日本にオンライン文化を広げるために大切な5つのこと
日本全体いろいろなところで緊急事態宣言が出されている今。この現象を嘆くだけでなく、ピンチをチャンスととらえ、今こそオンライン文化が地域にも浸透してほしいと思っている。
ビジネスカルチャーが変化していく今、私達はその過渡期にいる。
地方はITリテラシーが低いからと言い続け、オンライン会議をしたことがない、提案したことさえない人がこの記事を読んでいるとしたら、ぜひ、そのきっかけを創ってあげてほしい。そして、そのきっかけは今しかないというものだ。
私は過去5年間で関わってきた23都市、全ての自治体で、自治体担当者との打ち合わせにオンライン会議を導入させてもらってきた。(導入と言ってもスカイプやZOOMの無料アプリでの会話だが)
もちろん、地方の人はオンライン会議ができないとか
やっぱり、顔を見て、話さないといけないとか。
そう思っている人は多くいる。
地域のキーマンは年齢層が高いのでなおさら、そうである。
しかし、やればできていた。
23全部の地域で、50代、60代以上の方も含めてスマホさえ持っていればオンライン会議はできていたのだ。
ピンチはチャンス。
ぜひ、自身の地域でもオンライン会議を導入したいなと思っている人がいれば、この機会にやってみてほしい。そのための、導入法について私が大切にしていることを書き出してみた。
諦めずにやってみてほしいオンライン会議の導入ステップ
1)ワクワク宣言(少なくとも自分がワクワクする)
新しいことは、みんながめんどくさがる。
だからこそズルズルやるのではなく、思い切って、オンライン会議システムの導入を開始するXデーを宣言してしまうことが大切。
「来週からこの会議は完全オンラインに移行します!」など
そう宣言した上で、推進者、提案者は周りの協力をもって(時に無理矢理でも)オンライン導入の上で仕事ができる新しい時代のチームになれることにワクワクしています、と伝える。(ここが大切!)
そう、オンラインシステム導入が、みんなにとってプラスである空気を作っておく。
自身だけでなく、地域や組織にとって、プラスに働くことをしっかりと言語化して伝えることが大切である
例:オンライン会議ができるようになれば
子育て/介護中のメンバーでも、仕事に参加できるようになりますとか
2拠点などの関係人口が増えてくる社会において若い人を巻き込めるようになりますとか!
2)リアルで一緒にいるけど、オンライン会議をする
オンラインシステムを導入すると宣言したらまずはリハーサルである。
リアルで打ち合わせをしている時に、目の前でオンライン会議のアプリをスマホにダウンロードしてもらう。そして、みんなで一緒に一度リハーサル会をやるのだ。アプリとメールアドレスさえあれば10分ぐらいでできるので、休憩時間などにやるのがおすすめ。
地域のプレーヤーは忙しい人が多い。彼らはいつも使っているツール(電話やメール)で日々の業務をスピーディーにこなしてきている。長年そのやり方に慣れているので、それが自分に合っているという自負があるので、なかなか新しい武器をほしいと思わない可能性が高い。
だからこそ、新しい武器であるオンラインツールは、そんな忙しい彼らの時間を奪わないことを強調したい。だからこそ、休憩時間にサクッとリハーサル会をやる。そして全ての不明点はその場で聞いてもらえるようするのがいい。
(そして、その時にリハーサル会に参加してくれた感謝の言葉を忘れないようにする。)
3)最初の三人を決める
(いきなりだが)電子国家として知られるエストニアには、人口の10%がオンラインでの行政手続きができるようになると、他の人にも徐々に広がり、その後は自然拡大したというデータがある。
私はこの数を参考に、広めたい人たちに対して、最初何人に変化を起こしてほしいかを考えるようにしている。
自分が何かITで広めたいと思うならば、まずは小さなコミュニティを探して、自分が最初の変化する10%になる。
3人グループなら1人で30%を占めるので、あとの2人(70%)は変化してくれる。
この3人が当たり前にできるようになると、次は10人のグループでできるようになる。
次の10人でできるようになると、次は100人の組織でもできるようになる。その10人で10%を占めるからだ。
私のチームは6人。
私がいなくなっても、1人がほぼ完璧にこなしていたので、何かあればその人が対応してくれるようになっていた。
4)感謝と自慢
新しい働き方ができるチームであることを周りに伝える、メンバーに感謝する。まだまだ地域ではオンライン会議を当たり前に使える人は少ない。
だからこそ、その点を強調して感謝しておくと、その方は次のコミュニティにオンライン会議システムのやり方を伝えてくれる伝道師になっていく。
5)相手より相手のことを信じる
中にはやりたくないという人がいるかも知れない。ここで大切なのは、絶対に相手のことを否定しないこと。
私が大切にしている姿勢は、「相手が変化できることを相手より信じる」ことだ。
具体的に言うと、『このチームだったら、完全オンライン移行必ずできます!他の地域に先駆けてできちゃうコト間違いなしです!』などずっと言っていると「必ずできる」という想いがチームに伝染し、できる行動に結びついていく。
もし、失敗しても大丈夫
いざ、オンライン会議システムを使おうと思い、事前練習もバッチリ。しかし、いざ接続しようとした時に限って、トラブルが発生してしまうこともある。理由はネット回線や、本人のPCの再起動など様々。
少し気落ちしてしまうこともあるかもしれないが、またリアルに対面しながらオンライン会議をするリハーサル会を繰り返す。
ここで無理にオンライン会議を強行しないことが大切。
ストレスがある状態で仕事をし続けると大切な仕事のモチベーションも下がってしまうので、不安要素を残してやるよりも、対面のリハーサル会からやるといい。
ビジネスの価値観が変化するのには時間がかかる
長くかけてつくられた固定概念は、それと同じぐらい長い時間をかけて解きほぐす必要がある。
仕事は信頼で成り立つ、だからこそ対面で話すことが大切だ。
そんな対面文化が当たり前だったからこそ、その概念を解きほぐすには時間がかかる。しかし今こそ、その概念を変化させられるチャンスだと思う。オンライン会議でも、ちゃんと顔を見て話せる機会であることを多くの人に知ってほしい。
過去5年間関わってきた23都市全ての自治体さんとオンライン会議を導入させてもらってきた。皆さん、最初はできないとおっしゃるが、全てにおいてその言葉を伺ったのは初回だけだった。
ぜひ、「地方はITリテラシーが低いから」と諦めずにやってみてほしい。インターネットさえ通っていれば、地域と都心の仕事をつなぐ生命線を生み出してくれる。そして今がそのチャンスである、私はそう信じている。
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