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どれだけうまくいっていたとしても。グループなるものは、長くなればなる程、政党でもバンドでも、どこかで仲違いが起き、分離、分裂、独立といった道を選ばざるを得ないのが避けがたい一つの運命のようなところがある。何か大きな目標があるときや、デメリット対比でメリットが大きいときには、大同小異でグループは結束を強めるが、そうでなくなったり、誰かひとりが抜けるといった提案を始めると、それがきっかけになって、瓦解が始まったりする。そんな例を挙げれば切りがない。

今度はポーランドからEU離脱の声が上がり始めた。いろいろあるであろう原因の一つは、ポーランドが石炭火力発電への依存度が高いことと関係がある。EU復興基金から使われるグリーン政策への資金は巨額にのぼり、EUとして足並みを揃えるためには、かつ、EU基金から資金を充当されるためには、石炭依存度を大きく変える必要がある。IEAによる国別エネルギー源割合をみると1990年時点では76.5%であったのが、2019年現在すでに43.6%まで減らしている。これだけの努力をしても、なお、ポーランドは石炭火力、CO2排出量などの基準から見れば、問題国である。このせいで電力価格は大きく上がったことも国民の意識には根強いであろう。

現時点では、EUからの補助金が大きく、そちらのメリットが、自由がない、電力価格が上昇している、国の誇りでもある石炭火力の肩身が狭いことへの窮屈な思い、などから形成されるデメリットを凌駕することはあるまい。

が、あまりにも厳格なものを追い求め過ぎれば、ポレグジットの火種は燻り続けるのではないか。スペインのカタルーニャ地方やイギリススコットランドの独立運動など、血気盛んな地域は多い。欧州の地域としての結束はこうした民族間の難しさのバランスの上に、やっと成り立っているのである。ポーランドの動きも、慎重に見ておきたい。

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