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「職務経歴書に書かない自分」をみつめる #WorkCrafting!

こんにちは、ナラティブベースのハルです。現在、自社ホームページのリニューアル原稿を書いているのですが、1年前にリニューアルしたばかりなのにもうすでに表現が古い!!世の中がうごめいて、個人の、組織のそれぞれの可能性がむくむくと内側から溢れ出してきている…そんな社会の息吹を感じます。だから、ナラティブベースが今年から新しく掲げているのは「それぞれが しあわせな 『はたらく』をつくりだす」という社会のナラティブ(物語)。その個人向け発想法として先月ご紹介した「ワーククラフティング」について、その具体的な手法・事例を書き進めてみたいと思います!

「好きなことをみつける」「夢をもつ」の脅迫

その前にちょっとだけ個人的な経験を。わたしには二人の子どもがおり、それぞれにもうかなり自立して手のかからない年齢になりました。下の子も思春期に入り少し子育てを振りかえってみると、ともに10歳以降の目覚ましい自我と個性の発達には、我が子ながらリスペクトを感じずにはいられません。それはまるでつぼみが開くように、もともと内側にあった何かが表出していくようなエネルギーで、人が育つとき外から加える必要があるのは、栄養であって、形ではないということを思い知らされました。

10歳を超えると「2分の1成人式」から始まり、キャリア教育や進学相談で子どもたちは「好きなことは?」「将来の夢は?」と尋ねられることが多くなります。もちろんその問いが何かのきっかけになることもありますが、なんだかわたしは違和感を感じるようになりました。なぜなら2人それぞれの個性は、時間のあるとき、暇なときにむっくり顔を出したりする「内から出てくるもの」で、忙しい時には成りを潜めることがよくあったのです。はじめは忙しいと出てこないのかと思いましたが、そうではなく幼いころはとくに忙しい=人から形を押し付けられたときなので、その瞬間消えてしまうのだと気づきました。

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夢はなあに?と聞かれて「別に」と答える我が子をみたり、「この子の好きなことはなんだろう?」と考えたりすると、あれこれ習い事をさせたり、努力を求めたりし始めてしまうのでですが、その脅迫に乗る前に「観察すべき内側」があることを、子育ては気づかせてくれました。

『TYK』をみつける

そんな経験から、「ふとした瞬間出てしまう」「ついついやってしまう」ことは、その人が能力を発揮するために必要な大いなるヒントであるという確信がわたしのなかで強くなりました。ナラティブベースが取り組む「ワーククラフティング」は、この滲み出てしまう強み=「観察すべき内側」を仕事仲間同士で大切にすることがベースになっています。

実は『TYK』とは「T(ついつい)」「Y(やっちゃう)』『K(こと)』の頭文字を集めたオリジナル略語。チームビルディングの中で相手も自分もよく観察し、履歴書や職務経歴書には書かれていないその人の能力をいっしょに再発見します。よくある「自分の強みは自分が一番わからない」というヤツで、本人は「こんなことは当たり前だから」と思い込んでることが、意外とすごいことだったり、周りにとっては必要だったりということがたくさんあるのです。

近頃はコーチング1on1も広がり、人の力を借りて内省を行える機会も手段もぐっと増えてきました。また、フリーランスやパラレルワーカーにならずとも、副業解禁社内副業などで自分の可能性を柔軟に探れる仕組みをもつ企業も出てきました。

ナラティブベースでは、この「ワーククラフティング」の発想で、独自のやり方で仕事の中でTYKをフィードバックしあったり、ペアで互いのTYKを探すのを手伝ったりといった取り組みをしながら、再発見したそれを活かせそうなプロジェクト(仕事)づくりやチームづくりを行なっていっています。実際の仕事の中で芽が出たそれを育て、その人のキャリア、職業にしてしまうことで、それぞれの「はたらく」をつくることを相互にサポートしているのです。

実際に起きたWork Craftingの事例

ここで、ナラティブベース(以下NB)で実際起きた「ワーククラフティング」の事例を3つほど紹介します。「起きた」と書いたのは、実際どれもそうなるべくしてなったという花が開くような流れ、感覚に近いから。いずれのストーリーも簡単にまとめてしまうにはもったいないのですが、ここではあえて簡略化してお伝えします。

物覚えがいい・比較検討が好き AさんのWork Crafting!>
前職では特殊な部署に配属されキャリアを積んできたAさん、ポータブルスキルはあっても汎用的なスペシャリティ(専門性)がないのが悩みでした。ところがNBのお客様の業務をヒアリングした際に、同じ情報を1回聞いただけで再現できるAさんとそうでない仕事仲間の差に気づき、業務ヒアリングが得意なことに気づきます。また、私生活では化粧品や文具などの比較検討が大好きで、何がいいか?どういいか?ならいくらでも語れたTYKをこれと組み合わせることで、今では業務改善やツール導入アドバイスの仕事を増やし、スペシャリティに磨きをかけています。
イメージで捉える・文章より絵で表現 BさんのWork Crafting!>
BさんはNBで仕事を始めたとき、ライティングやレポート作成の仕事をしていました。ところが想定していた工数を大幅に超えても納得できるものができなかったり、文章や数字でまとめることが自分にしっくりこなかったり。そんなある日、子連れでランチミーティングをしていると、Bさんが子どもをあやすためにその場でスラスラ描いていたイラストが生き生きと魅力的なことに仕事仲間が気づき、以降、仕事で発生する資料の挿絵や、お客様先でのヒアリングのイラスト化など、文章や数字ではなく絵を使った仕事をしてみてもらうように。その後Bさんはグラフィック・ファシリテーションの勉強を本格的に始め絵を描く仕事を増やしていきました。今ではグラフィック・ファシリテーターとして活躍しています。
うまくいく・うまくいかないパターンが気になる CさんのWork Crafting>
Cさんは3人の男の子を育てながらNBで仕事を再開したものの、Aさんと同じくこれといったスペシャリティがないことに悩んでいました。ところが、難易度の低い仕事からスタートしたつもりが、お客様との連携がうまく行かずその原因究明や人材育成に人肌脱ぐことになります。はじめは仕事仲間も「さすが3人男の子育ててる人は忍耐力が違う!」と感心していましたが、次第にCさんの視点や改善に驚かされていきます。実はCさんのTYKは人の行動や成長の観察、そしてこれってこういうこと?というパターンを見つけ出すこと。今ではCさんはNBのチームビルディング支援サービスの商品開発に携わりプロジェクトを推進しています。

道筋は自分の中にある

さて、いくつかの「ワーククラフティング」の事例を見てきましたが、あなたが考えるキャリア構築の方法とは少し違ったのではないでしょうか。
働き方のトレンドとして、成果主義ジョブ型などが注目される今、自分の職歴やスキルを棚卸しして明文化したり、キャリアの道筋を立て目標や夢を持つことを、あたりまえと捉えがちです。けれど、その前に自分の内側を観察することで、まだ表に出しきれていない、つまり「職務経歴書に書かない自分」に目をむけることが、実はあなたのしあわせな「はたらく」をつくりだすことにつながっていくかもしれません。

冒頭、子育ての話を書きましたが、それを大人にも当てはめてみましょう。「忙しすぎて転職や働き方を変える暇がない!」と考えている方はとくに、忙しい=人から形を押し付けられた働き方になっていないか? それが原因であなたの内側にもともとあった何かが消えかけていないか?みつめなおしてみることをお勧めします。

大人の成長・発達に必要なものも、やはり栄養であって形ではないのでは?

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

#働き方 #キャリア創発 #相互成長 #WorkCrafting #日経COMEMO

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