”地域活性化起業人 副業型”の新設で自治体×複業はどう進む?
株式会社Another works代表 / 日経COMEMO KOLの大林です。複業したい個人と企業・自治体を繋ぐ総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営しております。
2024年に発表された「地域活性化起業人 副業型」について、70,000名・120自治体の複業を支援するプラットフォーマーの目線で解説していきます。
■地域活性化起業人とは
地域活性化起業人(企業人材派遣制度)は、民間企業と自治体が協定を締結し、三大都市圏に所在する企業等の社員が一定期間地方公共団体に派遣される制度です。地域独自の魅力や価値の向上、地域経済の活性化、安心・安全 につながる業務に従事、必要な支援を総務省が行う取り組みです。
派遣元企業に対する負担金など起業人の受入れの期間中に要する経費を上限年間560万円/人まで負担し、地方圏へのひとの流れを創出することを狙っています。
日経電子版によると2022年度までの3年間で派遣人数は4倍に増加し、観光振興や特産品開発、デジタルトランスフォーメーション(DX)などの分野で専門人材が活躍しているといいます。
│ 地方公共団体(行政)のメリット
DX推進や広報公聴、移住定住の促進など新たな地域課題の解決や住民ニーズへの対応が次々と求められ、中には職員だけでは解決できない専門的知見・経験を必要とされる課題が多く存在しています。そんな課題に対し、民間のプロ人材を仲間にすることで、より早く、より大きな成果を創出することができます。
│ 民間企業のメリット
民間企業で身につけたスキルを行政で活かすことで再現性のあるスキル習得に繋がり、本業における業務改善・生産性の向上が期待されます。また、可処分時間が増えたことにより「想いのある地域に関わりたい」「地元へ恩返ししたい」という個人の貢献欲が非常に高まっています。本業に在籍しながら自己実現ができる本制度は企業にとっても離職率の低下・満足度の向上に大きく貢献します。
「副業型」が追加されどう変わるのか
今回、地域活性化起業人(企業人材派遣制度)に「副業型」が追加されました。従来採用されていた企業から社員を派遣する方式(企業派遣型)の課題点や「副業型」ができることでの変更点、期待できることについて整理します。
│ 従来の課題点
✓企業と自治体が協定を結ぶ必要がある
✓月の半分以上、自治体現地で働く必要がある
│ 「副業型」の追加で変わること
✓企業に所属する個人と自治体が協定を結ぶ
✓月4日・20時間以上を自治体業務に充てる
✓自治体現地での滞在日数は最低月1日
↠民間人材の参加ハードルが下がり、より参加しやすい形に改訂
│ 今後期待できること
✓民間人材が本制度に参加しやすくなったことで参加希望者が増加
✓豊富な人材の応募が期待され、自治体がスキルマッチする人材と出会いやすくなる
自治体複業の未来
現在、自治体での複業登用ニーズ(=民間の外部人材を自治体が採用すること)は急増しており、弊社サービス複業クラウド for Publicを通じて全国の約7%、47都道府県120自治体以上が既に複業採用を実施しています。
12年連続の人口自然減により労働力人口の減少に歯止めがかからない日本において、次々と勃発する新たな行政課題の解決には企業と行政の共創が欠かせません。本制度が後押しとなり、今後も自治体における外部人材採用ニーズは高まり続けるでしょう。
また、民間企業での複業(副業)解禁が当たり前となった今、個人が複業をする目的は金銭報酬だけではありません。「本業では関わることができない分野に関わりたい」「企業以外で働くことでスキルアップ・キャリアアップを目指したい」「思い入れのある地域へ貢献したい」などお金だけではない価値を求めて複業をスタートします。
より多くの自治体が民間人材を受け入れ、多くの個人が活躍することで”働く”における幸福度が最大化されると考え、引き続き自治体における外部人材登用を啓蒙・ご支援してまいります。
大林 尚朝 / NAOTOMO OBAYASHI
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