こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
先日終了した広島サミットで議論されたグローバルな課題には、クリーンエネルギーや気候問題、自然危機、そして脱炭素社会などが多く含まれていました。また引き続き各国が協調しながら、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を加速させることで合意しました。
脱炭素社会というと自然エネルギーであるとか、電気自動車への移行であるとか、人間の社会活動による排出の減少について議論することが多いように思います。排出を減らすことと同じくらい重要なのが、炭素吸収側です。
森林が光合成により二酸化炭素を吸収することは広く知られています(グリーンカーボン)。よって、過度な森林の伐採を減らし、植林活動などにより将来に向けて育成していくことが大切です。もうひとつ注目すべきなのが、海洋での吸収です。
吸収源となっているのは、マングローブ林や海草藻場などの沿岸海域の生態系であり、いわば海にある森です。これらはブルーカーボンと呼ばれ、前述のグリーンカーボンにはない特徴を持っています。
海に囲まれた日本近海には、約1500種類の海藻が存在するそうです。毒を持つ海藻はなく、味はともかくとしてほぼすべてが食用になりうるものです。しかし、食用とされているのはせいぜい20種類程度。栄養面でみても海藻には、タンパク質、ミネラル、ビタミンが豊富に含まれています。
また、先日nomaの記事を書きましたが、ここで特にフィーチャーされていたのは我々には馴染み深い「昆布のうま味」でした。近年、欧米のトップシェフの間では従来の甘味、塩味、酸味、苦味に加え、うま味を活用する人が増えてきています。その結果、昆布はKOMBU、うまみはUMAMIとしてそのまま英語表記で通用しつつあります。以下はUMAMIについてnomaが説明しているInstagramの投稿です。
このように世界で注目を集めている海藻ビジネス。そのトップランナーとして活躍している日本のスタートアップが、シーベジタブルです。
また、海藻テックとして世界に挑戦しているスタートアップもあります。砂糖と寒天で作る和菓子「琥珀(こはく)糖」に注目し、健康に敏感な米国の消費者をターゲットに「グルテンフリー」や「ビーガン」といったトレンドに乗り急成長しています。
まだまだポテンシャルのある海藻の利活用。海に囲まれた地の利を活かして、世界をリードする日本企業が羽ばたいていくことを期待しています。
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タイトル画像提供:divedog / PIXTA(ピクスタ)
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