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アニメ風アパレル続々、ドイツの子供服売り場で何が起きているのか?

この夏、ドイツの子供服売り場では、アニメ風アパレルが至るところ見受けられました。特筆すべきは「普通の服屋」である点です。今回はこのあたりの事情について写真を撮ってきたので振り返りつつ、考えてみます。

フランクフルトでお店をチェックしてきました。

都心部の商業エリアにある「C&A」というアパレル大手のお店で見かけたものがこちら。『呪術廻戦』や『NARUTO』は有名アニメのTシャツが並ぶ一方で、右のパーカーはアニメや漫画風のイラストに日本語で「最高 すごいよ」と書かれています。

Foto by @sakaikataho

別のフロアでは、初音ミクのパジャマも見かけました。(タイトル画像の右部分)実は、すぐ近くには「プライマーク」などの他のいわゆるファストファッションの店舗が並んでおり、そこでもこういったファッションアイテムを見かけました。

「プライマーク」で見かけた初音ミク(Foto by @sakaikataho)

所変わって、郊外では「TAKKO」という、こちらもアパレルチェーン大手なのですが、『ポケモン』や『NARUTO』に加えて『初音ミク』も見かけました。

Foto by @sakaikataho

注目すべきは、各チェーン店の規模なんです。

これまでも、アニメプリントの服はドイツや欧州で販売されてきました。しかし、どちらかというとファッションに敏感な一部の若者たち向けというニッチな分野という印象を筆者は持っています。ただ、今回はメインストリームだという点が大きく異なる点だと思ったわけです。ここで各チェーン大手の規模を見てみましょう。

C&A→ドイツに397店、欧州17カ国に進出、総店舗数は1300店。
Takko→ドイツに1100店、欧州17カ国に進出、総店舗数は約2000店。
Primark→欧米など15カ国で400店。

(2023年9月時点、Kataho調べ)

少なくともフランクフルト市内では、同じチェーンの別店舗でも確認できたほか、SNSを見る限りドイツの他の都市でも販売されているようでした。

これまで特定のアパレルチェーン店がコラボアイテムを販売することはありました。本来は競合関係にあるはずの大手がこぞってアニメ風アパレルを展開する姿に筆者は驚いたわけです。

加えて、その価格です。いずれもロープライスを売りとするアパレルチェーンです。近所にある&お手頃価格となれば、いかに購入しやすい環境が整っていたのか、想像できるのではないでしょうか。事実、直近のアニメイベントや日本イベントでは、こういったTシャツを着ている子供を何度か見かけました。

気になるのはライセンス。。。

そこで気になるのは正規品かということです。つまり、正規のライセンス契約に基づく商品なのか。こにれについては、衣料本体またはタグに著作権表記があるかどうかをチェックしました。
筆者がチェックした範囲では表記はどれもきちんとしており、家に帰ってからネットで調べた限り、どうやらライセンス商品の開発を得意とするオランダや英国のグッズ/アパレル企業の存在が見えてきました。どうやら、そこがチェーン大手に卸しているようです。

海外展開:アニメ人気で関連分野も後追い?

アニメや漫画の海外進出の勢いは日本でもよく報道されるところです。すでに関連商品の展開も続いています。

アパレル分野もまだまだ開拓の余地はあるでしょう。しかし、まだまだ関連分野/業界では進出の余地があると筆者は見ています。

例えば、食の分野では日本ではアニメコラボが色々とありますが、ドイツでは少ないです。(これについては過去記事を参考にしてください。)

ドイツでは日本のアニメ・マンガ文化がどんどん身近になってきています。皆さんはどのようなアニメ・漫画の関連文化/商品が国外に進出すればよいと思いますか?

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タイトル画像:ドイツのアパレル大手「C&A」にみる日本風/「初音ミク」アイテムの様子。2023年8月、フランクフルトにて筆者撮影

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