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「女性枠」は本当になくすべきか考えてみた。

数ヶ月前、こんなツイートが話題になった。

女性○○、ママさん○○、女○○、女子大生○○など、「女性である」ことがトピックの1つになることはよくある。

一方で「女性枠」という考え方もある。男性だらけの世界や業界に1人か2人、女性を起用して多様性を担保しようとする手法だ。

これに対して近年、当事者である女性から「性別ではなく能力で判断されるべき」「女性枠なんていらない」という声が挙がることもある。

もちろんその通りで、国会議員にしても、何かの審査員にしても、理想は性別に関係なくフラットに選ばれるべきだ。

でも、本当に「女性枠」はなくなるべきなのか?

今日はそんな話。

■参加者と、代表者と、結果

まず話をシンプルに整理する。

世界には男性と女性が約半分ずつ参加している。
しかしこれまで、仕組みをつくったり、審査をしたりといった代表者的な立場には男性が起用されることが多かった。

男女両方の代表者にも関わらず、男性だけで議論を進めては、その結果も男性色がどうしても強くなってしまう。

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そこで、代表者に女性を積極起用することで、女性の視点を結果にも取り入れようとして生まれたのが「女性枠」だ。

おかげで近年では女性がいない組織は多様性がない、時代錯誤だと言われるようにまでなった。

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■女性枠に入った女性の苦悩

男女平等の観点から生まれたこの「女性枠」だが、これもまた女性の犠牲の元になりたっている。

と言うのも、この枠に起用された女性はとてつもなく不平等な状況下での活躍を強いられている。

まずはイメージの不平等
彼女たちは起用された時点で「女性枠」というレッテルを貼られるので、まずはじめに「女性だから選ばれたわけじゃない」と実力を示す必要がある。これは男性者には必要ない行為なので、余計な仕事が1つ多い状態でキャリアがスタートする。

つぎに代表性の不平等
女性枠の代表者は女性からの期待を一手に引き受ける。女性だからと言ってみんな同じ考えなわけがないが、自らの言動が常に「女性代表」になってしまう。これも男性の代表者には存在しない不平等だ。

最後に数の不平等。女性枠は「枠」というくらいなので、代表者たちの中で常に少数派だ。つまり完全アウェーの状態で仕事をしなければならない。「女性ならではの視点を」と言われるが、それを通すためには自分たちの何倍も数がいる男性を突破しなくてはならないのだ。

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このように、男女平等という観点から生まれた「女性枠」という仕組みは機能不全に陥っている

では「女性枠」はこれからどう変化するべきなのか?

■女性枠をなくす、もう1つの方法

冒頭にも書いた通り、近年は女性から「女性枠なんていらない」という声が挙がることもある。

これに対して僕は賛成であり、反対だ。
女性枠なんてなくしたい、だから女性枠は増やすべきだ。

何を言っているのか?と思った人も多いだろう。

「女性枠をなくす」と言うと、私たちはつい「女性枠をゼロにする」と思ってしまうが、なくし方はそれだけではない。

男性と女性の数を同じにすることで「枠」という概念から脱却することができる。つまり、女性枠は男女比が50:50になるまで急拡大するべきなのだ。

事実、世界でもこの「50:50」のプロジェクトは拡大の兆しを見せている。

■50:50にして、ようやくはじまる

これらの考えに対して「無理やり50:50にしても意味がない」という批判もあるだろう。

違う。むしろ「無理やり」じゃないと意味がない

前述の通り、これまでのやり方では女性の代表者に負担が大きい。代表者の女性が活躍すれば「女性枠」は少しずつ増えるかもしれないが、そもそも不平等な条件下で活躍してもらうこと自体がいわゆる「無理ゲー」なのだ。

実力も伴った女性代表者が増え、少しずつ枠が拡大したとしても、それで50:50を達成するのは何十年後になるだろう。

だったらこの流れは無理やりでないと変わらない。無理やりでないと達成できない。女性も○○に参加する権利を認める、などという悠長な発想ではなく、50:50にすることは社会の義務である、くらいまで抜本的なパラダイムシフトが必要だ。

まずは50:50にすること。そこで浮き彫りになる課題こそが本質的に議論するべき課題だろう。今はまだそこにたどり着くための前提条件を満たしていない。

50:50にしたら終わりなのではなく、50:50にしないとはじまらないのだ。

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小島 雄一郎
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