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試練続きのフェイスブック、第3の創業を目指すプライバシー重視路線への方向転換が意味することは

フェイスブックにとっての怒涛の1週間が過ぎました。マーク・ザッカーバーグCEOによるプライバシー重視を目指す方向転換がブログで表明されてからのたった一週間の間に起きた主要なニュースとしては、米司法当局による捜査市場独占の問題に対応し競争規定の見直す必要があるとする英政府の調査報告書発表、大規模システム障害、米国エリザベス・ウォレン上院議員によるGAFA解体の提案、更には同社ナンバー3と言われていた幹部の退社など、目まぐるしい動きを見せました。

一体何が起きているのでしょうか?

ちょうど一年前の今頃、2016年の大統領選前後から問題となってきていたロシアによる選挙介入疑惑が注目を集め、選挙コンサルティング会社のケンブリッジ・アナリティカによる8,700万人分のFacebook利用者の個人データの不正収集問題が明るみになりました。さらにはフェイクニュース、ヘイト投稿などの問題山積みの状況が続く中で、欧州、そして米国においても規制強化が世界的な動きとして拡がりつつある背景があります。

同時に若者を中心としてフェイスブック離れが進み、最近のデータによると米国では特に若い世代 (12歳〜34歳)において79%(2017年)から62%(2019年)まで利用者が減少しているというデータが示されています。オープンに写真や動画を公開・シェアするのではなく、やはり若い世代の中では1対1、或いは少人数のグループ内でのやりとりが好まれていて、スナップチャットが開発し、後にインスタグラムやフェイスブックでもストーリーという機能で広く使われるようになった、24時間で消滅し、永続的に記録されないコミュニケーションスタイルが広がっているようです。

このような2年間に渡るフェイスブックに対する苦難の日々の中で、CEOマーク・ザッカーバーグは何ヶ月もプレッシャーの中で打開策を案じていたことが容易に想像できます。日本時間の今朝の報道で退社が明らかになったフェイスブックのプロダクト部門責任者クリス・コックス氏はザッカーバーグとの長年の友人であり、シェリル・サンドバーグ氏に次ぐナンバー3、将来の会社後継者とも目されていた人物です。ニューヨーク・タイムズの記事によると今後の方向性に関する意見の違いで退社したことされていて、そこまでして方向転換の舵を切らなければいけなかったことの意味は本当に重いことと思います。

ニューヨーク・タイムズの記事によるとメッセンジャーアプリ、WhatsAppのプロダクト責任者のクリス・ダニエルズ氏は数ヶ月前に辞任していることから、社内ではインスタグラムとWhatsAppとフェイスブックメッセンジャーの統合という路線はしばらく前からあり、社内でも衝突があったことが予想されます。2017年と2018年にはWhatsAppとインスタグラムの創業者がそれぞれ会社を去っていることも含め、社内での大きな方向性の転換が進行していたことが分かります。

3月6日の「オープンからクローズへ、プライバシー問題への配慮を踏まえ方向転換」というメッセージは多くの人、メディアも含め、好意的に受け止められた一方で、本質的な問題解決には取り組んでいない、という厳しい意見も数多くあります。

世の中の多くの人が想像出来ない未来が見えている経営者としてのザッカーバーグ氏?

イギリスの大手金融企業バークレイズのアナリストRoss Sandler氏によると、Facebookが2021年までに約190億米ドル(約2.1兆円)の増収が見込めると、3月11日、CNBCで報じています。この増収のうち、約30億ドル(約3,351億円)はFacebookが独自に開発を進める仮想通貨事業からだと指摘しています。

まずはインドで実験を予定しているWhatsApp内でのデジタル決済事業が20億人を超える利用者に使われるようにもしなったとすれば....現在WeChatやアリペイで行われているような決済手段としてフェイスブックが変貌を遂げるならば....現在50名以上で20人以上の求人も積極的に採用中のブロックチェーン部門の責任者はペイパル元社長のデービッド・マーカス氏です。

ブロックチェーン技術を導入することで昨日起きたようなサーバー障害によるシステム停止などのリスクに対処し、また、メッセージを暗号化することで莫大なコストと社会的責任の追求を受けているコンテンツ監視・モデレーション業務からも開放されるとすれば、フェイスブックの第3の創業として5年後には現在想像できないようなサービスが生まれているかもしれない、という気にもさせてくれます。

フェイスブックはモバイル化の波に乗り、当時急成長していたWhatsApp、インスタグラムを買収することで、現在の収益の98%を稼ぐ広告事業分野を牽引し(モバイル広告のみで93%)、2012年から2018年の間に企業価値を600億ドル(6700億円)から6,000億ドル(6.7兆円)へと10倍に成長させることに成功しています(3月15日時点では4,856億ドル(5.4兆円)

みなさんは3年後、5年後のフェイスブックがどのようになっていると思いますか?巨大IT企業への規制強化とプライバシー、データに対する個人の考え方の変化の中で、ソーシャルメディアと今後どのように付き合うことになるのか、一人ひとりが自分の頭で考えていくことが必要になっていきそうです。
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市川裕康 (メディアコンサルタント)

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