見出し画像

オリンピック開会式で世界に”日本”はどう映ったのか

連休前に2回目のワクチン接種をしたのですが、想定以上の副反応にやられていました。久しぶりの40度以上の高熱が1日半続き、辛いなと思いつつ本当に感染したらもっと辛いんだよな・・と複雑な思いでこの4連休を過ごしていました。

症状が少し落ち着いてきた頃にオリンピックの開会式が始まり、まだ熱でぼうっとしながら全部観ました。全部ちゃんと観たのは初めてかもしれません。自国開催だから、というのもありますがイベントを運営する立場として、そしてグローバルに日本を発信する立場として観る、初めての開会式だったと思います。

そもそも開催が1年延びていること、そして直前まで色々なことがありすぎたこと、様々なことがリオで旗を託されたあの時からは変わっていると思うのですが、あの時感じたワクワク感がどこかに行ってしまったことを観終わった後に感じました。

それは何故なんだろう、というのはKOLの安川さんが完璧にまとめてくださっていたので、まだ読んでいない方はぜひ読んでいただきたいと思います。

一つ一つのコンテンツは素晴らしかったし、やり遂げた方々には賞賛しかありません。予算も時間も制限があるし、仕方がないというコメントもあちこちで見ました。でも、世界に”日本”を表現する最大の機会に、どんなメッセージを出したのかというと「分からなかった」というのが正直なところだったと思います。

私が働いているPlug and Playは、世界35以上の拠点にオフィスがあり、様々な拠点でアクセラレータープログラムの成果発表会であるデモデイを行なっています。Plug and Playという”グローバル”のブランドを持ちつつ、どう拠点の”ローカル”の要素を取り入れ、表現していくのか何回やっていても悩みます。特に日本は東京・京都・大阪と拠点が3つあり、”グローバル”と”日本”に加えて、それぞれの拠点の要素も考える必要があります。

今回のオリンピックの開会式では、そのヒントが得られるのではというのも期待していました。リオの閉会式の頃はまだPlug and Playでは働いていなかったので、そういうつもりでは観ていたわけではないのですが、改めてその時の映像を観ると色々な刺激を得ることができます。

翻って今回の開会式は、わかりやすい”日本”だったなというのが私の印象です。それが悪い、ということではありません。SNSで話題になったフランス国営テレビの「東京五輪プロモーション動画」や、OMEGAのCMも世界でよくみる日本の文化や”美”がその中心にあります。

外側の人の方が日本のことをよく知っている、というコメントも見られましたがそんなことはないと思っています。だからこそ期待していたのが、他の国が”わかる”日本のその先、歴史や背景、成り立ちを理解しているからこその表現を期待したかったのかもしれません。実際に世界に日本がどう映ったのか、海外の同僚にももう少し聞いてみたいと思います。

ちなみに、開会式でもう一つ期待したかったことがありました。それは新しいテクノロジーを活用した何か、が見られるのではないかということでした。ドローンの演出にはSNSも盛り上がっていましたが、初の試みではなくもう既にあちこちで実施されている演出です。ちなみに開会式ではありませんが、様々な企業のテクノロジーが活用されているそうです。本当はここに少しスタートアップの名前が連なっていたらもっとよかったですね。

競技が始まって3日。連日のメダルラッシュにもう開会式の話は過去のものになってしまっている感はあります。でも、きっとまた閉会式で思うことも多くあるでしょう。もしかしたら次回の開催国であるフランスの演出にものすごく嫉妬するかもしれません。だからまた安川さんのnoteをその頃に読み返し、単に現状を嘆くのではなく次の展開を自分たちがどう作っていけるのか、何を変えていかなければいけないのか、本当の議論が始まると期待したいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?