肺炎の影響で外出自主規制中の中国暇人たちのリアル。エンジニアの社会貢献が素晴らしい
新型のコロナウイルスによる肺炎が武漢だけでなく中国全土で流行っていて、全土で公共衛生事件最高レベルの注意報が出てます。
封鎖された街もあれば、されてなくても当局の呼びかけに応じてできるだけ外に出ないように外出を自主規制している国民が多いです。
北京はもともと春節中は人が少ないのですが、今は街にぜんぜん人がいません。昼間に用事があって出かけたのですが、地下鉄の中はガラガラで全員マスクしてます。(外国人率が高い笑)
もともと春節の7連休はみんなあちこちに旅行に行ったり、親戚や友達の家に遊びに行ったりするのが習慣ですが、今回の感染病の件でほぼ禁足になってます。
また、病気の蔓延を防ぐため、休みが3日も延長され10連休になってます。(上海はさらに延期とか。経済への影響が懸念されます)
↑1日目から8日目までの暇ぶりを表した画像、最後は携帯すら見ないってよ
引きこもりに慣れてないので、そろそろ限界ではないかと思っていましたが、僕もみんなもけっこう楽しんでるし、みんな各々に自分の生活や作ったものをアップしてます。
しかもネット民たちの中にはめっちゃ面白い人が多いので、ずっとこの生活でも大丈夫かも笑
みんなが自宅警備の連休をどのように過ごしているのかを紹介したいと思います。(最初ゆるふわネタなので意識高い人は後半からお読みください)
■まじでリスペクトだよこの暇人たち
まずは衝撃的な暇人たちから紹介。
ここ数年、中国ではナッツやドライフルーツのミックスをおつまみとして食べるのが流行ってます。「1日一袋で健康ですよ」という売りですが、あるお兄さんは数十袋も開けちゃいました。
そして数えました。。
どんだけ暇なんだよこの人...これ、すごい数のイイネをもらってました。
暇すぎを文章で表現する人もいます。
↑連休の3日目、雨、窓から見る木の枝が1693回揺れ、486枚葉っぱが落ち、小鳥が167回鳴いて196回飛んで通った。家のトイレにはタイル300枚、床には677枚、ガラスが37枚で床板が1065枚。そして家にある米は35214粒だと。
肺炎ではなさそうですが病気になったかもね、この人。
↑WeChatのモーメントで羊数えのリレーをやる人たちも話題に。これがSNSの新しい使われ方でしょうか
↑ミルクティーを飲みたくて仕方がない人、でも外に買いに行きたくない、なので自宅で美味しいミルクティーの作り方を教える人も
↑ビデオ通話で飲み友達とクラウド划拳(中国の飲みの席でお酒飲ませるゲーム)する人もいました。白酒を飲むはずなんですが、これだと水に入れ替えててもバレないよね、と突っ込みたい。
↑面白い世間話を聞きたいって人のリクエストに13万のコメントと約300万の「いいね」が。
このように暇すぎて他愛のないことをして、それをネットにアップする人がたくさんいます。(朗らかですよね、肺炎ネタは日本のTwitterの方が殺伐としてるよ)
■病院工事の中継がバズりコンテンツ
そして個人的にとても不思議なんですが、ものすごい人数が2月6日までに作られる予定の武漢の感染病専用臨時病院の工事現場の中継を見てます。
(この病院建設の話は知ってますかね、?の人はメディアの記事を見てください。中国すげーって投稿も見ますが今更感、SARSのときも北京で作ってますから。。)
建設中の病院は2カ所で、どちらも24時間工事していて、その様子が24時間生中継されています。
↑その中の一つ「雷神山病院」の中継をさっきキャプチャーした画像、なんと920万人が中継を見てました。
↑興味本位でちょっと立ち寄って見てるだけだろうと思ったんですが、長時間見てる人がたくさんいるぽいです。しかも、中には自分のことを「工事監理」と名乗り、それぞれの工事タンカーにあだ名をつけてる人がいます↓
このあだ名をあとで見に来る人にわかりやすく説明してくれる人もいます
最後はついに物語までも作られました
↑「右にラブラブの黄色ちゃん二つ、左に孤独なあおいちゃんが寂しく頑張ってる」
... そしてこれが人気になってます。
■もちろん真面目な人もたくさん
長い空き時間の使い方はそれぞれです、上で紹介してきた暇人たちもたくさんいますが、ガリ勉が多い中国ではたくさんの人が今まで取り組めなかったこと「勉強しましょう、動画編集上手くなる方法、photoshopを極めよう、読書しよう」に取り組んでます。
↑過去にガリ勉のノウハウを共有しました、意識高い人はぜひ参考に
■中国エンジニアの実力とスピード感
そして休み中のエンジニアたちは肺炎で困ってる人たちのためにボランティアでいろんなサービスを開発して提供してくれてます。
・不足物資の募集、情報共有サービス
肺炎の感染者の多い病院では防護物資が足りなくなっていて、支援を募集する病院が多数あります。そして、よりみんなが支援しやすいようボランティアのエンジニアが情報をまとめるサービスを速攻で作り出しました。短時間で作ってるはずが、素晴らしい出来です。
↑どこの病院で何が不足してるかが一目でわかる。簡単な入力CMSまで用意されていて、病院が自ら発信することも可能。他サイト情報のまとめもしてくれます。
公開された当初は感染者が湖北省にしかいなかったので湖北しか対応してなかったのですが、全国に蔓延してきたのでサービスもアップデートされて、今は市ごとに選ぶことが可能になってます。
しかも「無料支援してほしいのか」「お金出しても構わないからとにかく物資が欲しいか」に選択肢が分けられていて、一般市民もわかりやすいし、関連業者も利用しやすい。
・肺炎患者との接触調査サービス
感染者と同じ乗り物に乗った乗客は感染のリスクがとても高くなりますよね。ここ最近「xx日のxx便に乗った人を探したい」という情報がとにかく多いです。
特に春節期間で「春運」と呼ばれる帰省の大移動なので「もしかして自分が利用した交通機関に感染者が出たのではないか?」と不安を感じる人も増えてます。
そこでまた別のボランティアエンジニアの集まりが、新たなツールを開発しました。
日にちや場所、乗った便を入力すれば、飛行機、新幹線、列車、市内バスや遠距離バスなど様々な交通機関に肺炎の人がいたかどうかがわかります。データはすべてWechatやWeiboのオフィシャルアカウントから取ってるらしい。
素晴らしい、日本の神エンジニアの諸君もぜひ作ってあげてください!
■そのほか
人間がしばらく外に出られないので、ワンちゃんの散歩も出来なくなります。中国はペット飼ってる人が爆発的に増えてるので、これは地味に大問題なのです。
「生气」って怒ってるって意味です。かわいそうです(T_T)
一部の企業はすでに、春節休み明けてもしばらくは在宅勤務しましょうと発表しています。そしてなんと、感染病が落ち着いたあとのみんなの体型予測も始まりました。
どうしよう。。ジム行かなきゃ。
肺炎についての真面目なニュースは新聞やNHKを見てください。ここでは日本では報道されてなさそうな、それでいて気になることがあったらまた紹介したいと思います。
※今年もちょっとマニアな中国情報を届けます、ぜひフォローしてご期待ください。Twitterでも情報発信してますのでこちらもぜひ見てください。