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全・仕事好き女子に捧ぐ「スタートアップのすすめ」

先日、スタートアップカンファレンスのB Dash Campで、「スタートアップ業界のダイバーシティを考える」的なテーマのセッションに参加した。

ダイバーシティといえば、年齢・国籍・性別・出身地・宗教・人種・姓嗜好・家庭環境…など、まぁ全部は挙げきれないほど本当にいろいろあるのだが、このセッションでは主に「女性」であった。

スタートアップ経営者に女性が少ないとか、スタートアップ系カンファレンスに女性参加者が殆どいないとかは、よく言われることだ。それは上場企業と同程度らしい。

しかし、ここに来て大きく変化してきている。
WAmazingの創業は2016年7月。つまり、私が本格的にスタートアップ業界に足を突っ込んだのは約5年前だが、その時に比べて現在は、業界にも、カンファレンスにも圧倒的に女性が増えたと思う。特にここ2年ほどの伸びが著しい。私はスタートアップ業界において、男性100人に対して女性がたとえ自分が1人でも違和感や居心地の悪さを感じることはあまりなかったが、単純に、女子が増えるのは楽しいし嬉しい。そして、心強い。なので、すごく良い傾向だ。
そして、今年に入って女性起業家に出資しようというベンチャーキャピタルの動きも出てきた。確実に風は吹いている。


では、そもそも私はなぜスタートアップ業界において、仮に圧倒的に男性が多くても自分は居心地悪くないか?を考えてみた。で、考えた結果、仕事が好きで自分で成し遂げたいことがある女性にはスタートアップ起業は、とてもオススメだと感じたので、その理由を以下に3つ、挙げてみる。


1、新規事業をやる“負い目”がない

大企業で新規事業をやるというのは、“負い目”という感情とセットだ。
新規事業って最初はとにかく赤字。だから周囲の利益を生む既存事業の皆さんに「食べさせてもらってる」ことになる。逆に既存事業から見れば「俺たちが必死に稼いだ金で、あいつら、なんか訳わからんことに突っ込んで赤字掘って遊んでる」ように見える。新規事業は、未来への投資だし未来必ず利益にも貢献すると、もちろん自分は信じてやってるし自信もある。しかし周囲の誰もが自分と同じように考える人ばかりではないという自覚もあった。
でもスタートアップだと、そのお金は投資家から出ていることが多く、まぁそれは言わば投資家もそうしたくてお金出してるわけです。投資家というのは、今は赤字でも将来大きくなる(だろう)事業にお金出すのが仕事。だから事業やってる側、起業家側からすれば、責任はもちろんあるけど“負い目”はない。堂々と事業に集中すれば良い。
この辺りが、わたしが独立したあとに、「あー、なんか呼吸がラクになったなー」と感じるところ。このラクさ、自由さに較べれば、私にとってはあんまり性差は問題じゃなかった。(そもそも大企業だって男性社会です)


2、人の出入りが激しいから“ドン”や“シガラミ”が生まれづらい

スタートアップ業界は人材流動性が高い。ニューフェイスがどんどん来る。新しいスターが次々に登場する。反面、人知れず消えていく人も多い。常に人が入れ替わってる。いつも同じメンツの同窓会みたいに、一見すると見えるカンファレンスも新規参加者比率が高い。つまりはヌシとかドンとか生まれづらい。
かたやで私が元々いて、今もいる観光や地域産業は逆。10年経っても20年経ってもキーマンが変わらない。もちろん人が変わらない良いところも沢山ある。信頼関係を築ければ、それが貴重な資産になる。
けれど、『この人と揉めたら、この地域では最低10年は出禁くらうな』的な緊張感があるし、一見すると見えないシガラミや地雷も多い。で、どうしても今の社会の構造上、ドンとかヌシは年上の男性が多い。そして、ご本人が悪いのではなく単純に過去環境として“補助的じゃない仕事をする女性が周囲にいた”経験のない人も多い。
こうなると、まず、対等なビジネスの相手、として見てもらえるまでに大きなハードルを越えなくちゃいけない。だって自分は相手にとっては初めての「よくわからんが、自分に対して対等にモノを申してくる初対面の女」になるわけなので、言葉遣いや服装にも前職時代は結構気を遣った。(カタカナ用語を使わない、とか、地名は必ず下調べして決して読み方を間違えない、とか、必ずストッキングに3センチヒールのパンプス履く、とか)
スタートアップは逆。そのコミュニティに2年以上顔を出したら「ベテラン?プロ筋?」感があるぐらい。女だから対等に見られない、なんてことは、ほぼ皆無である。カタカナ用語も使い放題で、好きな服を着て歩きやすい靴でいい。ストッキングにパンプスなんて起業後は全く履いてない。強いて言えば「若見え」するようには少し気をつかう。全体的に若い人が多いので、浮かないように、程度の配慮だけど。


3、“多産多死”が当たり前。生きるのに必死で足の引っ張り合いする余裕もない。気持ちいいくらい「結果がすべて」の世界

基本的にスタートアップは多産多死である。ポコポコ新しい会社、新しい事業が日々生まれ、日々無くなっている。街で新しいお店ができると前に何があったか思い出せないように、そもそも、“いなくなったことに気付かれない”ほどだ。
(恐ろしい~)
経験豊富なベンチャーキャピタリストだって、10社投資して1社当たれば御の字という世界だ。
そして『結果が全て』なので、それ以外の要素が介在する余裕がない。それ以外というのは、例えば性差だとか国籍だとか年齢差だとか学歴とか。
もちろん噂話とかスキャンダル、ゴシップとかはあるし競合同士の戦いもある。そして特に創業期は“職歴”はよく見られる。『何が出来るやつなんだっけ?なにをやってきたやつなんだっけ?』ということだ。
だけど、事業を伸ばすことに役に立たない足の引っ張り合いとか、嫉妬?とか、性差・国籍・年齢・出身地・学歴による差別や色メガネは、かなり少ない。殆どないと言ってもいい気がする。そんなことにパワーを使う余裕やヒマもない、ということなんだろう。


以上、3つほど挙げたけど、簡単にまとめると、実はスタートアップ業界は、女性にオススメだと思う。

外から見ると「なんかオラオラ系男性ばかりでこわ~い」とか「ウェーイ系なカンファレンスとは、ちょっと距離置きたい…」とか、思うかもだが、そんなカンファレンスも参加してみると想像以上にフラットで対等なことに気がつくと思う。

そして、かなり真面目である。セッションやセミナーで寝てる人なんて皆無。そもそも前夜飲み過ぎた人はホテルの部屋で寝てるしね。

でも、普通の、世間一般の、ビジネスセミナーでは寝てるおじさんは沢山いる。(そういう場所で講演やってきたからわかる。登壇者からは寝ている人は目立つのだ)


持論を続けると。

女性だけではない。日本のビジネス社会では“マイノリティ”だけど、『やってみたいことがある』とか、『密かに自分は仕事ができると自負してる』とかの人にはスタートアップ起業は圧倒的にオススメできる。

日本のビジネス社会でマイノリティといえば、女性以外にも例えば『若者』とか『外国人』とか、もしかして『中卒』とか『引きこもり歴10年以上』とか…。

よく「男は期待で出世する。女は実績で出世する」とか言われるが、スタートアップ業界では「性差とか年齢とかキャリアとか国籍とか学歴とかじゃなくて、全員、実績で出世する」のだと思う。

「数字はすべてを癒す」とも言われるが、ほんとそうだ。伸びていればそれでいい。
(ただ、この風潮が強くなりすぎると、企業統治が軽視されたり、世間常識との乖離が問題視されることがあるので、このあたりは、引き続き、課題だろう。スタートアップの負の面と言える)

「大企業で長らく働いてきたけれど、これ以上の出世は能力というより女であることにより限界を感じる」とか「私より出世しているアイツ(男性)より、私の方がデキると思うんだけどなぁ…」とか、心ひそかに悶々としている自他ともに認める仕事好き女子の皆さまには、ぜひ、「えいっ」とこちらの世界に来てほしい。
それは私の「ハードシングス語り合える仲間が欲しい。男性でもいいんだけど、やっぱり同性の仲間も欲しいのよ」という単なる個人的な希望から来ている部分もあるのですが。(笑)

※自分が仕事好き女子かどうかわからないという場合は、安野モヨコさんの漫画「働きマン」を読んで共感するかどうか、という簡単なチェック方法はいかがでしょうか。


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