タピオカミルクティの代表ブランド・ゴンチャの #マーケティングトレース
流行りのタピオカミルクティーの代表的ブランドであるゴンチャのマーケティングトレースです。
▼ゴンチャの概要整理
・台湾南部に位置する台湾第二の都市・高雄で2006年に誕生
・高品質な台湾ティーを、ティー・コンシェルジュが提供
・世界16 カ国で約 1400 店を抱える
・2015年に日本1号店オープン
・大都市圏では、多い時は1日に 2000 杯を売る
・2019年度は100店舗を出店目標としている
・7割がフランチャイズ店
参考記事はこの2記事です。
先に記事を読んでいただくと、ゴンチャの戦略概要は理解できるはずです。
それでは早速トレースしていきます。
まずは、STP分析、4P分析からマーケティング構造を整理していきます。
STP分析
S=セグメンテーション
10代女性~20代女性(Z世代がメイン)
⇅
T=ターゲット
SNSを駆使して流行に敏感な層
⇅
P=ポジショニング
コーヒー嫌いのスターバックス好き
ポジショニングが、「コーヒー嫌いのスターバックス好き」というのがユニークな発想です。
このポジショニングが、4P=マーケティングミックスと連動していることがわかります。
4P分析
Product=売物
4種類のお茶がメイン。
コーヒーやスムージーなどは扱わない
お茶だけでカスタマイズで2000種を超えるアイテム数
Place=売場
ターミナル駅・日常・非日常という3つの段階に分け、それぞれに出店
ハブになる駅への出店→スポーク=周辺駅への出店という順番を踏んでいる
Price=売値
タピオカ入りのミルクティーを490円の設定にし、ほかのブランドよりほんの少し上を目指した。客単価は550円前後
ターゲットである10代が少し背伸びして買う価格設定
スターバックスと類似した価格設定
Promotion=売方
口コミを誘発する店舗とパッケージデザイン
Z世代に愛されるためのデザインは心掛けられている。
そして人材面にも注目です。
上記の4Pを支えるのは、アルバイト含む人材の採用・育成と業務フローの体系化。
店舗のサービスレベルに関してはスタバを模倣しているような印象を受けます。
「当社としては、お客様と同じぐらい大事な存在。スタッフに応募してくるのは、9割がゴンチャのファンですね。さらに、当社のビジョンをしっかり説明して、お客様に価値を提供するんだということをわかってもらう。だからスタッフはゴンチャが本当に好きで、前向きなマインドをもって働いていると思いますし、逆に言えばそういったスタッフが残っているのだと思います」(葛目氏)
タピオカドリンク「ゴンチャ」が大人気のワケ 葛目良輔社長が目指すのは「お茶のスタバ」
スターバックスのアルバイト教育や、無印良品のマニュアル経営のような、組織構築は、ゴンチャが店舗拡大と、ファンを増やしていくためには必ず抑えるべき要素だと考えています。
7割がフランチャイズとのことなので、フランチャイズでも世界観や品質を共有するための仕掛けをつくっていく必要がありそうです。
マーケティングにおける課題整理
①一時的な流行で終わってしまう懸念
現在はSNSを起点に、口コミを誘発して来店顧客を獲得できていますが、一時的なブームにならないための対策は必要となると考えています。
②タピオカミルクティのカテゴリーに参入店舗が増えてくる中での特別感を出し続けること
タピオカミルクティブームに乗っかり、様々なブランドが出店をかけてきています。差別化は当然必要になってくるでしょう。
この課題に対して、どのようにCMOだったら打ち手を考えていくか?
もし自分がCMOだったら?
①CRM領域の強化
リピート率を担保するのは品質であり、そこの強化は進めていることは、Newspicksの記事に書かれていました。
合わせて、リピート顧客へのインセンティブ付与や、日常にゴンチャブランドを浸透させていくための施策は重要になってくると考えています。
カスタマイズ性がゴンチャの優位性だと解釈しており、リピートすればするほどカスタマイズの幅が広がるといった体験提供はありだと思います。
②ビジネス街や企業が入居する高層ビルへ出店
Z世代を中心に置きながらも、少しづつターゲットを拡張できるかは、重要な視点になってくると考えています。
ビジネス層へのアプローチもありではないでしょうか?
ビジネスパーソンでも、コーヒー嫌いのスタバ好き層はいるはずです。
ビジネスパーソンの多い立地への店舗出店と、Z世代とビジネスパーソン(主に女性のニーズ)を満たすための店舗体験設計を行っていくことは、次の顧客層開拓のためには考えていきたいところです。
以上がゴンチャのマーケティングトレースです!
参考記事
タピオカミルクティの歴史背景を理解するのには、下記のnoteがとても参考になります。
ブームを捉えるときに、文化・社会背景を読み解く視点は非常に大事。
非常に学び多い記事です。
鍵になる問い
=特定のカテゴリーで特定の世代でブームとなるブランドが、どのように一過性のもので終わらせないか?
一過性のブームで終わらせないためのマーケティング戦略づくりは、マーケターに求められる役割です。
これからのゴンチャの事業展開には注目していきながら、随時、戦略仮説をアップデートさせていきたいと思います!