、ズームシリーズというブランドカテゴリーです。

価格帯は、下は10,450円からあります。

このズームシリーズは、「厚底」という共通した特徴があります。

この「厚底」の価値を広く伝えて、厚底=マラソンランナーに良い=NIKEというブラドイメージをつくることがNIKEのマーケティング担当としてはミッションだったのではないでしょうか。

NIKEの優れたマーケティング=プロに憧れたアマチュアが購入したくなるコミュニケーション設計

まず、SNSを活用したプロモーションに注目してみました。

ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%のコピーとハッシュタグはこちら。

もっと厚く
もっと速く
#厚さは速さだ

このハッシュタグ、トップアスリートがTwitterでつぶやいているのです。

これは、マラソンランナーであれば憧れますよね。

ここで表現に注目してみましょう。

厚さと速さ2軸で訴求しているのは、プロだけではなく、アマチュア(市民ランナー)も狙って言葉をつくっているのではないかと仮説を考えてみました。

厚さ:みんな膝や腰痛いし、疲れを軽減したいよね
速さ:みんな1秒でも速く走りたいよね

もっと厚く
もっと速く
#厚さは速さだ

という言葉は、プロ向けではなく、市民ランナーにも刺さる言葉として設計されているのではないでしょうか?

一般顧客の課題を解決する打ち出し

オウンドメディアでの打ち出しには、下記のように実績をストーリー化して伝えています。

3レースで厚底シューズの男女16人がメダル獲得
常識を打ち破った2人
設楽悠太の足幅は狭く、大迫傑の足幅は広い。
しかし、2人は市販モデルを履いて、常識を打ち破った。
履いた人から気づく、足幅の真実。
ナイキは、足幅を選ばない。

この実績の打ち出しも、プロ以外の人に訴えかけていますよね。

履いた人から気づく、足幅の真実。
ナイキは、足幅を選ばない。

足幅に合わないシューズを選びたくないという課題は、マラソンランナーであれば、プロではなくても共通して抱えている課題のはずです。

ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%のコピーは、プロ向けではなく、一般ユーザー(その中でもこだわりをもったユーザー)向けにつくられている。

市民ランナーでも購入しているツイートをたくさん見かけました。

販路としては、NIKEの公式ホームページだけではなくAmazonでも普通に購入できる導線があります。

NIKEの今後の動きを予測

NIKEは厚底ランニングシューズのポジションを確立したため、次は特許をとり独占しにくる予感です。

ちなみにNIKEは「靴ひもが自動的に締まる技術で特許を取得している」という記事があります。

研究開発→マーケティングとデザインの力で差別化&ブランドポジション確立→知財でポジションを守る・・という強者の戦略をとってくるのではないかと考えています。

また、ランナー以外のサッカーや野球選手のトレーニングシューズとしてもズームX ヴェイパーフライ ネクスト%を活用してもらい、さらなるブランド認知と好意度UPに向けた動きに取り組むのもありではないでしょうか。

今後のNIKEの仕掛けに注目です。

また、2018年のジョギング・ランニング実施率(年1回以上)は9.3%、推計実施人口964万人と言われています。

今回の箱根駅伝のNIKE使用率が85%とのことなので、NIKEの目標は964万人の85%=819万人のランナーがNIKEのランニングシューズを活用することが目標でしょう。(流石にそれはないけど、NIKEは一気にランナーのシェア獲得のためのプロモーション仕掛けてくると思います)


まとめ

今回、箱根駅伝が起点となり、たくさんの人にNIKE ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% を認知してもらえて、「厚底」の価値が伝わったことはNIKEとしては狙い通りだったのではと考えています。

●NIKEズームX ヴェイパーフライ ネクスト%の戦略まとめ
ピンク色の記憶に残るデザイン

もっと厚く×もっと速くというランナー万人が共感するコピー

プロが結果で示してエビデンスをつくる

ズームブランドはラインナップを拡張しておく

盛り上がった時に購入できるよう販路も拡張しておく

プロだけではなく広く一般ランナーにブランド浸透

2020年はプロを起点にブランドコミュニケーションを行うマーケティングが注目を集めそうですね。

PGCという言葉は流行語になりそうな予感です。

本日の日報は以上です。