若手と退職代行〜逃げ方について考える〜
日経COMEMO KOL / 株式会社Another works代表の大林です。複業したい個人と企業・自治体を繋ぐ総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営しております。
近年、若手社員を中心に「退職代行」の利用が増加しているという話題が度々話題になっています。この現象の背景には何があるのか、そして将来のキャリアにどのような影響を与える可能性があるのか。今回は「退職代行」について、経営者としての視点から考察してみたいと思います。
退職代行が増える背景
退職代行について記事によれば特に若手社員の間で増えているようですが、その背景には期待値のギャップがあると思います。就職活動中は、会社の良い部分をたくさん見て期待を膨らませます。キラキラしたイメージを抱いて入社するものの、実際に入ってみると思っていたのと違う、この落差が大きいのです。
もちろん、退職代行を使うことが悪いとは思っていません。環境や状況は人それぞれです。退職代行を使うことで救われる心や命があるならその選択をすべきだと思います。ただし、注意してほしいのは、キャリアの撤退の仕方は人生に大きく影響するため、安易に手を出しすぎないほうが良いということです。退職代行を使ったからといって、何か悪いことをしたわけではありません。しかし、その行動が将来どう評価されるかは考えておく必要があります。
レビュー市場主義社会の到来
これからの社会は、間違いなく信用社会になっていきます。さらに言えば、レビュー市場主義社会になると私は考えています。
例えば、お店を選ぶ時や物を買う時、みなさんレビューを見ますよね。失敗したくないから、できるだけ情報を集めようとする。これと同じことが、人にも起こるのです。
恋人選びでも、友達に「あの人どう?」というようにふと周囲に聞いたりしませんか?これも一種のレビューなのです。人間関係でも、みんな失敗したくないから、知らず知らずのうちにレビューを求めているのです。
この傾向は、ビジネスの世界でも同じです。採用の場面で「リファレンスチェック」というのが行われるようになってきています。知り合いの紹介という「リファラル」がかなり一般化してきていますが「リファレンス」とはその人の過去の上司や同僚に、「この人はどうでしたか?」と聞くようなものです。つまり、過去の行動や評判が、将来のキャリアに大きく影響する可能性があるのです。
逃げ方が未来を左右する
辛い時は逃げてもいいのです。しかし、逃げることを癖にしてしまうのは危険です。逃げることで自分の「辛い」という基準がはどんどん下がってしまいます。最初は本当に辛いことから逃げていたのに、だんだん些細なことでも逃げるようになってしまう。これは、成長の機会を逃してしまう、非常に勿体無い状態となっていきます。
私は面接で、その人の「基準」を見ています。「今まで一番辛かったことは何ですか?」「一番頑張ったと思うことは?」こういう質問をすることで、その人がどれだけ高い基準を持っているかがわかるのです。
逃げずに乗り越えた経験は、将来語れるエピソードになります。今辛いと感じていることも、将来は自慢話になるかもしれません。
私が大切にしている言葉に作家のヘレン・ケラーの言葉があります。
「あなたの価値はあなたが決める」
自分を過小評価せずに、生きているだけで素敵だと思ってください。本当に辛い時は逃げてもいいのです。しかし、逃げ方は考えましょう。そして、助けが必要な時は、周りの信頼できる人に頼ってください。一人で抱え込まないことが大切です。
ここまで今話題の退職代行について私なりの見解をお話ししてきました。是非引き続きチェックお願いします!
大林 尚朝 / NAOTOMO OBAYASHI
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