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男性であるにも関わらず「女性のキャリア」について本気出して考え続けてきた理由。

コロナがきっかけとなり、ESG投資がさらに注目を集めています。

海外の機関投資家が日本企業に対し、女性取締役の起用を求める動きも目立つ。女性取締役のいない企業に対しては、経営陣の取締役選任議案に反対する方針を表明する投資家も増えてきた。コロナ危機は世界経済の脆弱性をあぶり出したが、不透明な環境下でのかじ取りが迫られる中、均一的な価値観や視点しか持たない経営陣では、マネジメントリスクが高まり、危機管理能力も低下する。海外の投資家が要求しているのは、形式的な女性幹部の数ではなく、投資先企業の増益と長期的な株主利益の最大化である。

経団連に加盟しているような伝統的な大手企業や官僚組織のみならず、スタートアップ界ですら、「男性社会」がまだまだ根強いことに、僕は強い違和感を持っています。

こうした違和感を持っているのはもちろん女性だけではありません。

「男なのに、なんで女性のキャリア問題に関心を持っているの?」というツッコミ

こういう現状に対して、僕は至るところで違和感を発言・発信しつづけてきました。女子大の学生さん向けに講演をすることもあります。

こういうことをやっていると、「西村さんは男性なのに、なんで女性のキャリア問題に関心を持っているの?」というツッコミを受けることがあります。

確かに、男性目線かつゼロサムゲーム的な発想で考えると女性が活躍しやすく慣ればなるほど、椅子取りゲームのライバルが増えて、男性の座席数が少なくなって競争が激しくなる、みたいな側面はあるかもしれません。

ただ、僕にとってはそんなことはどうでもいいと思っていて、女性であることが理由に活躍できるフィールドが限定された社会・チームよりも、性別や国籍、年齢などどんな個性を持っていたとしても、全員がフルに才能を発揮できている社会・チームのほうが絶対楽しい!とシンプルに思えるのです。

こういう風に考える男性は決して少なくないと思っていますが、僕が少し特殊なのは、「物心つく頃から『女性が活躍できる社会にしたい』と思っていたこと」だと思います。

ということで、自分語りになってしまって少し気恥ずかしいですが、なぜ僕が女性のキャリアについて強い興味関心を持っているのかをお話したいと思っています。

女性のキャリアについて考えること25年。

ぼくが人生をかけて成し遂げたいことの一つが「男性も女性も、仕事と子育ての二兎を追って二兎を得られる世の中をつくる」ということです。10年前、就職活動をしていた時も全く同じことを言っていましたが、今もその思いは全く変わりません。

ファザーリングジャパンという父親の子育て支援のNPOにかれこれ10年以上もコミットし続けているのも、すべて理由は一つ、「男性も女性も、仕事と子育ての二兎を追って二兎を得られる世の中をつくる」ことがぼくの人生のミッションだからです。

こうした思いを持つに至った理由は、ぼくの家庭環境にあると思っています。

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両親は僕が小6の時に離婚をしているのですが、物心ついた頃には既に両親の間に愛情は無く、特に母は父を「忌み嫌う」という表現がもっともピッタリくるくらいの感情を持っていました。関係性が破綻していたのです。

父はいわゆるDV男ってヤツで、父親として、夫としては、それはそれはどうしようもない男でした。母だけでなく、ぼくも妹2人も父のことが大嫌いでした。

確か、小1くらいの頃だったかな。いつものように父親に罵詈雑言を浴びて泣いている母を見て「大丈夫?」と声をかけた時に、母が「もう、別れたい…」と漏らしたのです。

「別れたいなら、別れたらいいのに!」

とぼくは言いました。

当時、「別れる」という言葉がどんな意味を持つかは今ひとつ分かっていなかったように思いますが、別々に暮らすのだな、ということくらいは分かっていたし、それはぼくとしても望むところでした。

でも、母から返ってきた言葉は期待とは違うものでした。

「それは無理なのよ。お母さんはお仕事をしていないから、お父さんと別れたらあなたたちを養えなくなってしまうの。だから、どんなにしんどくてもがまんするしかないの。ごめんね。」

こんなにもツライのに、なぜ別れたくても別れられないのだろう?とずっと感じてきた疑問が、ここでハッキリしたのです。

「お金を稼げないから、別れたくても別れられない」のだと。

当時、僕が小学生の頃は周囲でも、友達のお母さんの圧倒的大多数が専業主婦でしたが、この頃から専業主婦という生き方について疑問を持つようになりました。

専業主婦という生き方そのものを否定するわけではありませんでしたが、経済面を夫に依存することがいかにリスキーなことかを身をもって体験しましたし、「稼げるかどうか」によって人生の選択肢が大きく左右されるのであれば、女性も可能な限り働き続けた方が幸せになれるはずだという確信を持ちました。

未だなお、5割の女性が出産を機に仕事を辞めているという現実。

小1のあの日から、ずっと「女性と仕事」について考え続けてきて早25年。社会はかくも変わらないものか、と思うほど。以前に比べれば共働き世帯の割合は非常に多くなりましたが、出産とともに仕事を辞めてしまう人がまだまだ大多数。

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第一子出産後の女性の、継続就業率はわずか53.1%。
(出典:仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)レポート2018


女性本人が働き続けたいという意思を持っていたとしても、「そうは問屋が卸さない」のが悲しい日本の現実です。

卸してくれない問屋は様々です。

まずはパートナーたる男性側。

まだまだ「男は仕事、女は家庭」的なUnconscious Bias(無意識下の差別)が根強く、イクメンブームによって多少意識は変わったかな?と思いつつも男性の育休取得率も依然低いまま(2019年度は7.48%)。

父親の家事・育児時間は先進国でもダントツのビリです。

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夫が家事育児を妻に任せきりにしていた場合、家事や子育てのしわ寄せは全て母親側に回ります。人に与えられた時間は等しく1日24時間しかないので、そうした状況の中で仕事と家庭を両立するためには、睡眠時間を削るか、「仕事のために家族との時間を犠牲にする」か「家庭のために仕事の時間を犠牲にするか」しかなくなるわけです。

もちろん、それを何とかこなしているハイパーワーキングマザーもいらっしゃる訳ですが、多くの人にとっては「無理ゲー」なのです。

だからこそ「家庭の共同経営者」である夫が家事・育児にコミットすべきなのですが、それすらも「そうは問屋が卸さない」のが現実なワケで。

企業側の管理職が変わらなければならない。

「卸さない問屋」の総元締めが、企業側の管理職レイヤーです。

現状、管理職レイヤーにいる方々はまだまだ「男は仕事、女は家庭」的な価値観が染み付いていて、子どもが生まれることを報告しようもんなら「ますます残業頑張らなきゃな!」と言われてしまうし、「育休を取ろうと思ってます」なんて言おうもんなら「奥さんがいるだろう!」と言われてしまう始末。

どんなにイクメンがムーブメントになり、「男も育児を」という空気が出来たとしても、いざ会社に一歩踏み入れれば異国の地に来たかのように「男は仕事」的な空気に飲まれてしまい「今日はお迎えがあるので帰ります!」なんてとてもとても言えないのが今の日本の職場の現状です。

ここを変えたくてファザーリングジャパンで取り組み始めたのが「イクボスプロジェクト」です。

「イクボス」とは、男性の従業員や部下の育児参加に理解のある経営者や上司のことです。 子育てに積極的に関わる男性をイクメンと呼ぶのに倣い、そのイクメンを職場で支援するために、部下の育児休業取得を促すなど、仕事と育児を両立しやすい環境の整備に努めるリーダーをイクボスと呼びます。

女性が輝けない企業・社会に未来なんてない。

ダラダラと書いてしまいましたが、まとめると、もっと世の中の女性に輝いて欲しいんです。輝くの定義は人それぞれですが、活躍の場を男性が(意識的・無意識的問わず)奪うようなことがあってはなりません。

自分の母親のような思いをする女性を、これ以上増やしたくない。ただそれだけのことなんです。

「男性も女性も、仕事と子育ての二兎を追って二兎を得れる世の中をつくる」この思いを実現するために、自分なりにいろいろとチャレンジをしようと思っているので、そのあたりもまた追って発信できたらと思います。



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